ご機嫌公論

フリーランスのライター兼編集者・ロイ渡辺のBLOG。
締め切り間際に更新されていても、それはあくまでも「息抜き」。

渋谷公園通りの奇跡

2005-12-20 01:34:57 | Weblog
ちょっといいことがあったので、ご報告。


今日、取材と所用の間に一瞬時間が空き、
渋谷の某ホテルでコーヒーを飲みつつ打海文三なんぞを読んでいたのですね。
すると、目の前に人の立つ気配。
視線を上げるとボタンダウンのシャツにアスコットタイという
小洒落たいでたちの紳士。
「?」と目で問いながら耳からKOSSのヘッドフォンを抜き取ると……。

「あのぅ、『シネマスク』の取材でお会いしましたよね?」
とおっしゃる。
確かにワタクシ、そのような名前の雑誌の編集をしておりました。
ソニーマガジンズが「出版社」ではなく「ソニーの単なる出版部門」であったがために、
あっさり撤退&廃刊になってしまった、幻の映画雑誌です。
「はい、確かにその雑誌の編集をしておりましたが」
「やっぱり! さっきからそうじゃないかなと思って見ていたんですよ」

そう言われても、かれこれ5年前です。
思い出せません。
なんだか立派な紳士にあんまり知り合いはいないし、
もしかしたらお世話になった映画会社の偉い人かしら……と思いつつ、
「あのぅ、えーと、失礼ですけど……」
と、聞いちゃったのですね。
そしたら。




金子修介です」

んががががが!
失礼つかまつりましたっ!!!

そういえば、誰がどう見ても金子監督じゃないですか!!!
(そういえば、と言ってる時点でダメですが)

金子監督は『クロスファイア』という映画の取材でお世話になりました。

矢田亜希子、伊藤英明、桃井かおりの3氏を取材したり。
もちろん金子監督にも話を聞いたのだけれども、
そういうちゃんとしたインタビューのときだけでなく、
現場でうろうろしているオレたちに声をかけてくれたり、
とってもとっても親切にしてくれたのでした。

「いやあいやあ、綺麗な恰好してたから、気が付きませんでした!」と
失礼に失礼を重ねたり、
「その節は大変お世話になりました」とか、
その後の『シネマスク』の無念のことを話したり。

「記事がとても面白かったので、
あれから本屋とかで探したんだけど、どこにも売って無くてね……」
そう金子監督が言ってくれて、本当に嬉しかったんですよ。


この仕事、読者はもちろん、取材対象者から「記事の感想」を聞くことなんて、
ほとんど無いんです。
そんな珍しいケースな上に、オレの顔まで覚えていてくれて……。

金子監督はこのとき、スタッフの人たちと
来年クランクインするとある映画の打ち合わせに来ていたそうです。
聞けばみんな「えぇ? アレを映画化するんだ!?」と驚くような企画なんですが、
それをオレがココで言っちゃうのも何なんで、ここはひとつ黙っておきます。
こうご期待、ってことで。




しかし。
本当に嬉しかったなぁ。
金子監督、ありがとうございました。
また機会があれば、お会いしたいです。