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私、Rohi-taの映画の感想(ネタバレ有り!)と日常を報告するページです。

ローズ・イン・タイドランド

2006-07-13 18:35:53 | 映画 ラ行
映画館で、出演:ジョデル・フェルランド/ジェフ・ブリッジス/ジェニファー・ティリー/ジャネット・マクティア/ブレンダン・フレッチャー/原作:ミッチ・カリン/脚本:テリー・ギリアム/トニー・グリゾーニ/監督:テリー・ギリアム/作品『ローズ・イン・タイドランド』を観ました。

●感想
 ・テリー・ギリアムには前作の『ブラザーズ・グリム』で期待を裏切られたので、今度は色々な方のブログ記事を読んでから劇場に行くかどうかを決めようとしたのですが、賛否が分かれており、あまり参考にならず、思い切って観て参りました。

 ・平日のナイト上映を観に行ったのですが、120席の劇場の7割くらいの入りに少しビックリしながら「この映画に何を期待してみんなは観に来ているんだろう?」って聞きたくなってしまいました。

 ・それにしても、テリー・ギリアムらしい不可思議な映画でしたね~!ヒロインのジェライザ=ローズ(ジョデル・フェルランド)を始め、主要な登場人物の全てが異常な行動しかしないんですから~!ストーリー性を重視する私にはちょっと付いて行けませんでした……。

 ・ストーリーのほとんどがジェライザ=ローズの空想を基にして作られており、そこにパパ(ジェフ・ブリッジス)とママ(ジェニファー・ティリー)の死や引っ越し先の奇妙な隣人・デル(ジャネット・マクティア)やディケンズ(ブレンダン・フレッチャー)とのエピソードが織り交ぜられ、たまにリスやウサギが登場するって感じでした。

 ・ジェライザ=ローズを演じたジョデル・フェルランドも良かったのですが、頭のおかしいディケンズを演じたブレンダン・フレッチャーの頑張りが私には印象に残りました。あとは大草原や川などの空虚感のある風景とホラー映画に出てきそうな寂れた家と不気味な形の木が良い味を出していた様に思います。

●採点
 ・私的評価……40点(正直言って、ヤク中の両親を持つ10歳の少女のぶっ飛んだ空想にロリコン趣味のない私が117分も付き合わされるのはとても苦痛でした……。宣伝では現代版『不思議の国のアリス』などと言っておりますが、その言葉を鵜呑みにしてしまうと大変な目に遭うと思いますので、これから観ようと思われている方は、どうか御注意下さいませ。でも、今日来ていた女性のほとんどが『不思議の国のアリス』という言葉に釣られて来たんでしょうね~、劇場を足早に後にする彼女達に映画の感想を聞いてみたかったです。)

 ・聞くところによりますと、この作品をテリー・ギリアムは活き活きとしながら作っていたそうですが、見所が変な登場人物と2度の爆発だけというのは、映画としてどうなんでしょうか?『未来世紀ブラジル』『フィッシャー・キング』『12モンキーズ』はスキだけど、『ブラザーズ・グリム』と『ローズ・イン・タイドランド』はダメですね~、そういう意味でテリー・ギリアム作品は「アタリとハズレの差が激しい!」という印象を更に強める結果となってしまいました……。

 ・と言う訳でこの作品は、空想癖のかなり強い方と「親友は人形の首だけ!」って方におすすめ致します。

 ・最後にどうでもいいことなんですが、ジェライザ=ローズに対して「お前は小悪魔か~!」って小一時間くらい説教したくなったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

日本沈没

2006-07-06 20:17:40 | 映画 ナ行
試写会で、出演:草 剛/柴咲コウ/豊川悦司/大地真央/及川光博/福田麻由子/吉田日出子/柄本 明/國村 隼/石坂浩二/原作:小松左京/脚本:加藤正人/監督:樋口真嗣/作品『日本沈没』を観ました。

●感想
 ・『ガメラ』シリーズや『ローレライ』で特撮技術の高さを示した樋口真嗣監督が小松左京氏の代表作『日本沈没』をリメイクしたと言うことで、10年前に原作を読んだ私としては我慢出来ずに試写会に行って参りました。

 ・原作を読んだと言っても、もう10年も経っているので細かい事はすっかり忘れていました。
ストーリーは日本の地殻変動により各地で大地震が発生し、地球物理学者である田所(豊川悦司)は各地の調査を行った結果、1年足らずで日本が沈没してしまうという驚愕の事実に直面します。
この調査結果を重く見た日本政府は、国民の海外への脱出計画と田所が発案した地殻爆破計画を推し進めて行くのだが……と言ったところです。

