ツルピカ田中定幸先生

教育・作文教育・綴り方教育について。
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【教育を追う】「改革」私の意見-5

2016-05-11 12:33:44 | Weblog

 

 この〈【教育を追う】「改革」私の意見〉は、『教育を追う 教育改革・私の視点』(毎日新聞社編・1985年1月)にまとめられていました。参考までに、その「あとがき」もここにそえておきます。

 

 

あとがき

 

  中曽根首相が熱心に進めている教育改革は、臨時教育審議会が発足して、具体的に動き始めたようです。臨教審は、首相の諮問機関として設けられました。八四年八月二十一日に二十五人の委員 が決まって、九月五日の第一回総会で「二十一世紀をめざす改革」という諮問を受けたわけです。

 臨教審設置法の国会審議で、中曽根首相や森文相は、各界各層を代表する委員によって、国民の合意する改革案を作り、実行するのだ、と強調してきました。日教組や社会党は、中曽根首相が主導する臨教審を警戒し、〃草の根の教育改革"を唱え、国民教育審議会の設置を提案しています。

 毎日新聞社の教育世論調査(八四年四月九日朝刊)によれば、教育改革が必要だとする意見は、 全体の八三パーセントに達しています。臨教審にせよ、日教組にせよ、教育改革を求める国民の声を重視しないわけにはいきません。しかし、国民の数だけ、改革案があるというのが教育改革 をめぐる実情です。学校教育は、だれもが経験しているし、その経験によってモノを言うことができるからです。

 経験には、個人の差があります。多様な背景を持つ人たちの、多様な意見に耳を傾けないかぎ り、実効性のある教育改革を議論することはできないでしよう。

 このような視点から、私たちはできるだけ違った立場の、教育に関心を持つ人たちに登場しいただき、インタビュ—を重ねて、改革への意見を紙面で紹介する作業を始めました。七年にわたって続いている毎日新聞の教育企画「教育を追う」シリーズの一つとして、「改革.私の意見」 というタイトルで八四年五月から十月まで掲載したものが、それです。掲載したインタビュ—を まとめて「教育を追う」シリ—ズの本の一冊としました。教育改革の議論が本格化するのは、これからです。教育を語るとき、多様な見方が必要だということを、これらの意見が十分に示して います。

 インタビューは五力月間に及びました。その間に、臨教審設置法の成立、委員の任命、審議会の発足と、さまざまな変化がありました。掲載時と比べ、インタビューの内容に多少のずれも生じていますが、あえて手を加えず、掲載当時のままの形で収録しました。日本の学校教育をめぐる基本的な状況には、全く変わりはないからです。

 インタビューは毎日新聞教育取材班の矢倉久泰、中村竜兵、安間教雄、戸沢正志、赤司正文、 原田三朗が担当しました。

    一九八四年十二月

                 毎日新聞編集委員(教育取材班キャップ)兼論説委員 原田 三朗  

                               

 


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