腱鞘炎(ジストニア)日記

ジストニア生活もいつの間にか24年目!!
のんびりと付き合っていきます。

「荒野のドラゴン」(日本人が出演しているマカロニについて)

2006-05-23 04:46:15 | 映画とTVを見ました、小説読みました
マカロニ・ウエスタンのファンの間では、有名な珍作のマカロニ・ウエスタンです。

ちなみにマカロニ・ウエスタンとは、1960年代に世界的にブームになった、イタリア製西部劇の事です。
本家アメリカの西部劇が、フロンティアスピリットを描く、正義感あふれる映画が多いのに対して、マカロニ・ウエスタンは、気障で残酷でスピーディな娯楽に徹した映画がほとんどです。
リンチ、皆殺し、流血シーンが、かならずあります。
たまに「さらばバルデス」の様な、らしくないマカロニもありますが。。。

ストーリーは、、、、
サンフランシスコで皿洗いをしていた中国人「上海ジョー」が、カウボーイになるためテキサスへ旅立ちます。
しかし、西部では人種差別のため、カウボーイの仕事などありません。
アメリカ人のカウボーイ達に馬鹿にされると、上海ジョーは得意のカンフーで、惨く徹底的にアメリカ人を痛めつけます(←そりゃーヒドイもんです)。

西部では仕事の無い上海ジョーは、奴隷商人に雇われますが、裏切ってメキシコ人奴隷達を助けた事で、奴隷商人の怒りを買い、5人の刺客を送られます。
上海ジョーは、送られてくる奇怪な刺客達(中には怪優クラウス・キンスキー扮する皮剥ぎ男とかいます。)を次々とカンフーで倒していき、助けたメキシコ人奴隷の娘とちゃっかりと仲良くなったりします(←裏切り者のくせにねえ。。。)。

最後の5人目の刺客は、なんと「チョンッマゲ」に「ドジョウひげ」に「真っ赤な着物」を着た、無様なサムライで、サムライのくせに何故かカンフーで戦います。大勘違い映画です。中国と日本が混在してます。
カンフー決戦の末、上海ジョーが勝ち!!!恋人のメキシコ娘を置いてさらなる敵を倒しに旅立っていきます(←カウボーイになるんじゃあナカッタのか???)。

ってなストーリーのミョウな映画です。中身はカラッポです。
音楽は、エンニオ・モリコーネの弟子?のブルーノ・ニコライが担当しています。
前半の中華風メロディーと後半のマカロニらしいノリノリの痛快なテーマ曲が、かなり良い感じです。

珍作と言うだけで、出来はあまり良くない「荒野のドラゴン」ですが、実はとっても貴重なマカロニです。
この映画は、主役の上海ジョーを早川明心、悪役のお侍さんをミクリヤカツトシと言う日本人が演じています。
日本人が主役と悪役両方やっているマカロニは、この1作だけです。貴重です。

日本人が出演しているマカロニは、私が知っているかぎりでは、他に3本だけあります。
仲代達也が狂気の悪役を演じた「野獣暁に死す」と、丹波徹郎がナイフの達人って設定で脇役を演じた「五人の軍隊」と、もう1作カンフー物のマカロニに日本人(詳細不明)が主演しているだけです。

ちなみに「五人の軍隊」の丹波徹郎は、この映画の中でまったく活躍していません。丹波徹郎が唯一中心となるシーンは、移動中の汽車から落っこちて、超人的なスピードで走って汽車に追いつく(どーして、そんな超人が汽車から落っこちるんだろう???)という、ストーリーと関係の無い格好の悪いシーンだけです。

「野獣暁に死す」の仲代達也は、完全にイッチャている狂気の極悪人を演じています。凄いです。さすが名優です!!!
ただ、、、、ストーリーも他の出演者も普通のマカロニなんで、一人だけ浮いています。

三船敏郎がお侍さん役で、アランドロン、チャールズブロンソンと共演した西部劇「レッドサン」は、フランス映画なんで、マカロニ・ウエスタンではありません。

どーでも良いマカロニ話でした。