中原聖乃の研究ブログ

研究成果や日々の生活の中で考えたことを発信していきます。

ワシントン出張過日記-調査編

2015-11-14 09:55:47 | 研究報告

11月1日月曜日からはメリーランド州のカレッジパーク公文書館Ⅱで資料収集。

今回は映像資料と写真を中心に収集した。映像資料はそれほどないのですぐにコピーできた。ただ機械の操作が難しいのでスタッフの方に教えてもらいながら。リールに巻いてある16ミリフィルムは、ビデオで再生しながら三脚を使ってモニター画面を撮影するので意外と簡単。

 

カセットの形に収納されているフィルムは、DVDにコピーできる機械があるが難しい。機械の不調で一枚無駄にしたけど、親切にも新しいDVDと交換してくだった。撮ったのは1946年の記録。結構いい機械を使って録画しているようで、鮮明に映っている。

写真は一見すると少なそうに見えたが、一つの箱にばらばらに入っている。ざっと見ると私が必要なのは10分の1程度。でも写真の裏に写真番号が書かれているだけで、内容まではわからない。写真の内容を知るには、写真裏の番号と目録とを突き合せなくてはいけない。写真番号を目録にさがすだけでもひと苦労。というわけで目録の写真を全部取り、ボックスに入っている写真も全部取る戦略に変更!結局5時間かかってしまう。。。

カレッジパークの公文書館は森の中にあるので、お昼は館内のカフェでとる。お天気のいい日はテラス席が人気。スープスタンプがあり10回食べると一回の無料券がもらえる。期限は書かれていないので、今回から利用!

新しい研究テーマについての調査方法なども調べていると、、、あっという間に資料調査のための期間が過ぎる。どうやら必要な資料がワシントンDCの公文書館Ⅰにもあることが分かったため、金曜日の午前中に時間を作りワシントンDC公文書館Ⅰへ。ところが!!!夕方から会う方へのお土産をカバンに入れていたのですが、それがセキュリティーに引っかかり、入れないとのこと。じゃあ公文書館内のロッカーに預ける、と言ったのですが、持ち込むことがそもそもダメなので、入れないとのことでした。じゃあ、駅のコインロッカーに預けると言ったけど、官庁街にはないそうで、、、結局片道20分かかって宿に戻り、置いて再び公文書館へ。お土産は上品に包装された極上の和包丁です!その時はお土産を喜んでもらえる顔しか思い浮かばなかったのですが、あとで考えると公文書館に持ち込むのはダメに決まってると思いました。


ユーゴスラビア料理、鶏肉のパプリカ煮で乾杯!

2015-11-14 09:51:58 | 日記

大きな仕事も終わって気分もいいので、昨晩東欧料理を作り友人の手づくりビールを楽しむ。

いまはユーゴスラビアは、紛争を経てスロベニア、クロアチア、ボスニアヘルツェゴビナ、、、など別の国になっている。私が30年間愛用している『料理で乾杯 ビールがぐーんとおいしい地中海の手づくり料理』の中では、まだユーゴスラビアだ。この本、なにが気に入って買ったかというと、料理の作り方だけではなく各国のエッセイがちりばめられているところ。執筆は天本英世さん、塩野七生さん、佐藤陽子さん、吉村作治さんなど。本に載っている国のなかでフランス、スペインはもしかしたら行くことがあるかもしれないけど、トルコ、ギリシャ、エジプト、ユーゴスラビア…一生行くことはないだろうなあ、と思いながら料理を作っていた。いまだにどの国にも行ったことないけど(笑)。ただユーゴスラビアのドブロブニク(現クロアチア内)は写真がとても美しく、いつも「いつか…」と思っていた。

実は昨晩、パプリカ煮を作ろうと思ったのにパプリカを買ってくるのを忘れて、ただのトマト煮になってしまった。写真にすると肉じゃがと何が違うのか良く分からない。奮発してサワークリームまで買ってきたのに。でも意外と美味しかったです。

 


