まやの部屋

過ぎていく一瞬 
心に浮かんだことや気になることを書きとめる日記

ミッシェル・オバマ Becoming (邦題:マイストーリー)

2020-05-19 09:37:14 | 読書
 長くかかったけど、やっと読み終えた。全編に流れる厳しさと優しさがないまぜになった、一種爽やかな感覚。やる気にさせる内容だ。読後感はとてもいい。お勧めの一冊。
 アメリカ大統領夫人と言えば、近年ではヒラリーさん。彼女は大統領選挙に出てちょっと人気を失った。多くの女性の共感を得て時代の申し子となったけど、どうも男性からの支持がないようだ。アメリカだって出すぎる杭は猛烈な反感を食うのは同じ。しかも女性だからね。マスキュリン文化に対抗するのは半端ない。
 その意味でミッシェルさんはヒラリーさんの轍を踏まないように、かなり賢く?振る舞っているよう。随所に出てくる、私は国のマイノリティーという発言。黒人で女性は米国で今でも格差の最下層に位置する。もちろん今はアジア人女性がそのもっと下かもしれないけど。
 それをはねのけたのは、家族に流れる"なにくそ精神” 親の教育が素晴らしい。彼女は典型的なアメリカ黒人の子孫。南北戦争の後の黒人救済の地下組織でテキサスからイリノイに逃れてきた黒人奴隷の末裔らしい。シカゴのゲットーであるサウスサイドに一族で住み、協力しながら個の確立を図ってきたのだろう。
 最初は白人ばかりの学校に行き、友人を作り、何があってもへこたれない。
毎日のルーティンを決めて、何があってもそれをこなす毎日。その勤勉のたまものだろうか、米国東部アイビーリーグの大学に入り、ハーバード大学院に進む。その後も快進撃を続け、金融コンサルタントになりパートナーのオファーを受けるまで上り詰める。若干30歳になるまでの話。
 でもここからが彼女の本領発揮の箇所。高収入の職を捨てて、コミュニティーでの仕事に生きがいを見いだす。そして、オバマ元大統領と出会って、ファーストレディーに。
 ファーストレディーになってからも数々のコミュニティー関連のプロジェクトをした。一番心に響いたのが、食の改革。それまでのファーストフード一色のアメリカの食事をグリーンで染め変えようと決意して、様々な困難を乗り越えてかなり大きなうねりになったのでは。
 そう言えば、ここ数年病院に連れて行くアメリカ人は食事に気をつけていて、ローカーボ(糖質制限)はほぼ当たり前になっていて、赤肉も避けている人が多い。マ〇ドにはほとんどの人が行かない。野菜を取るように気をつけている。こんな食の変容もミッシェルさんの力が大きかったとは全く知らなかった。
 また白亜御殿の中での子育てもたいへんな気の使いよう。その甲斐あって長女はハーバードに入学したらしい。
 とにかく頑張り屋さん。黒人女性という自分の置かれた立場を常に頭の隅に置き、出過ぎずそれでいて自分のやりたいことは全部やってしまうという実力の持ち主なんだなあ。
 毎日のルーティンをやり遂げるというのは、初期の大統領が日々つけていたリストに基づいているのだろうか。あのリストとその達成方法はすごい。やり続ける精神力もすごい。見習いたい。
 ヒラリーさんにしてもミッシェルさんにしても、ファーストレディーでこれだけの実力の持ち主を選べる米国はやっぱり羨ましい。

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