青森市子育てサポートセンター

「子育てをしている保護者のみなさんのお役にたちたい!」という熱い思いで、活動に取り組んでいます。

鳴海先生の子育てQ&A(サポセン通信14号より)

2018-02-13 12:52:00 | 子育て相談(Q&A)

児童心理治療施設「青森おおぞら学園」施設長 鳴海明敏さんが答えて下さいます

鳴海さんは、子育て講座の講師など、私たちにもわかりやすく優しくお話してくださる、信頼できる方です。

Q小1の支援学級在籍の男の子です。食事中飲み物をこぼすと、父親は「気を付けなさい!」と注意したり叱ってばかりです。学校や療育施設からは、失敗しても「すぐふけたね。」と励まし褒めて接するようにとアドバイスされていて、私はそのようにしているのですが、そのことを父親に伝えても実行してくれません。子どもとの関わり方についての理解を共有するには、どうしたらよいですか?


A 我が子の成長を願うお母さんの気持ちがとても伝わってきました。でも、質問を読み返しているうちに、「父親と母親の主導権争い」ではないかと思えてきました。私は、「家庭の機能」が果たせていれば主導権を握るのはどっちでもいいと思っています。子どもの成長にとって大事なことは、どちらが主導権を握るかではなく、訳もなく緊張したりすることなく、毎日安心して生活出来ることだと思っているからです。

    両親が言い争いをしていると、子どもは不安になり、「自分が悪いんだ」と思って自分のことを責めたり自信を無くしてしまいます。まだ状況を良く理解出来ないので、とにかく自分が悪いと思ってしまうんですよねぇ。

    アルコール依存やDVなどの問題などを抱える家族を、「機能不全家族」と呼ぶことがあります。家庭内にいつも緊張感が漂っていて、団欒したりお互いを支え合うという「家庭の機能」が十分に備わっていない家族のことです。このような家族の中で育つ子どもたちは、①家族の期待を一身に背負った「ヒーロー」、②家族の問題を自分自身の問題行動として行動化してしまう「スケープゴート」、③そこに存在しない振りをして生き延びようとする「ロストチャイルド」、④おどけた仮面をかぶって不安をかくして生きる「クラウン」、⑤ひたすら親や周囲の面倒をみようとする「ケアテイカ―」などのように、その子本来の生き方が出来ずに、家族の中で「特別な役割」をとるように強いられ、成長するにつれてどこかに無理が生じてきて、生きづらさに苦しむことになると言われています。わが子にそんな思いをさせたくはないですよね。

   自分の方が正しいと思っているときには、相手を変えようとしがちですが、今の状況をなんとかしなきゃいけないと思った方が、自分自身を変える努力をする方が簡単です。自分が変われば、相手も変わります。「励まして褒めて接する」というのは、いいヒントになりそうですね。


    

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鳴海先生の子育てQ&A(サポセン通信15号より)

2018-02-13 12:37:43 | 子育て相談(Q&A)

児童心理治療施設「青森おおぞら学園」施設長 鳴海明敏さんが答えて下さいます。

鳴海さんは、子育て講座の講師など、私たちにもわかりやすく優しくお話してくださる信頼できる方です。


Q 小2、小4の母ですが、年度が変わる時期は忙しくイライラします。子どもも困らせる言動が増え、怒ることが多くなり自己嫌悪に陥ります。どうしたらうまくいくでしょうか?(どう対処したらいいでしょうか?)

 

A  年度末は何かと大変ですよね。わが家も青森市に落ち着くまでは公舎暮らしでした。私が転勤となると、引っ越しの荷造りやら業者の予約、子どもたちの転校の手続きまで何から何まで奥さん任せでした。仕事の整理や連日連夜の男の付き合いを口実に、わが家を顧みることが無かったからでした。本当に申し訳なかったと思っています。

さてご質問の件ですが、どうしてこの時期に困らせる言動が増えるのか、少し考えてみましょう。そもそも子どもは、保護者から「見てもらって、言葉をかけてもらって、手をかけてもらって」、それで心の安定と生きるエネルギーを得ています。だから、お母さんが年度末の忙しさでいつものような子どもへの関わりが出来なくなると、途端に変調をきたします。いままで、優しくてお利口さんで聞き分けが良かったのに、一転して、怒られるようなことばかりをするようになってしまうのです。

「年度末で、一時的にお母さんが忙しくなっているだけだ」ということを理解出来ないので、自分の努力でお母さんの関心を取り戻そうとします。手っ取り早いのは、お母さんが怒らざるを得ないようなことをしでかすことですよネ。つまり、「怒ってもいいから、ボクに注意を向けてちょうだい!」ということです。

このように子どもの気持ちを理解すれば、子どもを怒ったからといってお母さんが自己嫌悪に陥る必要はないんじゃないかなァと私は思います。子どもが望んでいることをしてあげているのですから、忙しさの合間を縫ってどんどん怒ってあげればいいと思います。

それでもやっぱり怒りたくないという方には、「なにが起きていて、それはいつ頃まで続いて、その間はどうして欲しいのかなど」を、きちんと説明することをお勧めします。

 

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