 ・いや~、さすがに樋口監督の特撮シーンはリアルで良く出来ていました!割れる大地、爆発する山々、襲い掛かる大津波、どれをとっても現実味があり観ていて恐ろしくなりました。

 ・各地で震度7を表すニュース画面や崩れ落ちる六本木ヒルズ、胸まで水没した奈良の大仏、完全に海に沈んだ大阪道頓堀、日本各地の名所が「これでもか!」と破壊し尽くされ、日本列島が真っ赤に燃えている映像は、あまりにも衝撃的で泣きたくなってしまいました。

 ・登場人物では、豊川悦司さんと大地真央さんが良かったですね~!豊川さんは、殆どが般若の様なしかめっ面をしているのですが、総理や大臣達の前で「日本は1年以内に沈没する!」と熱弁を振るったり、地殻爆破計画の責任者として最後まで日本に残り、結城(及川光博)や小野寺(草 剛)の行く末を見守ったりと主演の草くんが霞んでしまう存在感でした。
大地さんも毅然としたセリフ回しが、未曾有の国難を回避しようと奮闘する有能な女性大臣・鷹森沙織にピッタリでしたし、最後の声明発表のシーンはとても感動的でした!

 ・常々、日本には「人あっての国でいて欲しい」と願っているのですが、本作のように日本が壊滅して国民が他国に流出して行くシーンを観ると「国あっての人なのかも知れない」って考えてしまいました。

●採点
 ・私的評価……80点(大地震のシーンを始めとする災害の特撮シーンは、どれをとっても迫力があり見応え充分なのですが、主演の草くんと柴咲さんの演技がどうしても愛し合う恋人同士には見えず、彼らが出て来る度に現実へと引き戻されてしまいました。これを見せられると、どうしても「草 剛と柴咲コウって仲が悪いの?」って変な勘繰りをしたくなりました。)

 ・「どうして阿部玲子(柴咲コウ)をハイパーレスキュー隊員にしたんだろう?」って思いながら観ていたのですがラストシーンで「こういうエンディングにしたかったからなのか~」って納得致しました。

 ・と言う訳でこの作品は、樋口監督の『ガメラ』シリーズが大好きな方と万が一の為に「非常持ち出し袋」を枕元に置いているって方にオススメ致します。

 ・最後にどうでもいいことなんですが、「この映画を日本の近隣諸国で公開したら、泣いて喜ぶ人達がたくさんいるだろうなぁ~」って日本を目の敵にしている国々の主導者達の顔が目に浮かんでしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

ホワイト・ライズ

2006-07-04 20:27:52 | 映画 ハ行
DVDで、出演:ジョシュ・ハートネット/ダイアン・クルーガー/ローズ・バーン/マシュー・リラード/
クリストファー・カズンズ/ジェシカ・パレ/ヴラスタ・ヴラナ/オリジナル脚本:ジル・ミモーニ/脚本:ブランドン・ボイス/監督:ポール・マクギガン/作品『ホワイト・ライズ』を観ました。

●感想
 ・いつも映画やDVDを観る際に参考にさせてもらっている「我想一個人映画美的女人blog 」(http://blog.goo.ne.jp/some-like-it-hot/c/3413477038427f178a8272b4be439c4c)管理人のmigさんの「おすすめ映画」「BEST作品」から、まだ私が観ていなくて気になっている作品を何本かTSUTAYAでレンタルして参りました。

 ・この作品の公開前に、おすぎさんが「良く出来ている!」ってベタ褒めしていたのが、ずーと気になっていたんですが、本当に良く出来ていたのでビックリ致しました!

 ・ストーリーは主人公・マシュー(ジョシュ・ハートネット)、マシューの元彼女・リサ(ダイアン・クルーガー)、マシューの親友・ルーク(マシュー・リラード)、ルークの恋人でリサの親友・アレックス(ローズ・バーン)ら4人の恋のもつれを描いています。

 ・主人公のマシューがリサの後姿を見かけてから、居場所を突き止めるまでのストーカーの様な執念が物凄いです。「マシューとリサは再び巡り逢えるのか?」というのが本作のキーポイントなんですが、途中でニセ者のリサが現れたり、親友のルークに「俺と彼女の仲を取り持ってくれ!」と、どうでもいいことを頼まれたりして、マシューはなかなかリサに逢えません!この逢えそうで逢えない状況にイライラ、ハラハラ、ドキドキさせられ、最後まで目の離せない状況にさせられてしまいます。

 ・たった「マシューとリサは再び巡り逢えるのか?」というテーマだけで、最後までストーリーを引っ張ってしまう監督のポール・マクギガンの演出とブランドン・ボイスの脚本の出来が素晴らしいです!ハッキリ言って、この作品を単なる恋愛映画と思って観るのは、止めて欲しいです!これは、純愛を上手く使った一流のサスペンス作品ですね!