ワシントン出張過日記-学会&授業編

2015-11-12 19:37:31 | 研究報告

10月29日(木)から11月7日(土)まで学会参加&調査のため、ワシントンに滞在しました。

30日金曜日は、ジョージタウン大学で開催された核セキュリティサミット&ワークショップの参加。今回は参加だけ。アメリカの学会の朝は早く7時受付開始、8時スタート!サミットなので、学会発表のようにたくさんの参加者がいるのではなく、一人15分の発表者が20人程度、私のような発表なしの参加者が10名程度で、少人数での発表&ディスカッションとなっている。実際に会場にいる発表者とヨーロッパ、日本、アメリカをスカイプでつなぎ、切り替えながら会議を行う。この切り替えは大学院生が行う。さすがアメリカ!(というか日本にもあるかもしれないが、私は参加したことがない)

テーマは、核廃棄物処理、福島原発の地域再生、がん治療に微生物を生かす方法、放射線による生態系の異変など様々であった。理系の研究者が中心だったこともあり、しかも私の英語力にもかなり問題があり、なかなかついていけない部分が多かったが。。。

7時からはバンケット、日本語では懇親会?実は私にとってはここが一番の難所である。学会はわかろうがわかるまいが、難しい顔してふんふん聞いていればいいのだけれど、バンケットというとそういうわけにはいかない。前日夜、「アイ アム 聖乃・中原。マイ メイジャー イズ アンソロポロジー」からマーシャルの被ばくの話まで何度も練習した(笑)!その甲斐あり、となりに座った放射線による生態系の異変について研究されている方が、私の研究に興味を持ってくださった。食事が終わりかけたころ、パソコンでいろいろマーシャル諸島の写真をお見せした。写真は会話のためのよい潤滑油になった。

私も、次回はポスター発表を目指す!HPはこちらです。

https://www.eventbrite.com/e/nuclear-security-summit-workshop-2015-tickets-17871543267

 

日曜日夕方からはお食事&これからの研究の打ち合わせをしたが、街を歩いていると「ハアイ!」と、レストランのテラス席から声をかけられるが、私にハアイという人はいません、と思いながら、じ~っと顔を見ると、なんとサミットで出会ったジョージタウン大学の大学院生さん。下手な英語でべらべらとマーシャル諸島について話しまくったので、記憶されていたらしい。。。その夜ホテルで勉強のためにCスパンという政府と市民の対話番組のチャンネルを見ていたら、「今日はジョージタウン大学の学生さんが来ています」というナレーションが、、、気になったので見ていたら、なんとその学生さんがアメリカの核兵器について質問していた。すごい!

金曜日は、初の米国の大学での授業。私にとって今回の出張のメインイベント!

授業時間は120分。スピーカーの一人目はフードセキュリティーの専門家。当たり前だが、発表はとてもエキサイティングで面白くつつがなく終了。いよいよ私の番。どう考えても、私にディスカッションのリードはできないので、グループに分けて学生がディスカッションするときにわからないところについて質問してもらうスタイルにしようと思った。そりゃ、白熱教室みたいなのができたらいいけど、生まれ変わったらぜひトライしてみたい。ただし予定通りには進まず、パワーポイントを使ったプレゼンの途中で学生からしょっちゅう質問が来るので、結局一時間全部を使ってプレゼンになってしまう。学生の数は何と6人。渡航直前に聞いたのだが、実は大学院の医学研究科の授業だった。。。大きな不安に駆られたが一部先生に通訳をお願いしたりして、なんとか終えた。学生から「あなたの研究は重要だから、これからも続けてよい研究をしてください」と励ましてもらった!

夜はもう一人のスピーカーの先生と、誘ってくださった先生ご夫妻と一緒にタイ料理のお店でお食事。

今回は、思った以上にいろいろな人と出会い、次につながる予感がした。よい出張になりました。この下手な英語がインパクトを与えたかもしれないと思うと、財産として大切にしようと思いました!という言い逃れは通用しないと思うので、やはり英語勉強します。