歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

[2013英国旅:3-1] Driving to Cotswolds

2014年08月07日 | 英国 -england-
7月22日 朝のうち雨・雷 やがて晴れ

イギリス3日目。
いよいよ、レンタカーを借りて、ドライビング・ジャーニーのスタート。

蜂蜜色の石で有名なカントリーサイド:コッツウォルズ(Cotswolds)地方に向かいます。



ヒースロー空港の大手レンタカー屋にて、カーをレント。

ネットで予約済みだったので、特に心配はしてなかったのですが、

「あなたにピッタリの車を用意したわよ!」
って示されたのが、予約したはずのものと何か違う気が・・・とりあえずなんかデカ過ぎ・・・

自分「これ、オンラインで予約してたやつなんですよね・・?」

インド系女スタッフ「イエ~~、ナンチャラでちょっとナンチャラだけどナンチャラカンチャラ(早口)、日本のNISSAN製だから、乗りやすいでしょう!あなたにピッタリのものを用意したのよ!」

自分「あ~ハ~~・・・・・・オーケー、・・サンキュー!」


まさかこれがね、、、実は車種をバージョンアップされてて、あとでショッキングな金額を提示されることになるとは、思っても見なかったのでした。。。が、それはだいぶ先の話。


借りた車は、「QASHQAI」という、
日本では見た事も聞いた事もない‘日本’車。赤い。ごつい。



英国専用に作った車種なのかな?カシュカイ?なんて意味?

女スタッフが言ってた感じでは、「カシュコイ」(最初のカにアクセント)って聞こえた。もしかして、、
「賢い」?



とりあえず、おそるおそる発進。

日本と同じで、右ハンドルで左がわ通行、これはありがたい。

しかしいきなり最初の難関。乗り馴れない車で、交通事情も把握しきれてないまま、いきなり高速道路(M道路)に乗り出す事になります。M=Motorway。

日本で言う「国道○号線」的な幹線道路は、A。
それよりちいさいのは、B。車一台しか通れないようなのんびり田舎道まで、B。

うわーウィンカーと窓ウォッシャーまちがえたー とか、初心者的なてんやわんやからスタート。



M、超速い。日本よりすげースピード出してる。
制限速度は70マイル(=112km)。で、みんなそれより速いわけだから、要するに、けっこう速い。

最初これに気づかなくて、「あれ?みんな80キロくらいなの?ちょっと遅いわ」と思って、「100」くらい出してた。けど、「km」じゃなくて「マイル」表示、実はすんごいスピード出ちゃってて。

ナビも「あと何マイルで~」とか言う(もちろん英語で)ので、1マイルってどんくらいだった!?どんくらいだっけ!?って焦ったり、速度・距離感覚がしばらくつかめず、ヒヤヒヤ。

でも、
3車線くらいあって広いし、運転がみなさん紳士的で、基本的に走行車線ラン。急なデンジャラス車線変更とかもほとんどせず、飛ばしすぎず、譲り合いの精神レベル高い。なので、運転はしやすい。

自分は基本的に一番右側の追い越し車線をひたすら豪速で。常時120キロ以上。

Mをひたすら走れば良い間は、楽。

しかし、いざ町に下りるとなると。

ナビ「ネクスト ラウンダバウトの3番目を ゴーして」(英語で)

出た~ラウンドアバウト(Roundabout)。信号無いかわりにぐるぐる回って、出たい分岐のところで出ていくやつ。
出る車、入って来る車が入り乱れ、うっかりすると回りっぱなしになる恐れ。
現場があってよく通ってた聖蹟桜ヶ丘の頂上もそうなっているので、経験済みではあるものの。

えーどこで出んの!どれ!?どのタイミングでウィンカー!?
みんなこんな複雑な回路、ノンストップで大丈夫なの!?ってドキドキしてたけど、

案外大丈夫でした。



というわけで、
M道路運転中は当然写真が撮れないため、ここまでの写真一切無し!