 ・私は男なのでマシューの目線でストーリーを追っていたのですが、彼のリサに対する何とも言えない切ない気持ちが痛い程に伝わって来て、かなり感情移入をしてしまいました!役者、脚本、演出と全てが揃った見応えのある作品だったので、久しぶりに「本当に観て良かった!」と思いました。

●採点
 ・私的評価……95点(愛する恋人同士を引き裂く女のウソは、かなり怖いです。しかし、彼女のウソが悪意からではなく、愛する人へ近づく為の唯一の手段だとしたら、果たして彼女を非難する事が出来るでしょうか?人を愛する事の複雑さを観た後に考えさせられる見事な作品でした!)

 ・と言う訳でこの作品は、これまでに本気で人を愛した事のある方と本気で愛していた人にいきなり消息を絶たれてしまったという経験のある方にオススメ致します!

 ・最後にどうでもいいことなんですが、本作でのダイアン・クルーガーが『トロイ』の何十倍も魅力的に見えてしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。
 

M:i:Ⅲ

2006-07-02 23:58:58 | 映画 その他(数字・英語など)
映画館で、出演:トム・クルーズ/ヴィング・レイムス/ケリー・ラッセル/ローレンス・フィッシュバーン/フィリップ・シーモア・ホフマン/サイモン・ペッグ/ミシェル・モナハン/マギー・Q/ジョナサン・リス=マイヤーズ/原作 ブルース・ゲラー/脚本・監督:J・J・エイブラムス/作品『M:i:Ⅲ』を観ました。

●感想
 ・それほど期待していた作品でもないのですが、前2作を観ているので、その流れで先行上映を観て参りました。

 ・いきなりイーサン・ハント(トム・クルーズ)が窮地に追い込まれているシーンから始まり、爆破、侵入、銃撃、肉弾戦と畳み掛けるようなアクションシーンの連続に、嫌が応にも映画の世界に引きずり込まれてしまいました。

 ・私生活でも女優のケイティー・ホームズと結婚し、超ハッピーなトム・クルーズが劇中でも、ケイティー・ホームズと良く似たジュリア(ミシェル・モナハン)と結婚し、初めて守るものが出来た男の強さや弱さを見せてくれ、これまでとは一味違ったイーサン・ハントを演じています。

 ・でも、このイーサンが結構おマヌケで、武器商人のオーウェン・デイヴィアン(フィリップ・シーモア・ホフマン)を素顔で拷問に遭わせた為に、自分の素性が知れ(仲間に何度も「イーサン!」と呼ばれ名前までバレちゃってます。)ジュリアを拉致されたり、自分で電気ショックを起こして死ぬ寸前になっている時に、本作の黒幕をジュリアが撃ち殺して助けられたりと、自分で自分を窮地に追い込んで行く様は、まさにトム様の一人芝居でした。

 ・フィリップ・シーモア・ホフマンが悪役を演じているのですが、流石にオスカー俳優らしく演技に迫力と重みを感じました。彼が『カポーティ』でどんな演技を見せてくれるのかが、益々楽しみになりました。

 ・ストーリーは中盤まで、右肩上がりに盛り上がっていくのですが、悪役のオーウェンの死に方があまりにも呆気なく、オチも弱すぎるので、典型的な尻すぼみ作品だと感じました。

●採点
 ・私的評価……70点(この作品を楽しむ為には、何も考えずに『24』のジャックばりに頑張っているトム・クルーズを観るのが一番です(独特の走り方を含めて)。スクリーンの中が一番似合う彼は、やっぱりハリウッドスターですね!私生活でのニヤケ顔と違うイーサンの引き締まった表情は、カッコ良かったです。)

 ・と言う訳でこの作品は、本作のテーマ曲を聞くと無条件にワクワクしてしまう方と敵から逃れる為に高級車を惜しげもなく爆破した事のある方におすすめ致します。

 ・最後にどうでもいいことなんですが、チームでミッションを遂行しているはずなんですが「トム様一人だけが目立ってしまうのは、彼のオーラのせい?」って誰かに聞きたくなってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。


ステイ/STAY

2006-07-01 21:41:23 | 映画 サ行
映画館で、出演:ユアン・マクレガー/ナオミ・ワッツ/ライアン・ゴズリング/ケイト・バートン/ボブ・ホスキンス/ジャニーン・ガロファロー/B・D・ウォン/エリザベス・リーサー/脚本:デヴィッド・ベニオフ/監督:マーク・フォースター/作品『ステイ/STAY』を観ました。

