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告発

2005-11-17 17:45:52 | 映画 カ行
DVDで、出演:クリスチャン・スレイター/ケヴィン・ベーコン/ゲイリー・オールドマン/ウィリアム・H・メイシー/脚本:ダン・ゴードン/監督:マーク・ロッコの『告発』を観ました。

●ストーリー
1930年代後半、わずか5ドルを盗んだ罪でアルカトラズ刑務所に送られ、25年の刑で服役中だった
ヘンリー・ヤング(ケヴィン・ベーコン)は、副刑務所長グレン(ゲイリー・オールドマン)の残忍な拷問に耐えきれず、脱獄を企てたが仲間の裏切りにより、「穴蔵」と呼ばれる狭く、暗く、寒い地下牢に3年間も閉じ込められてしまう。

3年後、地獄の様な地下牢での日々を耐え抜き、一般牢へ戻されたヘンリーだったが、食堂で自分を裏切った囚人を見つけると、止め処もない怒りが込み上げて来て、発作的に手にしていたスプーンで相手の首を突き、殺してしまうのだった。

この事件を担当することになった、若き弁護士ジェームズ・スタンフィル(クリスチャン・スレイター)は、初仕事となる殺人事件の弁護を任され張り切っていたのだが、弁護するはずのヘンリーが事件については全く語ろうとせず、ジェームズは困惑してしまうのだった。

弁護士として事件の真相を知る為に、何度も訪問を重ねたジェームズは、ヘンリーの心を少しずつ開いて行き、やっとの事でアルカトラズ刑務所内で日常的に行われていた、恐るべき囚人虐待の真相を掴むのだったが……。

●感想
この作品も、私の周りの知人達の間では、評判の高い作品で、「いつかは、観よう!」と思っており、本日やっと観賞した次第であります。

この作品を観るまでは、脱出不可能の刑務所として名高い、「アルカトラズ刑務所」でこんな凄惨な囚人虐待が続けてられていたとは、少しも考えた事が無かったですし、凶悪犯の他にも、刑務所を存続させる為に、軽微犯の者も収容していたという事実には、驚きを隠せませんでした。

この作品は、事実を元にして作られているのですが、「アルカトラズ刑務所」を閉鎖に追い込んだ裏に、「こんなにも悲しい事件があったのか…」と何ともやり切れない気分になりました。

物語の中盤までは、ヘンリー・ヤングが副刑務所長グレンに暴行を受け、地下牢に閉じ込められる等の凄惨なシーンが続くのですが、ケヴィン・ベーコンとゲイリー・オールドマンが鬼気迫る演技でそれを魅せてくれているので、本作で2人が一緒に出ているシーンを観るだけでも充分価値のあるものだと思います。

更に、若き弁護士ジェームズをクリスチャン・スレイターが熱血感溢れながら、思いやりを滲ませる優しい演技を魅せてくれ、終盤でヘンリーと共に檻の中でトランプ投げをして遊ぶシーンは、私の心に残るものました。

また、ジェームズの相手役の検事にウィリアム・H・メイシーが出演している事で、この作品をしっかりまとめ上げている印象を受けました。

実話なので、残念ながらハッピーエンドとは行きませんが、ヘンリー・ヤングが地下牢に戻されながらも「VICTORY」(勝利)の文字を残していたという事実に、せめてもの「救い」を感じた名作でした。

●採点
私のこの作品に対する評価は90点です。

ハッキリ言ってとても内容の濃い、観た後に色々な事を考えさせられる作品ですが、ケヴィン・ベーコン、ゲイリー・オールドマン、クリスチャン・スレイター、ウィリアム・H・メイシーらの演技が素晴らしい作品なので、まだ観ていない方は、1度は観て欲しいと思う作品です。

私としては、『レオン』の悪徳刑事以上に、本作でゲイリー・オールドマンの演じた「副刑務所長グレン」が憎たらしく思えて仕方ありませんでした。

それは、本作での彼の「悪役」としての演技がとても素晴らしく、絶賛するに値するものだったからだと思っています。

最近では、『バットマン ビギンズ』の警官の様な善人役を演じる事もあるゲイリー・オールドマンなんですが、私はこの作品を観て「ゲイリー・オールドマンには、もっとキレた悪役を演じて欲しい!」と切に願った次第であります。

と言う訳で、この作品は、「アルカトラズ刑務所」を閉鎖に追い込んだ衝撃的な事実を知りたい方と、自分の将来がダメになるかも知れないというリスクを背負いながらも、真実の為に闘った事のある方にオススメ致します。

最後にどうでもいいことなんですけど、最近『エコーズ』に出演していたケヴィン・ベーコンを観て、「もう少し、出演する作品を選んでくれよ~」って何だか悲しくなってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。


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