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中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

モンスター

2007-08-28 09:08:08 | 身辺雑記
 学校の夏休みも後僅かになった。一部の教師にとっては新学期の到来は気が重いのではないだろうか。

 最近の学校にはモンスターがいるようだ。モンスターと言っても、夏休み中の映画やテレビの番組にある「学校の妖怪」の類ではない。最近しきりに話題となる「モンスター親」のことだ。

 少子化に伴う子供への甘やかしや、とかく自分中心に考える近頃の傾向のためか、最近の保護者の中には、非常に扱いにくい、非常識な苦情や要求、抗議を教師や学校に突きつける例が増えているらしい。NHKの番組「クローズアップ現代」などで取り上げられたものとしてWIKIPEDIAに挙げられている例を見てみよう。

・自分の子供が注意されたことに逆上して職員室に乗り込み、延々とクレームをつける。
・早朝であろうが深夜であろうが教職員の自宅に電話をかけ、何時間もクレームをつける。
・子供同士の喧嘩に介入し、相手の子供を非難する長大な文書を学校に持ち込んで処罰を要求する。
・自分の子供がリレー競技の選手に選ばれないのは不自然だとクレームをつける。
・子供がプリントを親に渡さなかったことを、教師の指導のせいにする。
・「自分の子どもを手厚く指導するために専用の教員をつけろ」「我が子を学校代表にして地域行事に参加させろ」などと要求する。
・「○○小学校○年○組の○○という児童はクラスの迷惑なので学校に来させないでくれ」といきなり都道府県の教育委員会に匿名で要求する。
・授業参観で他人の子供のクレームをつけ、親同士で喧嘩する。

インタネットで調べると、他にもまだまだあった。

・子供がひとつのおもちゃを取り合って、ケンカになる。そんなおもちゃを幼稚園に置かないでほしい
・自分の子供がけがをして休む。けがをさせた子供も休ませろ
・親同士の仲が悪いから、子供を別の学級にしてくれ
・クラスに気に入らない子がいる。その子を別のクラスに替えてほしい
・今年は桜の花が美しくない。中学校の教育がおかしいからだ
・授業中にお菓子を食べたので注意したら、「おなかがすいていたのにかわいそう」
・運動会の練習で「気をつけ」と号令をかけたら「軍隊みたいな教育をするな」
・携帯を取り上げたら「親が買ったのだから親のものだ。教師が取り上げるな」
・どの教師がどのクラスを担任するかを勝手に考えて、「この通りにしろ」
・朝礼の時に態度が悪いので大きな声で名前を呼んだら「みんなの前で叱らなくても、うちの子は後でそっと話してくれたらわかる子なのに…」
・不登校の子が家でストーブをけり倒した。学校が弁償してほしい
・いじめに遭う我が子を転校させるので、通学の交通費を出してほしい
・登下校時に友達とトラブルになるので、学校が送り迎えしてほしい
・義務教育は無償なので野球部のユニホームは学校で洗濯すべきだ
・写真の中央に自分の子供が写っていない
・休んだ1週間分の給食費を返してほしい
・給食が必要だと言った覚えはないので、給食費は払わない
・参観日に授業を録音した親が「先生の授業はここがよくない」と指摘
・喫煙を注意されたが、人に迷惑をかけていないので指導は必要ない
・授業妨害をする児童の母を指導すると「先生に魅力がないから」と反論


 他にもまだまだあるのだろう。よくもまあこんなことをと、一つひとつにコメントする気も失せるほどであるが、まったく「モンスター親」と呼ぶのにふさわしく、「非常識」などというような範疇を超えてしまっている。私が教育委員会事務局にいた当時、春先の気候の変わり目になると決まって電話してくる母親がいて、学校への不満を暗い口調でくどくどと長時間話し続けるのには参ってしまった。これなどは明らかに病気なのだろうと思えるものだったが、そうでなくて、上に挙げた例のように一見「真剣」で「理性的」、「筋が通っている」あるいは「社会正義」と本人が思い込んでいるような抗議などは、かえって病的で偏執的な歪んだ人格を感じさせる。卒業生のH君の妹は大阪で小学校の教師をしているが、最近の親の実態はまさにこれに類するものなのだそうで、30~40代の親はかなり厄介らしい。

 いったいこのような親がどうして出来たのだろう。私の現役時代に、ある年配の教師が「私達がこんな人間を作ったのかなあ」と自嘲気味で言っていたのを聞いたことがある。このような人間が出来たのは、教育基本法や戦後の教育のせいだと言いたがるような政治家や評論家にとっては好都合な実例なのかも知れないが、そんなものだろうか。言いがかりのようにも思える。私自身の経験の中ではそのような言動を是とするような教育をした覚えはないし、周囲の教師達もそうであったと思う。それに私が教職に就いた当時の親や生徒は言動にけじめがあることが普通だった。(以下次回)