●感想
 ・本作は、私の住んでいる地域では6月24日(土)から上映されており、非常に楽しみにしていた作品なので「是非、初日に観に行こう!」と思っていたのですが、そこにはある障害が待っており、本日やっと観る事が出来ました。

 ・本作の場合、「凄い!」と思う要素がたくさんあるのですが、まず映画の土台となる脚本が素晴らしいです。映画の良し悪しは、脚本で決まると私は常々思っているのですが、その思いつきそうで、なかなか思いつかないアイデアを見事に脚本としてまとめたデヴィッド・ベニオフの想像力が凄いです!また、その良く出来たデヴィッド・ベニオフの脚本を様々な手法を使い、見事に映像化しているマーク・フォースター監督の手腕も凄いの一言です!

 ・この映画の凄さを象徴するのが、ファーストシーンでいきなり観客をミスリードしてしまう事でしょうね!サスペンス映画で肝心なのは「観客をどうやって上手く騙し続けるか」って事だと思うのですが、本作はその難しいテーマを意図も簡単にやってのけてしまっています。

 ・ユアン・マクレガー、ナオミ・ワッツ、ライアン・ゴズリングらを中心に現実とも幻とも思える出来事の中に、核心を衝いたセリフや映像を上手く散りばめているので、少しでも油断して観てしまうと「アッ!」と言う間に真実から遠ざけられてしまいます!この手法は凡人がマネようと思っても、高度過ぎてなかなかマネる事が出来ないでしょうね。

 ・映像もワンシーンごとに、カット割りやカメラアングルがストーリーの不可解さを継続させる為に、考えて作られていますし、場面転換のアイデアも非常に凝っており、最後までスクリーンに釘付けにされました。個人的には本作でのマーク・フォースター監督の映像センス、大好きです!

●採点
 ・私的評価……85点(久しぶりに、脚本と映像の両方が良く出来た作品を観た気がします!映像のトーンや音楽は『クラッシュ』、オチは『ジェイコブス・ラダー』に似ている感じが致しました。)

 ・今日は映画の日だったので、上映の1時間前に劇場に着くと「25番」の整理券を渡され「先着25名様にコチラをプレゼント致しております!」と無料で本作のポスターを頂きました!劇場の入り口まで、私の前にはイチャついているバカップルがいたのですが、なぜかチケットを買う前にチラシの方を見に行ったので、私がギリギリで有りつけた次第であります。人生の幸、不幸って、この映画と同じでちょっとした事で変わってしまうもんなんですねぇ~。バカップルさん、ポスターありがとうごさいました!

 ・上映まで手持ち無沙汰だったので、思わずパンフレットを買って読んでしまったんですよ~。実はこれが大きな落とし穴でした……。何気なく読んだページに本作のネタバレが載っており、よく見ると左上に小さな文字で「映画をご覧になってから、お読みください」って書いてありました……。まさに「映画観る前にオチ知っちゃったよ!」って感じでした。お陰様で、映画は充分理解させて頂いたのですが、だまされる悦びを奪われたみたいで、何だか複雑な気分になりました……。(ネタバレのあるページは一目で分かる様にしておいて欲しかったです……。)

 ・と言う訳でこの作品は、数時間後の天気が予言できる方と交通事故で生死の境を彷徨った事のある方にオススメ致します。

 ・最後にどうでもいいことなんですが、「映画代に1300円以上は絶対に出さない!」って変なポリシーを持っている為に、本作を今日まで我慢したのは私だけでしょうか?(ちなみに冒頭で言ってた障害とは、この映画の前売り券が1500円もする事でした!セコいポリシーでスミマセン……。)

それでは、また何か観たら書き込みます。

ブレイブ ストーリー

2006-06-27 23:31:37 | 映画 ハ行
試写会で、声の出演:松たか子/大泉 洋/常盤貴子/ウエンツ瑛士/今井美樹/田中好子/高橋克実/堤下 敦(インパルス)/板倉俊之(インパルス)/虻川美穂子(北陽)/伊藤さおり(北陽)/柴田理恵/伊東四朗/石田太郎/樹木希林/原作:宮部みゆき/脚本:大河内一楼/監督:千明孝一/作品『ブレイブ ストーリー』を観ました。

●感想
 ・正直言ってこの映画は、あまり観たいと思っていなかったのですが、原作が宮部みゆきというのが気になり、その想いだけで試写会に行って参りました。

 ・正直言って私は、宮部みゆき氏の熱烈なファンではありませんので、彼女の原作も『クロスファイア』『模倣犯』『理由』 『レベル7』など、主に映画化された原作しか読んでおりません(『レベル7』だけは、まだ映画化されていません)。しかし、彼女が直木賞作家であり、SF、ミステリ、時代小説、ジュブナイルなど様々なジャンルの小説を書いている事に関しては、大いに尊敬致しております。そんな彼女が、どんなファンタジーを手がけているのか?それだけが観たくて仕方ありませんでした。

