放送作家村上信夫の不思議事件ファイル

Welcome! 放送作家で立教大大学院生の村上信夫のNOTEです。

東京都知事公邸 売却に一言。

2008年01月23日 06時37分00秒 | Weblog
おはようございます
寒い ・・・。

東京都が知事公邸を売却することにした。旧会津松平家の屋敷を、鈴木俊一知事が企画し、青島幸男がゴーサインを出した建物である。この2人の責任は、きちんと追及されるべきだろう。・・・特に青島知事は、都市博だけではなく、これも中止すればよかったのだろうが、資料には、「本人は嫌がったが。もはや止められる状況出なかった」とある。都市博問題で、警備上の問題もあったのだろう。
現在の石原慎太郎知事は使わず、現在は職員の研修施設などとして利用されている。が、2006年度は20回に満たない。しかし、年間コストは、約550万円。これを売却するのは、大賛成である。

本日の日経BPネットに猪瀬直樹東京都副知事が、
「猪瀬直樹の「眼からウロコ」 東京・松涛の知事公館の“失敗”を検証する」
として、その辺の事情を書いている。一部 抜粋して紹介する。

   失敗を検証するために、見に行ってきた。東京でも屈指の高級住宅街に、明  らかに違和感のある建物が現れた。約670坪の敷地に鉄筋コンクリートの2階建  て。1997年に総工費約12億円をかけて建てた。一目みて、なぜ12億円もかけて  こんなひどいものをつくったのか、と愕然とした。センスがない。石原都知事  も入居しないわけだ。
   一時期は民間に貸し出しレストランとして利用したりもしていた。また、外  資系企業の役員向けの高級賃貸住宅や、建て替え中の大使館の代替施設として  貸し出す案もあった。外資系企業の役員向けに貸し出せば月100万円以上の家  賃はとれるだろう。
   しかし、高級物件としての魅力に乏しく、いずれも上手くいかなかった。主  が住む邸宅部だけで、メイド部屋もない。民間の目線でみたら、使い勝手が悪  いことこのうえない。その後、都民などを対象とした研修・交流の会場として  利用するのだが、これも失敗に終わる。

   こうした設計が、公益性を充実させた結果なら仕方ないが、外国の大使や要  人が訪れたときにパーティーを催すこともできない。大理石の床は、一見した  ところ豪勢なのだが、天井が低く動線もよくない。中途半端なのだ。建物に関  する思想が感じられず、底冷えしてくるような感じがする。

 大枠において、猪瀬さんの分析に反論はない。都知事公邸を「どう使うのか」「なんために必要なのか」という根本思想を詰めていないから、こんなことが起こる。「作る」ことが先にあり、あれこれ理由をつける「官僚発想」が見え隠れする。だが、気になったのは、次の一文である。

   担当を聞いて、合点がいった。設計したのは都庁営繕部の職員だった。都営  住宅を設計している部署である。安藤忠雄氏や隈研吾氏などの建築家ならば、  こうはなっていなかっただろう。石原都知事も入居しなかったが、僕だってお  金をもらっても住みたくない。
   北朝鮮の高官もこのようなセンスがない宿舎に住んでいるのではないだろう  かと想像する。

 僕の指摘は2点。一つは、都営住宅ならこんなもんでいい。と、いう猪瀬さんの
発想が見えること。・・・それは断じて違う。こんな中途半端なものを作るようでは、人が住む。何のために住む。その目的を快適に全うする。その発想のない人たちが、営繕部ならば、都営住宅自体をつくる能力もないということになる。そこまで指摘してもらわなければ、猪瀬さんの指摘は、「安い都民住宅ならいいが・・・」としか聞こえない。副都知事の発言としては、いかがだろうか?
 第2点は、公邸などを作る部署はどこなのか?実は、公邸があるのは、都知事だけでない。警視庁、消防庁など都の幹部には皆、公邸がある。その機能性と豪華さと必要性のバランスに疑問があるが、これも営繕部なのだろうか?
 公邸を作る・維持する部署は、本来、住宅行政とは別なのではないかと思うのだが・・・。