中原聖乃の研究ブログ

研究成果や日々の生活の中で考えたことを発信していきます。

4月1日付けで、北九州市立大学地域共生教育センターの特任教員に着任しました。

2022-04-29 19:47:08 | 日記

4月1日付けで、北九州市立大学地域共生教育センターの特任教員に着任しました。

前職の総合地球環境学研究所では、超学際研究のプロジェクトのメンバーとして、びわ湖の水草問題、同位体測定にかかわる研究者との共同研究、マーシャル諸島の被ばく問題の可視化など、多様なテーマで研究を進めてきました。

そして京都岩倉での暮らしでは、「地域コミュニティ」というものを実感しました。それまでは、研究でコミュニティという言葉は使っても、日常生活でコミュニティを意識することはほとんどありませんでしたが、「岩倉川を守る会」での活動や、入り人(いりびと)として初めて「愛宕講」のメンバーに入れていただいたことは、忘れがたい思い出となりました。これからは岩倉の関係人口の一人としてのかかわりが始まります。

北九州では、新しい仕事を開拓できそうです。地域共生教育センターでは、地域活動をする学生のサポートを主に行います。もちろん、3年前より行っているマーシャル諸島デジタルアーカイブは、これからも取り組んで行きます。北九州の地から「平和」と「環境」と「被ばく」の研究を学生とともにすすめていきたいと考えています。


新しい年を迎えました。

2020-01-13 17:35:18 | 日記

新しい年の始まりです。

ここ岩倉は、京都という都会にありながら、伝統的な行事が暮らしのレベルでたくさん残っています。京都市内はもちろん、京都周辺でもほとんどすたれてしまった愛宕信仰が残っており、おくどさん(かまど)も残してあるおうちが多いです。何軒か見せていただきました。こういう伝統をいまの暮らしに合うように活用できたら、と「入り人(いりびと)」の私は思います。でも住んでいる方は一様に「あんたよそもんやから、そうおもうかもしらんけど。しがらみとかあるし、大変やで~」とおっしゃいます。

今日は、町内でおこなわれたどんど焼きに行ってきました。愛宕さんと呼ばれる灯篭のそばでありました。すでに5人くらい集まっていたので、「おはようございます」とあいさつをしたのですが、みなもちろん知り合いらしく、???という感じだったので、私の自己紹介から始めました。

朝9時、持ってきたものをいろいろ重ねて火をつけます。しめ飾りやいらなくなった稲わらなどもあります。神のお皿やデパートの紙袋などもあります。私は、お正月飾りを職場に飾っていたので、今日は何年も前のお守りをふたつ持ってきました。でも本当は、お守りは節分の時に吉田神社に持って行くのが、このあたりの習わしだそうです

焼きながら、焼きミカンをいただきます♪

最後には焼けた竹をもらって、玄関の入り口の上に、今年の幸運を祈って飾っておくのですが、私のアパートにはおけるところがないので、玄関よこに立てかけておくことにします。

今日はこのあたりのあちこちでどんど焼きをやってるので、ときどきぱ~ん、という竹の割れる音が響きます。どんど焼きは、10~30件ぐらいの集落ごとに行うので、今日はかなりあちこちでやっているはずです。これは隣の別のどんど焼き。すごい煙です。

どんど焼きも済んだし、明日から本格的に仕事です。今年はびわ湖の水草の意見交換会も始まるし、マーシャル諸島のアーカイブも始まるし、本当に忙しくなりそうです。

愛宕信仰は、京都の愛宕山が起源の火除けの信仰で、江戸時代に全国に広まったそうです。私は愛宕小学校という名前の小学校に通っていました。敷地内には今でも神社の祠や相撲の土俵があります。小学校裏手には愛宕山があり、頂上には愛宕神社がありました。小学校の時はよく遠足で登りました。でも、米軍基地が拡張工事をし、その埋め立て用の土砂のために、愛宕山は見るも無残に切り崩され、今では病院、米軍住宅が建っています。

軍事は伝統や環境を一気に変えていきます。岩倉の場合は、子供と住むために都会に移り住んだり、相続税が払えなかったり、、、という理由で、どんどん家と土地が売られていきます。先日も、近所の家が2億円で売り出され、1億2千万円まで下がったところで売れていきました。アパートでも立つのだろうか、と噂になっています。典型的な地方都市に生まれ育った私にとって、岩倉の暮らしや伝統はとても新鮮に映ります。これを一つの「価値」として残す方法はないのだろうか、、、と「入り人」である私は思うのです。

 

 

 

 

 

 