 ・ストーリーを手短に言いますと、11歳のワタル(声優:松たか子)は、友人達と近所の幽霊ビルを探検中に、偶然にも宙に浮かぶ大きな扉を発見し、自分の運命を変える為に扉の向こうの世界「幻界」(ヴィジョン)へ行き、運命の女神(声優:今井美樹)に会う為に、様々な場所を旅するというお話であります。

 ・アニメーション制作を『青の6号』や『サムライセブン』などでお馴染みの「GONZO」が手掛けており、随所に3DCGを加えた美しい映像を観せてくれるので飽きはこないのですが、時間的にちょっと長く感じ、お尻が痛くなってしまいました。

 ・原作が長編小説なので、それに追い着こうと物語のエピソードをドンドン省略している様子が、原作を読んでいない私にも観てとれてしまう所がイマイチでした。『ワンピース』の様に途中で笑える要素が含まれていたら、メリハリがついてもっと観易かったのかも知れませんが「正義とは何か、人生とは何か、他人を犠牲にしてまでも勝ち取る幸せとは何か」と言う重いテーマだけをストレートにぶつけて来るので、一本調子になり過ぎている感じが強く、ストーリー自体に魅力を感じる事が出来ませんでしたし、キャラクター達の登場も取って付けた様で、上手く生かしきれて無いように思いました。

 ・この映画をまとめますと「ドラクエ」の世界に、『スター・ウォーズ』や『千と千尋の神隠し』で観た様なキャラが登場し、『ロード・オブ・ザ・リング』や『マトリックス』の様に世界を救って終わると言ったところじゃないでしょうか。色々なゲームや映画、マンガなどのオイシイ所を混ぜ合わせて、宮部みゆき風に仕上げたという作品でした。

●採点
 ・私的評価……60点(思ったよりも子供向けに作られていたので、あまり楽しめませんでしたが、周りの子供達は食い入るようにスクリーンを見つめていたので、私も「小学生の時に観たかったな~」って思いました。)

 ・鑑賞後、原作を読んでみようと書店に出向いたのですが、分厚い文庫本3冊分の迫力に負けてしまい、私の『ブレイブ ストーリー』は「幻界」(ヴィジョン)に行く前に、儚く終わってしまいました。

 ・と言う訳でこの作品は、小学生とその親御さんや友人が魔法を使う所を偶然見た事があるって方におすすめ致します。

 ・最後にどうでもいいことなんですが、声優で出演している、お笑い芸人の「インパルス」と「北陽」は「今後、映画宣伝の為にコキ使われるんだろうな~」って、最近の映画業界のしたたかさに感心しているのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

ウルトラヴァイオレット

2006-06-26 20:39:55 | 映画 ア行
映画館で、出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ/キャメロン・ブライト/ニック・チンランド/ウィリアム・フィクトナー/脚本・監督:カート・ウィマー/作品『ウルトラヴァイオレット』を観ました。

●感想
 ・シャーリーズ・セロン主演の『イーオン・フラックス』とよく似た臭いがして、嫌な予感がしたのですが、どうしてもミラ・ジョヴォヴィッチが観たくなり劇場に行って参りました。

 ・最近、テレビCMでPRが盛んにされているので、どんなストーリーなのか知ってる方も多いと思いますが、簡単に説明しますと、アメリカの開発した細菌兵器により、感染した人間は“ファージ”と呼ばれる超人的な能力を身につけてしまいます。この能力に恐怖を感じた人間政府は“ファージ”を抹殺する最終兵器の開発に成功します。この情報を得た“ファージ”であるヴァイオレット(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は最終兵器のある施設に潜入し、奪取する事に成功するのであったが……。

 ・もう、ほとんどの方が知っていると思いますので、さらに言ってしまうと、最終兵器とは9歳の少年でシックス(キャメロン・ブライト)という名前でございます。この最終兵器を破壊するのが目的だったヴァイオレットですが、最終兵器が9歳の少年だった事にショックを受け、シックスを助けてしまった事から“ファージ”と人間政府の両方を敵にまわし、激しい戦闘を繰り広げるという、お話で御座います。

 ・アメコミが原作となっているだけに、ひねりも何もない非常にベタなストーリー展開となっており、ミラ・ジョヴォヴィッチの戦闘シーンも『マトリックス』を意識したような動きが随所に見られ、見せ場であるビルを垂直に駆け上がるバイクとヘリの戦闘シーンでもCGを使い過ぎている為に、それまでの映像と比べると、かなり浮いてしまっており、とても興醒めしてしまいました。

