中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

西安で(3) 農家菜(農家料理)

2007-07-18 09:33:42 | 中国のこと
 李真が運転する車で、李真の両親も一緒に、西安の南にある終南山の近くに農家料理を食べに行った。中国でよく使われる「福如東海 寿比南山」と言う賀詞があるが、この南山が終南山だと言われている。形の良い山だ。

 西安の城壁を出ると、広々とした地区に出る。そこは大学などの教育施設が集まる所で、もう既に学生の姿が見えるキャンパスもあるが、これからもどんどん建てられていくようだ。西安市内からは離れているが将来的には交通機関も整備されるようだから、一大学園都市のようになるのだろう。とにかく中国は土地が広大だ。

 ここを抜けてしばらく行くと、これも広い農地が広がる。ちょうど麦秋の季節で、西安空港を出て市内に向かう途中、豊かに実った小麦が見られたが、このあたりではもう既に刈り入れは終わっていた。

 やがて目的地に着いた。農家料理を食べさせると言うから、鄙びた風景を予想していたが、広い道路のそばに大きな建物が並び、車も人も多く混雑していたので少々驚いた。この農家料理のことは前から李真や袁毅に聞いていたので行くことを希望していた。李真の両親も好きなのでよく来るらしい。近頃はかなり評判になっているとのことで、この日は土曜日だったので人出も多かったようだった。

 一軒の店に入った。どうやら李家の行きつけの店らしい。農家料理と言うから小さな農家で家庭料理を出すのかと思っていたが、これはもうレストランである。


中には個室が並んでいる。


 普通のレストランと違っているのは、入り口に立って「歓迎光臨(いらっしゃいませ)」と言ってお辞儀する若い女性はおらず、出迎えた主人らしい男性は普段着の庶民と言う感じで、にこやかに李真の両親と挨拶を交わしていた。

 やがてこの家の主婦と思われる中年の女性が注文した料理の皿を運んできたが、やはり中国料理らしく皿数はとても多い。皿にあるのは野菜や茸、豆腐などの料理で、これは名のとおり農家料理らしく、気取りも何もないごく普通の家庭料理のようなものだ。動物性の食材は使っていない。


どれも特に手の込んだものでなく、素朴な料理である。


  餅(bing)。小麦粉をこねて円盤状にして焼いたもの。中国の北部は北粉南粒と言われるように、米が出来ないから麺や餅などの粉食が常食である。



農民の常食と言ううどんが最後に出た。


 普段は動物性たんぱく質の多い食事をよくしている中国人には、かえってこのような素朴な料理が受けているのかも知れない。健康志向と言うこともあるのかとも思った。とにかく人出が多いことからも人気があることは判り、誰がどのようなことから始めたのかは知らないが評判になって儲かるようになり、大きな店を建てるようにもなったのだろう。

 支払いは李真の父親がしたので正確には判らないが、40元(700円足らず)とかでかなり安いようだった。どの料理もとび抜けて美味と言うものではなかったが、どれも口に合い満足した。