うまさいと

お馬さんは好きですか?

国際競走増加の影響について考えてみた。

2004-11-21 01:10:06 | 競馬
今日はサービスしてもうひとつ。


サービスになってないよとかは言わない方向で。



来年から国内のレースがまた一段と開放されると。


それは勿論良いことなんだけど

「じゃあどういったことになるのか」

は他でやってくれてるので

「海外の陣営はどう考えるか」

について書いていきたいと思う。

勿論、私は当事者じゃないから憶測でしかないわけですが。



今回の開放レース増加によって、最も海外からの反響が大きいだろうと思われるのが天皇賞・秋だろうな。


というよりも、海外勢に開放したとして一線級が遠征してきそうな可能性が一番見込めるレースだからか。


具体的に言うと、今年のマイルCSをHong Kong Mile(HK G1 T1600m)のステップとしてRaktiが走るという画期的なローテーションが発見されたので、同じ様にHong Kong Cup(HK G1 T2000m)のステップとしてつかうというローテーションができるだろうしな。こういった辺りに主眼を置いていこうと思う。


但し、これにはもうちょっと補足が必要になるかもしれないですな。ここから先は基本的に、欧州からの参戦を期待するというスタンスで考えているのでよろしく。


まず、芝の中距離のみをつかうお馬さんにとっては、Irish Champion S,(IRE G1 T10f)の後はどのレースをつかうかは頭痛の種だろうと。欧州全盛の時代ならIrish Champion S.からChampion S.(GB G1 T10f)という路線が出来上がっていたけれども、最近のChampion S.は時期的にPrix de l'Arc de Triomphe(FR G1 T2400m)とBreeders' Cup Dayの間に挟まれているということからなのか、どんどん権威が下がっている気がする。何しろ今年は「Emirates Airline」Champion S.になったにも関わらずWorld Series Racing Championship(以下「WSRC」)に加えられなかったという事実がこの危機的状態を如実に物語っているだろうし。
(以前も「Dubai」Champion S.だったから、実質的には状況は変わってないんだが)


何が言いたいのかというと、Champion S.は欧州馬にとっても色々な意味で「美味しくない」レースになりつつあることは間違いなかろうということ。215,064£(約4110万円)という1着賞金が示すように、欧州の中では特に賞金が低いレースという訳ではない(短距離レースや格の低いG1に比べると)のだけれども、その歴史を考慮すると最近の扱いが悪い気がする。加えて、同時期のWSRCに組み込まれている他のレース、例えばCox Plate(AUS G1 T2040m)の1着賞金は2,000,000AUS$(約1億円)だったりするわけだ。時期は違うけども、暮れのHong Kong C.なんかは1着賞金が10,200,000HK$(約1億5000万円)なのよね。
(この2つのレースはWSRCに参加する最低条件を元々満たしてたんだわな)


これを考えると、Irish Champion S.の後はChampion S.ではなくてHong Kong C.を狙うといった中距離馬のローテーションもうなずける。ただ、直行だと間が空いてしまうので1レースか2レースは挟まなければいけないわけだけど、最近はBreeders' Cupを挟む傾向が強いかな。


でも、芝中距離のレースはBreeders' Cupには存在しないわけだ。牝馬にはBreeders' Cup Filly & Mare Turf(USA G1 T11f)があるんだけども。ということは、Breeders' Cup Mile(USA G1 T8f)かBreeders' Cup Turf(USA G1 T12f)に挑戦するしかない。本当に強いお馬さんならBreeders' Cup Classic(USA G1 D10f)に挑戦するという手があるんだけど、並のお馬さんには到底太刀打ちできない相手でしょうしねぇ。


目先を変えて南半球までCox Plateに挑戦するとかもあり。しかし、まぁこれは遠いのでGodolphinの遠征部長しか遠征しないか。ということで1着賞金は145,000£と安いけれども、種牡馬になってからの価値に箔をつける(損をする賞金以上の価値はありそう)という可能性のあるQueen Elizabeth II S.(GB G1 T8f)をつかうというのが最近のトレンドですかね。


さて、この混沌とした状況の中に1億3200万円(付加賞とか含めたら幾らになるのかは知りませんが)という世界でもHong Kong C.の次に高額な2000m級のレースが登場するわけですよ。海外勢にとっての天皇賞・秋が開放される必要性というのは、この辺りにあるんじゃなかろうか。


先程も書いたけども、Irish Champion S.の次走として、もしくはタフなお馬さんならQueen Elizabeth II S.をつかった上での次走としてもってこいなんだな。花よりも実を選択する(あくまでも現役時代のみを考えて)陣営なら、天皇賞・秋に挑戦する可能性が出てくるだろう。そこで好走できたら、欲をかいて同じコースで施行される2億5000万円のJapan Cupを次走に狙ってみるのも面白いんじゃないかな。