 ・オチも「ああ、そうなの」と言ったよくあるモノで、物語の中盤で何となく連想できる非常にチープな出来に仕上がっております。まぁ、監督のカート・ウィマーがミラ・ジョヴォヴィッチの為に脚本を書いたと言う事なので、監督が満足していればそれでいいのかも知れませんが……。

●採点
 ・私的評価……30点(うーん、何なんでしょうね~、この映画って?ストーリー展開はベタだし、クライマックスは盛り上がらないし、同じ様な戦闘シーンが続き、オチもグダグダだし、こんなのミラ・ジョヴォヴィッチが出演していなかったら誰も観ないんじゃないでしょうか。)

 ・観る前から嫌な予感はしていたのですが、見事に的中です!久しぶり大ハズレを引いてしまいました……。原作がアメコミの近未来SFモノには今後、充分注意を払っていこうと新たな決意を致しました。

 ・と言う訳でこの作品は、ミラ・ジョヴォヴィッチの大ファン以外の方にはおすすめ致しません!(一般の方はDVDレンタルを待った方が良いと思います。)

 ・最後にどうでもいいことなんですが、「この作品の最高の見せ場って、ミラ・ジョヴォヴィッチの腹筋だけかよ!」って、さま~ずの三村風でツッコミたくなってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

カーズ

2006-06-20 01:00:55 | 映画 カ行
試写会で、声の出演:オーウェン・ウィルソン/ポール・ニューマン/ボニー・ハント/ラリー・ザ・ケイブル・ガイ/チーチ・マリン/トニー・シャルーブ/グイド・クアローニ/ジョージ・カーリン/脚本:ジョン・ラセター/ドン・レイク/監督:ジョン・ラセター/作品『カーズ』を観ました。

●感想
 ・生まれて初めてインターネットで応募した試写会が当たったので、そんなに期待していた作品ではなかったのですが、縁起モノだと思い、ありがたい気持ちで観て参りました。

 ・いや~、それにしても試写会ってインターネットでも当たるもんなんですね~、これまで当選した試写会の全てがハガキでの応募だったので、招待状が来た時は「あれ?俺って『カーズ』の試写会に応募したっけ?」とインターネットで申し込んでいた事すら、ほとんど忘れ去っている状態でした……。今までの私の経験からして、試写会に当選する確率が一番高い方法は、ハガキに熱いコメントを書く事だと思っておりますので、どうしても行きたい試写会がある方には、この方法をオススメ致します。

 ・さて、本題の映画の感想ですが、思っていたよりも面白かったです。そんなに期待していた作品ではなかったので、試写会に当選していなかったら、劇場へ行く事はなかったと思いますので、招待状を送って下さった「関西ウォーカー」さんには、改めて御礼申し上げます。

 ・これまで、『トイ・ストーリー』『モンスターズ・インク』『ファインディング・ニモ』とフル3DCGで、色々な世界を描いてきたピクサーですが、本作でも車の世界を面白く、そして少し感動的に描き出す技術力には「さすがに上手い!」としか言えませんでした。(ピクサーさん、本作を甘く見ていて申し訳ありませんでした。)

 ・私が「凄いなぁ~」と感心したのは、劇中に出てくる風景の美しさでした。主役のライトニング・マックィーン(声:オーウェン・ウィルソン)が迷い込んだラジエーター・スプリングスのグランドキャニオンを思わせる雄大な岩山、緑の生い茂った林道、高所から流れ落ちる巨大な滝。どれをとっても美しく、本作でピクサーが風景に力を入れているのが、スクリーン越しにビシビシ伝わって参りました。

 ・クルマのキャラクター達も口やタイヤを使って、ユーモラスに擬人化していましたし、止まっている所から動き始める加速感が本来の車とよく似ており、リアルな感じが良かったと思います。

 ・ストーリーとしては、マイケル・J・フォックス主演の『ドク・ハリウッド』とトム・クルーズ主演の『デイズ・オブ・サンダー』を混ぜ合わせたような感じなんですが、思っていたよりもレースシーンが少なく、ライトニング・マックィーンがラジエーター・スプリングスで出会ったクルマ達との心の交流を深めて行く所に重点が置かれていました。『チキン・リトル』の様に子供に媚びた作り方をしていないので、大人の方が楽しめる作品だと思います。