ちょっと安心の、A道路に下りて。徐々に細い道へ。



村に近づくと、制限速度が20マイル程度にがくんと下がるので、とても判りやすい。

初めて見る、イギリスのカントリーサイドの風景に、ほっ。(ここなら偽ポリス泥棒もおらんだろう)



かれこれ、
1時間半~2時間くらい?の どきどきドライブを経て、
コッツウォルズ地方に到着です!



最初に降り立ったのは、「Bibury」(バイブリー)という、小さな村。
一番コンパクトにまとまっている、一番美しい村、とされている村です。



ナビの誘うまま、村の中へ。

コレ絶対、車道じゃないよね~人用道路だよね~っていうくらいの、QASHQAIがギリギリ通れてるけどほんとは通っちゃいけなそうなくらいの、細~~~~いC級のB道路に入り込んでしまい、行き着いた果てはもはや車が通れない、車的には行き止まりゾーン。このでかい車が切り返して転回できるようなスペースもほとんど無い!険しい!
今下りて来た細ーーい坂道をバックで上らねばならんのか、、、もうどうしようこのクソカシュコイ、、、、、棄てたい、、、、

とりあえずその場に停めた。




人の家の前なんだけど・・・中のおばあさんがちらちら窓からこちらを伺ってるけど、、、

でも他の車も来て隣に停めたので、ちょっとほっとする。(けどこれでますます脱出しにくくなったけど。)



とりあえず車をそこに放置して、どこか他に停車できるような、より広い場所が無いかと探す散策へ。

ナビに誘導されて辿り着いたのは、
バイブリーの中でも一番よく紹介される、代表的な美観スポットでした。

まずそちらへ。




コッツウォルズ地方の特色:ハチミツ色の石灰岩(ライムストーン)を積んだ家。

小さな家同士がくっついて並んで建っています。



用水路っぽい小川。と、それに面したベンチ。
(と、奥に見えるのが赤いQASHQAI。)



人(と動物)だけが通れる小径=フットパス。





簡単なつくりの柵。


苔付き。

萌える~~。





川。柳の銀の葉ごしに。


ちびカモ。




やわらかい橋のある風景。


家にぴったり植えられた植栽。



タチアオイ御殿。


そして、

壁に這うバラ。



公衆トイレまで。ちゃんと石積み。



トイレは有料。




この石積み!
弊社ではこの石をよく扱うので、わかります。
大変なんです。こんだけ積むのは、容易ではないです。
すごい人工(にんく)かかってます。現実的な話。



家の色、道の色、
水の色、緑の色、
花の色。

色も装飾も少なく抑えられていて、とてもシンプルで、美しい光景です。




川沿いに生えていた、Red Valerian(レッド・バレリアン)。
川沿いに、映えています。







奥の橋は、個人用なのか、小さい木の橋。可愛い花がびっしり。



橋の上から。

小さな村の川。

川沿いの道に、びっしり停まった車。みんなここに停めてたのね。




標識。
地名が身体に全く入ってないので、どっちがなにやら、さっぱりわからない。

これぞ、
初めての旅先で味わえる、ふわふわした感覚。

「あー、ついに来たんだー、イギリスに!」って感じられた瞬間。






アザミの花に、文字通り‘没頭’する、まるい蜂。



ザリガニ!久しぶりに見た。

虫や動物がいると、安心します。

花があればなおさら。



いと、長閑(のどか)です。
偽ポリスなど現れなさそうな長閑さです。



可愛い庭。



家々の隙間を縫うように、細い道があって、

そこに入ってみると、



各戸の裏庭が垣間見えました。



それぞれちょっとずつ違う木戸。

それぞれの裏庭に繋がる、裏道。




表側も、



可愛らしい。塀に鉢を点々と置くのも、様になっています。




教会がありました。



Parish Church of St. Mary Vigin, Bibury


クリスチャンではないけど、祈りに。

クリスチャンではないけど、教会はとても好きです。

清らかで純粋な祈りのある神聖な場所は、やはり安らぎます。



旅の無事を祈りました。ほんと切実。

自分が何の「神様」を信じているか、それは人それぞれですが
持っている宗教を問わず、行く先々の「神様」は、
こちらの気持ちや祈りがまっすぐ正しければ、ちゃんと声を聞き届けてくれて、守ってくれる、そうな。

