Learning Tomato (旧「eラーニングかもしれないBlog」)

大学教育を中心に不定期に書いています。

vol.497:休刊に当たって(マツモト1.0)

2014年02月04日 | お知らせ


皆さまこんにちは、書評のコーナーを担当しておりましたマツモト1.0です。
本メルマガがフィナーレを迎えるにあたり、各自一言述べなさいというお達
しがありましたので、つたないながら筆を執らせていただきました。

さて、思い起こせば2004年の4月。私がeラーニング開発センターという部署
に異動してすぐの頃、本メルマガの主筆であり、新しく上司となった古賀先
生(当時はセンター長)から、書評を書いてみないかというお話を頂きまし
た。本を読むだけでなく、アウトプットの訓練をすることも自分のためにな
るはずと考え、軽い気持ちで引き受けましたが、振り返ればおよそ10年、随
分と長い時間がたってしまいました。

10年前といえば私も30台半ばであり、eラーニングという新たな学習スタイ
ルの可能性に少なからぬ期待を持ち、モラールの高い先輩・同僚と楽しく働
いていました。プライベートでも社会人大学院にまで通い、より貪欲に知識
を吸収したり、社会的ネットワークを作ったりとまい進していました。

そのような成長過程の中で書いてきた書評であるため、今読み返すと理解不
足や、上から目線の語り口調など、数々の恥ずかしい点があります。しかし、
言い訳ではないですが、学習して成長をするというのは、そのような失敗の
「わだち」を残していくことでもあるような気がします。

ここで少し話がそれていくのですが、昨今では、自律的な学習を積み重ねる
ことで、職業人として成長する過程を待てない組織が散見されます。また、
成功するに必要な失敗さえ、「リスク」として許容しない組織も確実に増え
てきました。

人材育成は組織に利益をもたらすために行っているのであり、親が子を一人
前にするようなものではないことはいかにぼんやりしたこの頭でも了解して
います。しかしながら、一人前の人間がそろっていながら競争優位を持たな
い組織など想像できるでしょうか?

今現在のハイパフォーマーのマネをさせたり、流行の戦術を学ばせたりする
ことはしょせん後追いであり、応用がきく人間になれるとは思えません。そ
れより10年、20年先を考え、人として一人前に育て上げることのほうが、結
果として強くしなやかな組織をつくり上げることにつながるのではないでし
ょうか。

40代も半ばを迎えた今、私ごときが組織、ひいては世界に大それた貢献がで
きるわけではないということがよく分かりました。しかし、それでも自分を
肯定し、生きつづけなければならないことに気づくぐらいには成長できたの
ではないかと勝手に思っています。

本メルマガは500号を迎えると同時に、休刊となる予定ですが、私は今後も
新たな(そしてみっともない)「わだち」をきざみつつ、社会人人生の下り
坂を、けがしないようにゆっくりと下っていきたいと思います。

私はとりたてて面白みのない人間ですし、ユニークな文章が書けるわけでも
ありません。ビジネスマンとしても間違いなくCクラスでしょう。そのよう
な人間に書く機会を与えてくださった古賀先生の恩情に感謝を申し上げます。

また、私よりはるかにユニークで優秀な他の執筆陣の皆さんとの編集会議は
いつも大笑いさせていただきました。彼らにも感謝を申し上げたいと思いま
す。

そして何よりも、読者の皆さまに感謝をしておかねばなりません。皆さまが
いなければこのメディアは存在することができなかったはずですから。とい
うわけで皆さま、今まで本当にありがとうございました。
<文責 マツモト1.0>

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