●採点
 ・私的評価……70点(改めて思ったのですが、ピクサーは映画作りが上手いですよね!ハズレが出ないように無難な線で作品をまとめ上げる手腕は「スタジオ・ジブリ」とよく似ていますね。(起承転結がハッキリしていたり、ユーモアがある点で、私としてはピクサー作品の方が好きなんですけど……)。ビックリしたのは、ラジエーター・スプリングスの裁判長でドクターも務める「ドック・ハドソン」の声を俳優であり元レーサーでもある「ポール・ニューマン」が務めている事でした。「どうして彼が抜擢されたのか?」という疑問は、「ドック・ハドソン」の過去が分かれば納得できると思いますので、気になる方は劇場で御確認下さいませ。)

 ・これまでのピクサー作品と同様にエンドロールが流れ始めてからも、『バグズ・ライフ』『トイ・ストーリー』『モンスターズ・インク』などのパロディー映像が観られますので、最後の最後まで楽しんで頂けると思います。

 ・と言う訳でこの作品は、カーナビが付いているのに道に迷った事のある方やミハエル・シューマッハとタイヤショップで出会った事のある方におすすめ致します。 

 ・最後にどうでもいいことなんですが、忘れた頃に「あの2台」が再登場して、ウソの様な大ボケで「クスッ」と笑わせてくれますので、「御急ぎでない方は、場内が明るくなるまで席を立たない方がよろしいですよ」って優しく忠告したいと思っているのは、私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

DEATH NOTE/デスノート(前編)

2006-06-17 22:03:28 | 映画 その他(数字・英語など)
映画館で、出演:藤原竜也/松山ケンイチ/瀬戸朝香/香椎由宇/細川茂樹/戸田恵梨香/満島ひかり/五大路子/津川雅彦/藤村俊二/鹿賀丈史/原作:大場つぐみ/小畑 健/脚本:大石哲也/監督:金子修介/作品『DEATH NOTE/デスノート(前編)』を観ました。

●感想
 ・原作コミックが大人気で、主役を務める藤原竜也くんの演技とCGでの死神・デュークの出来映えが気になり初日の2回目の上映を観て参りました。

 ・いや~、それにしてもこの作品は原作が大人気なだけあって、みんなの期待度が高いですね!私は、前日になんとか席を確保できたので、上映30分前の13時に到着したのですが、その頃には、夕方の回まで満席になっているという凄まじい売れ行き状況でした。

 ・原作をFBI捜査官・レイ(細川茂樹)が登場する所までしか読んでいない「デスノート初心者」の私としては、子供達やカップル、女子高生の多さに驚いてしまいました。女子高生達は藤原竜也くんのファンで子供達はコミックのファン、カップル達は土曜のデートといったところじゃないでしょうか。

 ・ストーリーは、名前を書けばその人物は死亡するという「デスノート」を手にしたエリート大学生・夜神 月(藤原竜也)が法で裁けない犯罪者達を「デスノート」の力を借りて、次々と殺して行く中で、この事件を解決すべく警察に捜査協力をする天才探偵・レイ(松山ケンイチ)と頭脳戦を行うという、これまでのコミックになかったアイデアが多く盛り込まれた斬新な内容となっております。

 ・さすがに主演を張るだけあって、藤原竜也くんの演技は良かったですね~。夜神 月の持つ自意識過剰さ、クールさ、狡猾さ、邪悪さ等の様々な側面を上手く表現しており、自然体で役に成りきっている感じが致しました。それとレイを演じた松山ケンイチくんの役作りの凄さには、プロ意識を感じさせられました!『男たちの大和/YAMATO』で丸坊主の青年兵を好演した彼ではありますが、それと比べると到底、同一人物とは思えない程に、レイの風貌、姿勢や動作などを原作から取り入れ、レイという役を完璧に自分のモノにしていたので、自然と彼の演技に目が行ってしまいました。

 ・気になっていたデュークのCGなんですが、何ヵ所か違和感のあるシーンがあったものの、藤原竜也くんとの合成も無難に仕上がっていましたし、出来としては、まあまあじゃないでしょうか。デュークとのからみのシーンでは、殆どが一人芝居になってしまう為に藤原竜也くんは苦労したみたいですが、製作費や撮影効率を考えた場合、デュークはCGで正解だったんじゃないでしょうか。

 ・映画のオリジナルキャラクターとして夜神 月の恋人役に秋野詩織(香椎由宇)を登場させているのですが、正直言って最初は「どうして恋人役が必要なの?」って疑問を感じたました。しかし、クライマックスで夜神 月の邪悪な部分を表現するのには、どうしても彼女が必要だったんですね。この部分での金子修介監督の演出は、とても効果的だったと思います。

