中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

この母親

2011-12-14 09:50:28 | 身辺雑記

 神戸市垂水区の25歳の母親が3歳の長男の頭にレジ袋をかぶせて殺そうとしたとして殺人未遂容疑で逮捕された。

 

 この母親は男児が居間のゴミ箱の外に吐いたことに腹を立て、「ここに吐け」とレジ袋に顔を押し付けた後で、レジ袋をかぶせて、袋をつかんで居間から隣の和室まで引きずった。レジ袋は抜けないように結んであった。男児がぐったりしたために、母親は自分で119番通報し、長男は病院に搬送された。搬送先の病院から兵庫県警に通報があったため母親は逮捕された。

 

 母親は、「反省させるためにやった 。殺すつもりはなかった」と殺意は否認した。男児は一時意識不明の重体になったが、幸いその後自力で呼吸できるようになり、命に別状はなかったが、児童相談所は搬送先の病院から「虐待の恐れがある」という連絡を受けて一時保護の措置をとった。

 

 レジ袋をかぶせられた幼い子が母親に引きずられていく様子を想像するとどうにもやりきれない気持ちになり、いったいどういう母親なのかと思う。幼い子にこのような 暴力的な方法では恐怖心を掻き立てるだけで反省せさせることなどできはしない。どうして吐いたのかは分からないが、普通の母親ならば「どうしたの」と言って気分が悪いのかどうかを確かめ、そうでなかったら「こんな所で吐いてはいけないよ」と諭すのではないか。そうしたら幼くても聞き分けができるだろう。よほど気が立っていたのだろう。多分「殺すつもりはなかった」というのは嘘ではないだろうが、頭にレジ袋をかぶせて結び、引きずったらどういうことになるかくらいの判断はつかなかったのか。

 

 これまでにも子どもに対する虐待は多くあって、中には死に至らせることもあったが、子どもの母親と同居している男が加害者であることはよくあった。その場合でも母親は我が子をかばうことができなかったのかと情けなく思うのだが、今回の場合は母親が加害者だから何とも言えない気持ちになる。子どもは親を選べないと言うが、このような母親を持った子どもは不幸としか言いようがない。

 

 この母親がどのような処分を受けるのかは分からないが、新聞の記事によると、近所の主婦は「優しそうな母親で、長男と散歩するのをよく見かけた。叱っているのは見たことがない」と言ったそうだが、それが事実であれば、ごく普通の母親だったのだろう。危うくかけがえのない我が子の命を奪ったかもしれなかった自分の狂気の行動を深く反省して、良い母親になってほしいと思う。それが子どもへの贖罪だろう。