こんな考えが欧州に浸透すれば、必然的に日本のレースの権威も高くなるんじゃないのかな?とか考えてみる。


まぁ勿論、私みたいな外部の人間が考えることなんてたかが知れてるし、JRAの方々もこの程度は考えて開放するレースを選択したと信じたいのですが。


闇雲に開放するんじゃなくて、その開放がどういった意味を持つのかを考えて開放しないと、いざ開放したとなっても海外からお馬さんはやってきませんよ。必要があるならば、レース時期を移動させるとかそういったことも考えなくてはならんだろうし。その辺り、しっかり頑張ってもらわなきゃね。


私は今回の開放は支持するけど、なぜ先に有馬記念よりも天皇賞・春を開放したのかが気になってしょうがない。誰か教えて下さい。





ここまでは真面目な話だったので、少し趣向を変えてみる。


言い換えると、自分の趣味に偏向していくということだったり。


今度は天皇賞・春の海外馬への開放について。


まず、この3000m以上という距離で、しかも定量戦となれば、Gold Cup S.(GB G1 T20f) , Prix du Cadran(FR G1 T4000m) , Prix Royal Oak(FR G1 T3100m)辺りしか存在しないわけで。ちなみにPrix du Cadranの出走条件は密かに4歳以上だったりするので注意が必要なんだけど。それはおいといて、もう少し距離範囲を広げてもIrish St. Leger(IRE G1 T14f)までしかだめか。


実はオーストラリアとニュージランドを合わせると3200mのG1が8つもあるんだけど、それは全てハンデ戦だったりするわけで。確かにMelbourne C.の1着賞金は2,800,000AUS$(2億3000万円くらい?)辺りと超高額になってるんでしょうが。Irish St. Leger4連覇のVinnie Roeなんかは58kgを背負うことになりましたしね。一昨年なんか59kgだったしなぁ。それを考えると、定量戦である天皇賞・春には既に一線級のお馬さんが遠征してくれる可能性がある、ということです。


5月のはじめなんで、欧州ならシーズン当初か。Gold Cup S.前の叩き台としてだめかな?ちょっと難しいか。北米のお馬さんが芝の長距離を走るところは想像できない(唯一の芝長距離G1だったSan Juan Capistrano Invitational H.はG2に降格しちゃったし)ので、まだまだ長距離志向の残る豪州(Melbourne C.だけが目立っていると言えなくもないが)ならばシーズン閉幕にも近いので大丈夫じゃないかと思ってみる。秋季カーニバル開催という気がせんでもないが、親日のオセアニアなら、賞金の高さも相まって意外と遠征してくれるかもしれないな。ついでに、中山グランドジャンプも2週遅らせてみるとかもいいかもしれないな。


天皇賞・秋の時と違って具体的なローテーションというのは明示できないorz
Makybe DivaのローテーションなんかMelbourne C.連覇のお馬さんとは到底思えないし。


それでは埒が開かないので、来年に来て欲しいお馬さんをちょこちょこ挙げてみようか。

まずはVinnie Roeかな。3~6歳まで4連覇と3歳時のPrix Royal Oak制覇があるのでG1を計5勝。今年のMelbourne C.でも2着に来てるんで、力はさほど衰えていないんじゃないかな。昨年のPrix de l'Arc de Triompheでも5着に来てるし、地力は他のお馬さんよりも一枚上だろう。

次はMakybe Diva。牝馬ながらMelbourne C.連覇というのは賞賛に値するものだし、今年のSydney C.も勝ってる。本当は今年のJapan Cupに遠征するとか言ってた気がするんだが、天皇賞・春に来てくれるのならば文句は言わないですよ。

この2頭にとにかく来て欲しいなぁ。続いてはWesterner。今年のCartier Top Stayerに輝いたお馬さんだし、戦績もPrix du Cadran , Prix Royal Oakをそれぞれ連覇と申し分無し。

遠征に積極的な陣営を引き込むといったことも考えなければいけないし、GodolphinからはPapineauでどうだろう。まだ4歳と若いし、何しろGold Cup S.での勝利というのは価値が高い。

同じ理由でBrian Boruかな。このままでは終われないだろうし。St. Leger S.(GB G1 T14f132y)の勝ち馬なんだし、Powerscourtの勧誘にも成功したことだし、調子に乗ってA・O'Brien師を引き込む方向でどうだ。どうだもこうだもないか。引退しそうな気はするが、何とか踏みとどまってくだされ。

Mr Dinosは力が落ちた感じなので、Millenaryもチョイスしたい。00年のSt. Leger S.の勝ち馬というよりも、現在重賞9勝といった方が面白いかもしれないな。Persian Punchのように、末永く活躍して欲しい一頭ではあるな。


話が逸れてきたので元に戻そうか。ワイルドカードならElvstroemですな。理由は何となく察してくだされ。


この中の一頭でも来年の天皇賞・春に来てくれたら、喜んで競馬場に駆けつけるんだが。どうなるかな。




天皇賞・春と天皇賞・秋の記事、何だか似て非なるものだよなぁ。