自分が何処から来た誰で、どうして欲しいか。そして、宜しくお願いします。と。

この先、訪れる町、村で、必ず教会に立ち寄っては、旅の無事を祈りました。






さすがにあんまり長くは あそこに停めておけないので(今更)、
そそくさと車のところに。

どうやって出たんだっけな。

細かい切り返しに切り返しをものすごい重ね重ねて、なんとか脱出したんだったと思います。

ほんとに車一台ぎりぎり通っちゃ行けないくらいの道。これでいま対向車きたらアウトだわ、と思いながら。



ちょっと移動しました。


Bibury Courtというお館がありました。

WELCOMEって書いてあるということは、
入ってよさそうな感じなので、入ってみる。



エントランス。




芝刈りしている。おじさんが。



お屋敷どーーん。
今はホテルにしている邸宅らしい。



庭どーーん。ひろすぎ!

どこまで庭?

広い庭をレッツ散策。




石垣土留めやばい。年季入ってる。




石臼。



巨木にブランコが。そして少女がブランコに乗っている。きっとこの高級宿に泊まりに来た高級家族の高級娘に違いない。
映画のワンシーンのよう。

そして川。



静寂を湛えた川。



池のほとりに、
グンネラ・マニカタ(オニブキ:鬼蕗)。
(蓼科のバラクラの池のほとりにもありました。)



巨大すぎて戸惑うレベル。
池のある巨大な大庭園にしか使えなさそう。





おじさん一名あらわる。こっそり後をつける。



木を剪定し始める。

高枝切りばさみで。



ここまででかいと、そりゃあ高枝切りばさみでしょうなあ。
っていうくらい、


でかい。

石垣からもっさり。

石垣には



ふっくら苔が載っており(萌)



なぞの穴が開けてある。
猫の抜け穴?



庭から伸びる道は、放牧地へ入っていく。



この石垣!延々、延々続いてます!

こんだけ積むのに、どんだけの人工が、、、



石はラフなドライウォール(空積み)。ところどころ崩れたり、新しく積み直されたり。
(新しめのはより黄色っぽい。)
歴史感と手作り感が満ち満ちてます。




長く伸びる白い道。

とても甘い、清々しい、良い香りがする!

と、傍らに列なって生えている樹々を見れば、



花が咲いている。

リンデンです。西洋シナノキ。蜂蜜の蜜源にもなる花ということで、
とても甘い香り。

これがイギリスの夏の香りなんだな。
こんなに素敵な香りなんだな~~。
初めて香った。うっとりする。




馬糞落ちてる。

しかしどこまで続くやら、この道。


ハッ!



毛!

100%天然ウール!


ハッ!!



あれは!



羊!

ついに出ました!
イギリスの羊!



見てる~~

見られてる~~





ずっともぐもぐ。
でも横目で警戒してる。

近寄るとやっぱり逃げる。



なだらかにアップダウンする、広い道。すでに庭の域を超えています。

延々続くが、、、




一応、ここまでっぽい。

しかし延々続く石垣。延々続く放牧地。どこまで続いてるの?

気になるけれど、
引き返します。

再び、リンデンの香りに寄り添われて。



「カシコイ」に乗って。

第1の村、バイブリーを離れ。

さわやかに晴れた田舎道を ル~ルル~~♪



村から村へ。B道路で。

村と村をつなぐ道沿いは、ひたすら放牧地とか、畑。町や民家が延々ずーーっと続くっていうシーンはありません。日本とちがって。メリハリが効いてます。強いて言えば、日本の中でも、東北とか九州地方とかの田舎の方と似ている感じ。

道の広さは色々あれど、道路の舗装状態は、きわめて綺麗。

道路網も、田舎に至るまでしっかり張り巡らされてて、交通の便はとても良いです。

「ああ、住めるわ。」って思った。




野に咲く花。
桃色タンポポ(クレピス)。かな。



That's カントリーロード。

これぞ、来たかった風景。


コッツウォルズ地方の村めぐりは、まだまだ、


 >>続きます。>>





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