うちの子が学習障害?と思ったとき、親はどんなことができるのかを青森市教育委員会指導課教育支援室の土崎純子さんを講師に迎え、講座を開催しました。
LD(学習障害)とは、基本的に全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す状態を指します。
学習に困り感を持っている子どもたちは、これまでSOSを出してもうまく受け止められなかったことにより、自己肯定感を喪失していることが多いため、まず子どもたちの話に耳を傾け、子どもを理解することから始めることが必要です。子どもたちを理解するためには、直接観察の他にスクリーニング検査や課題の誤り分析等を行っていきます。
読み書きのつまずきは読み書き障害(ディスレクシア)、書字障害(ディスグラフィア)、ADHD(多動・衝動・不注意)に分かれ、それぞれ混在しています。
読み書き障害の場合、音の聞き取り、目での理解、記憶などどういった原因でうまく読めないのか、書けないのかを把握したうえで具体的な支援につないでいく必要があります。形の似ている「ぬ」と「め」を間違えたり、文字や行を飛ばしたり、単語や文末を読み間違えたりする子どもは、情報処理機能の一部が未発達なため、見た文字をことばに変えるといった変換作業がスムーズに行えていません。そのため、絵から文字をイメージするキーワード法やICTを積極的に活用し支援していきます。
書くことにつまずきがある子どもの場合、情報処理や認知の過程に不具合があり、手と目の動きを強調させるといったことがスムーズに行えていません。支援として小指と薬指を鍛え、手のひらで力一杯握る運動をし、体幹を安定させるたり、ビジョントレーニングを取り入れていくことが大切です。
最後に土崎さんは【「自然と学ぶ」「がんばればできる」「失敗すれば気づく」が通用しない生徒はいます。でも「分かるように伝えれば、分かる」「その子に合った方法なら、できる」と実感しています。「こちらが」できることは、たくさんあります。】というお話が心に残りました。
※スクリーニング検査⇒ふるい分けや選別、選抜などの意味を持ち、潜在している疾患や健康問題を見つけ出すプロセスを指します。
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