電力と動力

2019-12-16 11:31:36 | 日記
ハイブリッド車や電気自動車は、地球環境にやさしい車と言われている。トヨタのHPにも、「ハイブリッド車は、ふつうのクルマより少ない燃料(ガソリン)で長い距離を走ることができ、排出する二酸化炭素の量が少ないからです。」とある。確かに、走る時だけを考えると地球環境にはよさそうだ。でも、プリウスには絶対に分解できない部品があるという。分解できないということは、廃棄の際に地球環境に負荷をかけてしまうということだ。

環境負荷を考えるときに、製品を使うときだけではなく、製品が誕生してから、そして使われなくなった後のことまで、つまり商品のライフサイクル全体で考えるという考え方がある。この考え方に照らし合わせると、プリウスはトータルで見た場合、それほど地球環境にやさしいとは言えないのかもしれない。他の電気自動車はどうなんだろう。

そもそも、何かを燃やして、その熱(熱)でタービンを動かし(動力)、生まれた電気を蓄電し(電気)、その電池で車を走らせる(動力)というのは、行程が増えて効率的にはよくないのかもしれない。エネルギー問題は厄介だ。

ちょっと前、岡山の「市民・地域共同発電所全国フォーラム」に参加した。そこで水車に詳しい方とお話する機会があった。私が、私の地元の岩倉川の昔の水車を水力発電に使えないかなあ、と言ったら、「あの川で水力発電~~~???水車ひとつで5ワットの豆電球が一つつくかつかないかというレベルです」と言われる。LEDの蛍光灯でも25ワットくらいらしい。と言うことは、水力で電気を生んでも、それほど使えないのだとがっかりする。

ただ昔は、岩倉に限らず洛北一帯では、水車を動力として使っていた。杉のお線香を作ったり、お米の脱穀などに使ったりしていたそうだ。この水車を水力発電にして蓄電し、電動の脱穀機を使ったら、、、、そもそも脱穀できるだけのエネルギーが作れるのか、やってみる価値はありそうだ。電力よりも動力として使うというのが、効率がいいのだろうと思う。地元の小学校とかで実験できないかな。

 
 

プチビワイチに挑戦

2019-12-01 15:13:55 | 日記

 

 

先週末(11月23・24日)、びわ湖の南湖を自転車で回るという旅をした。びわ湖を自転車で1周するのをビワイチというが、190キロもあるので私は断念し、今回は南湖だけ1周(50キロ)した。地球研からびわ湖まで片道40キロくらいあるので、全行程で130キロくらいかな。

 

今回は地球研の方に一日だけ伴走をお願いする。実は昨年から滋賀県庁の方にビワイチへの挑戦をすすめられていたが、技術的にも体力的にも無理そうだったので、1年間少しずつトレーニングしてきた。

絶好のサイクリング日和のなか、比叡山に上る朝日ととともに地球研を出発。いつも車で走る道を、ゆっくり自転車で通るのは楽しい。街並みや家の造りを見ながら移動できるのは、自転車ならでは。スダジイとかあったら、栄養補給がわりに食べよう!と思っていたが、市原を過ぎ静原を出るころには、もうそんな余裕はない。ひたすら遅れないでついていくのがやっと。。。そして大原に到着。

大原から150メートル高い途中峠に向かう。途中峠に到着するともう疲れ切り、写真を撮るのを忘れる。途中峠を過ぎたあたり、福井方面と滋賀県方面の分かれ道にイチョウの木がある。イチョウは樹形が目立つし、落ち葉が腐敗しにくいので、冬でも黄色の落ち葉が目印となって、道しるべとして使われたのだろう。帰りは一人なので、道を間違えないようにしないと。

あんなに大変だった岩倉から途中峠だが、堅田までは下り坂をぶっ飛ばし、ほんの30分ほどで到着する。堅田到着は10時半。所要時間は、予定していた5時間よりも2時間も早い3時間。

せっかくなので、堅田の古い街並みを散策する。前回の調査時に気になったが入れなかったお茶屋さんに立ち寄る。ここのお茶は、なんでも、最澄が中国から持ち帰ったお茶の種を育てたお茶の木を分けて(たぶん挿し木で)植えたものからできた茶葉なのだそうだ。とってもおいしい!お家の歴史から水草の話までずいぶんと話し込んでしまう。このお茶屋さんの看板は、なんと、100年近く前に作られた田船の底板を再利用したもの。かつて、この集落あたりにあった多くの農家は、船で東側のびわ湖まで水草を取りに行き、そのまま水路を伝って、集落を越えて、西側の内湖を通って、田んぼに水草を運んで肥料にしていた。船大工の店も2軒あったが、いまは営業していない。このあたりでも藻を採っていたし、お茶屋さんの奥様はびわ湖の北のほう出身だったが、ここよりもさらに取っていたそうだ。