●採点
 ・私的評価……80点(終演後、周りで「原作とは、何か違うよなぁ~」と非難じみた感想が飛び交う中、「デスノート初心者」の私は「面白かった~」と笑みを浮かべてしまいました。原作を読んでいる方には不満な部分が多かったみたいですが、「イケメンである月の邪悪さ」や「異様な風貌のレイの正義感」といった人の見た目と内面とのギャップをしっかりと描いている所に、登場人物の人間臭さを感じる事が出来ましたし、月とレイを対比させながら頭脳戦や心理戦でストーリーを展開させて行くという考え抜かれた手法には、やっぱり「上手い!」と言うしかないですね。)

 ・いや~、それにしても話の続きがとても気になりますね~。後半は10月公開ですから、まだ随分先まで我慢しなければなりませんね。到底そんなには我慢出来そうにもないので、マンガ喫茶で原作を読破してしまおうかとも考えているのですが、今までの経験からして、原作を読んでしまったが為に、映画が楽しめなかったって事も多いですしね。とりあえず、ワールドカップの「日本VSクロアチア戦」を観てから、今後の対応をじっくり考えたいと思っています。(ワールドカップは関係ないやん!)

 ・と言う訳でこの作品は、「法で裁けない犯罪者達に天罰を与えたい!」って考えている方や自分の知らない間に、自宅に監視カメラや盗聴器を付けられた経験のある方にオススメ致します。

 ・最後にどうでいいことなんですが、レイの偏った食生活を見て「コイツは将来、絶対糖尿病になるぞ!」って思いながら、シュークリームを食べ、甘いミルクティーを飲んでしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

オーメン

2006-06-14 00:32:33 | 映画 ア行
映画館で、出演:リーヴ・シュレイバー/ジュリア・スタイルズ/ミア・ファロー/デヴィッド・シューリス/ピート・ポスルスウェイト/マイケル・ガンボン/シーマス・デイヴィー=フィッツパトリック/脚本:デヴィッド・セルツァー/監督:ジョン・ムーア/作品『オーメン』を観ました。

●感想
 ・1976年に初公開されたオリジナル版は、リアルタイムで子供の頃に観たのですが、当時の私にとっては人の死に方があまりにも残酷すぎて、ビビってしまい、まともに最後まで観れなかったという怖い思い出がある作品です。そのトラウマを打ち払うべく意を決して劇場に行って参りました。

 ・冒頭にも書きましたが、オリジナル版をビデオやDVDで観直してストーリーを復習してから劇場に行く事も考えたのですが、何しろ子供の頃の怖い記憶が蘇り、そんな無茶な事は到底出来ず、殆どオリジナル版の記憶がないままリメイク版を観る事に致しました。

 ・怖い怖いと思いながら観ていたのですが、結果的にはそんなに大した恐怖心は感じませんでした。それはCGやVFXなどの映像技術の進歩で、昔より遥かに残酷シーンの多い作品を私がたくさん観て来てしまったからだと思います。(きっと大人になって純粋な心を失ってしまったんですね……)

 ・主役のダミアン(シーマス・デイヴィー=フィッツパトリック)もほっぺた辺りがふくよかでオリジナル版の方が不気味だった様な気がしますし、母親・キャサリン・ソーンを演じたジュリア・スタイルズにもそれほど魅力を感じず、父親・ロバート・ソーン役のリーヴ・シュレイバーは真面目な外交官をそれなりに演じたかなって感じでした。

 ・それとは対照的に私の印象に残ったのは、ダミアンの正体を父親のロバートに知らせ、何とかダミアンを殺そうとするブレナン神父を演じたピート・ポスルスウェイトの必死の形相とダミアンの乳母で彼の手足として働くベイロックを演じたミア・ファローの不気味な演技でした。

●採点
 ・私的評価……60点(全体的に恐怖心を煽る演出が少なく、不気味な雰囲気が足りない気がしました。肝心の見せ場である人が死ぬシーンでもそれほど驚きませんでしたし、何と言ってもオリジナル版でやたらと恐怖心を煽った「オーメン」を連呼するBGMが流れなかった事が非常に残念でした。)

 ・不気味さの雰囲気作りや有り得ない人の死に方の演出では『ファイナル・デスティネーション』や『デッドコースター』の方が遥かに優れていると感じましたので、ジェームズ・ウォンやデヴィッド・エリスに本作の監督をして欲しかったです。

 ・と言う訳でこの作品は、教会に近づくと何故か凶暴になってしまう方と母親の墓にジャッカルの骨が埋められているって方におすすめ致します。

 ・最後にどうでもいいことなんですが、本当の意味でのトラウマを吹っ切る為に「頑張ってオリジナル版を観直そう!」ってカラ元気を出してしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。