「関東の駅100選」に選ばれた、鹿島鉄道鉾田線の鉾田駅。しかしこの路線は2007年に廃止になり、木造の鉾田駅は姿を消しました。しかし鉾田駅がなくなっても、その駅の味は今でも残っています。
当時鉾田駅の横に寄り添うように、立ち食いそば屋が有りました。現在その立ち食いそば屋は、鉾田駅に隣接していた関鉄グリーンバス鉾田営業所のバスターミナル内で営業を続けていました。「たい焼きを探しに・・・」のはずが、何故立ち食いそば?実はそのおそば屋さんで、たい焼きも売っているのです。
鉾田の市街地を抜けた所に、小さな敷地にバスが集まっている場所があります。数年前まで、ここに鉾田駅が有ったようですが、現在はその面影はありません。関鉄グリーンバスの入り口の所に建物があり、そこに今回のたい焼きが有ります。但し、たい焼きの幟は有るのですが、お店の名前がわかりません。なので「旧鉾田駅のたい焼き」としました。
お店の扉には、小倉・白あん・クリーム小倉・黒ごま・焼きいもと書かれたたい焼きのメニューが有りました。意外にも種類の多さの驚きです。小倉とクリームは定番として、チョとこだわりの白あんがあり、若者向けは黒ごまあんかな。そして焼きいもあんまで置いてあるとは!
「そば・うどん」と書かれた暖簾をくぐり店の中に入ると、お店のおばさんが「いらっしゃい」と出迎えてくれました。早速定番の小倉あんと、色合いは同じ黒ごまあんを注文しました。そして店のおばさんは、既に作ってあったたい焼きを渡してくれました。それは厚みのあるたい焼きで、焼き上げるのに10分以上はかかりそうなボリュームです。焼きたてのたい焼きを食べたい気持ちはありますが、お客さんから注文を受けてから焼くとなると、ちょっと待たせる事になります。まして以前は駅で売っていた事もあり、万が一電車の時間に間に合わなくなる事も考えられます。駅舎がなくなった現在、昔に比べてそれ程集客が無いと思われるので、作り置きにしていると推測します。
お味はというと、ふわふわとした昔ながらのたい焼きで、小倉あんは若干水分の多いしっとりとした甘いあんこです。でもこの甘さが、肉厚のたい焼きにはよく合います。そして黒ごまあんは、チョと黒ごまの風味が弱く、もう少し甘くてもいいかな。やはりふわふわの皮をおいしく食べるには、甘い小倉あんがいいですね。作り置きですが、ここのたい焼きは冷めてもおいしいです。
お店の中には、数枚の写真が飾られていました。鉾田駅・電車・季節の写真。そしておばさんの今から?・・・数年前の写真です。このたい焼き屋は、ここの鉾田駅が有った証しです。
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