長い間茶筅を売っているお茶屋さんに巡り合わず、今回たまたまお茶屋さんがあって、いろいろなお話が聞けてよかった。話は変わるが、京都は生活空間の中にあるフツーのちゃんとしたお茶屋さんが少ない。名古屋にいたときは、歩いていける距離に何軒かお茶屋さんがあり、九州のお茶も売っていたので、意外だ。

堅田の家の屋根は、切妻の屋根だけど、まっすぐではなく緩やかにカーブしている。これはこの地方独特のデザインかと思ったら、木の曲がりにそって自然にカーブしているだけかも、と言われる。なるほど~、曲がり方が一様ではないので、たぶんそうだと思う。この家は「木の気持ちに寄り添った家です」と言って売り出したら、儲かりまっか?そういえば、以前ピアノの調律師さんに、ピアノに使われた木材が育ったところと、ピアノを置いている家の環境とが合わないと、いくら調律をしてもすぐにくるってしまう、と聞いたことがある。日当たりの良い場所で育った木、湿気の多いところで育った木、それぞれに特性があり、ピアノは一台一台個性があるのだそうだ。ならば、ピアノに使われている木が育ったところが分かるようにすればいいのに、と言うと、材木の流通過程でわからなくなるので、そんなことはできないのだそうだ。ピアノとか、家とか、船とか、桶とか、、、はたまた吹奏楽の楽器のリードとか、、、用材の特質を生かしてモノづくりをし、さらに木にとって居心地がいい場所で使ってあげると、もっと満足のいく道具になるのだろう。

さてさて、12時を過ぎたので、そろそろプチビワイチに出発することにする。。。30メートルも行かないうちに、な、な、なんと、パンクしてしまう!パンクした場所は、湖族の里資料館の駐車場の真ん前。絶好のパンク修理スポットだ。まさかこんなことになろうとは思いもよらず、パンク修理キットを買っていなかった。修理キットを買ってきてもらい、その間私は、前回お邪魔した「湖族の里資料館」に挨拶に行き、これまた前回お世話になった「竹虎」でてんぷらうどんを食べる。準備を怠り、ご迷惑をおかけし、お詫びの言葉もございません。ごめんよ~、Hさん。テキパキとパンク修理をしてもらい、1時半にやっと出発。堅田についてから早3時間。

びわ湖は平たんだからチョロい。と思った私が馬鹿だった。エネルギー切れで、自転車から降りる足がおぼつかない。朝ごはんは2膳、卵二個、野菜サラダ。昼ごはんはてんぷらうどん。途中、バナナだの、まんじゅうだの、よーかんだの、バウムクーヘンだの、いろいろ食べていたけど、ぜんぜん追いつきません。本当にいろいろ食べていて、ブログを書きながらびっくりしました。あまりの陽気に、のども渇き、ガス入りミネラルウォーターで渇を入れたいと買ったが、これはサイクリングには不向きでした(笑)

夕暮れの琵琶湖をヨシ越しに眺めながら、最後の難関びわ湖大橋を渡り、ようやく今日のお宿、きよみ荘に到着。風呂に入り、近江地鶏のすき焼きをいただいて、やっと人心地つく。倒れこむように眠りにつく。。。

きよみ荘は、地球研の私の所属するプロジェクトOpenチームサイエンスにかかせない存在。きよみ荘のご主人は、ずいぶん前から、ボランティアで、浜に打ち上げられた水草の清掃をやっていらっしゃる。なので、朝は手伝おうと思ったのだが、なんだか疲れてできず。そして、さらにわがままを言って、大原まで車で送っていただく。大原からはほんの1時間で地球研に到着。プチビワイチ完走!と、胸を張って言えないところがお恥ずかしいところですが。

帰宅後、猛烈におなかがすき、月曜日に職場でお昼にみんなで食べようと思っていた、大原の道の駅で買った栗おこわと大福二つをあっという間に平らげ、強烈な睡魔に勝てず、眠りこける。翌月曜日も火曜日も体がだるく、仕事にならなかった。机に座って、ただただ前を向いている状態。。。というわけで、この土日はたまった仕事を地球研で片付けております。

 

 
 
 
 
 
 
 
 

地球研の2019年の要覧ができました。

2019-06-18 10:54:40 | 日記

私がマーシャル諸島で撮った写真が、地球研の要覧2019の表紙を飾っている!!!

毎年この時期には要覧が完成するが、表紙は前年度の「地球研フォトコンテスト」の優勝作品が使われる。地球研のあちこちに置かれているので、自分でもこの写真を何度も見ることになる。恥ずかしさ半分、自慢したい気持ち半分。

この写真はマーシャル諸島メジャト島のエブリンという女の子。10年ぶりにメジャト島を訪れた私を、子供たちが案内してくれた時の一枚。Kommol tata, Evelyn.