中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

七夕コンサート

2007-07-08 12:07:54 | 身辺雑記
 H君夫妻と兵庫県立芸術文化センターに、中国の揚琴(yangchin)の演奏を聴きに行った。

兵庫県立芸術文化センター。大、中、小3つのホールがあり、演奏会は小ホールであった。


小ホールは階段教室状で約400席。私達はB席で、ステージの後ろから見下ろす位置だった。


 演奏者は中国南京市生まれの薇薇(WeiWei)。プロフィールの紹介によると「11歳で全国唯一の揚琴専攻合格者に選ばれ、中国最高峰の中国音楽学院で英才教育を受けた」とあるから、揚琴では際立った才能に恵まれていたのだろう。美人でほっそりしていてスタイルが良く、「天は二物を与えず」と言うが、このように才能、容姿など二物も三物も与えられることはあるのだと思った。そう言えば、これまでに聴いた二胡、琵琶、古筝の演奏者の女性達も皆美人だった。


 閑話休題。揚琴の演奏は初めて聴いたが、なかなか魅力的なものだった。楽器の音色を文字で表現することは私の表現力の乏しさもあってできないが、ピアノのような、琴のような、マンドリンのようなさまざまな楽器が連想された。

 ギターとチェロを伴ってのなかなかの熱演で、曲目も中国の少数民族の古謡や馴染みの「夜来香」、クラシックの「アルハンブラの思い出」、ラテンサウンドの「ティコティコ」、米国のカウントリーミュージックの「テネシーワルツ」など多彩だった。日本の曲も「バラが咲いた」、「ゴンドラの唄」、「涙そうそう」が演奏された。いろいろな国、さまざまなジャンルの曲だったが、揚琴の音色はどの曲にもマッチしていて、二胡や古琴などと違って中国的な匂いは感じられなかった。アンコール曲は「蘇州夜曲」とポーランド民謡の「クラリネット・ポルカ」。この最後の曲は「南京的跳躍」と副題がつけられていて、ルンバかサンバを思わせるな踊りまわるような激しい明るい演奏で、終わると大喝采だった。

 揚琴はかなり大きな重そうな楽器で、休憩時間中に展示してあったものを見るとピアノのような多くの鋼鉄製の弦が張ってあった。


 掲示してある説明によると「中国民族音楽の中で、西洋音楽のピアノのようなマルチな役割を果たす大変重要な楽器である」とあった。ビブラフォンやマリンバのように両手に持ったスティックで弦を叩く。弦の数は140本以上、音域は4オクターブ半だそうだ。激しく複雑に動いて弦を叩く手の動き見ながら、そこから奏でられる美しい音色を聴いていると、まるで魔法のようにも思えてきた。

  スティック。竹製の細いもので、メスのような形の片面はゴムでカバーされている。演奏者が実際にやって見せてくれたが、ゴムカバーのある面と反対側では出る音色が違う。




 七夕コンサートであったがあいにくの曇り空、天上では彦星は織姫と会えたかどうかは分からないが、地上では美しい音の糸を紡いで音楽の布を織り上げていく織姫に会うことができた。