マジか・・・

衝撃的な事件が起きた。そう、これはもはや「事件」と言っていいレベルの出来事である。非常事態だ。エマージェンシーだ。6年間勤務した学校で来年度は働けなくなり、突然無職になってしまい、職探しより、これもいい機会だと前向きに捉え、自分探しの旅に出ようと思い、「旅」と言うには甘すぎる、よもや「旅行」の計画を立てていた矢先の出来事である。
同じ学校でまた働くことになった。。
えええええええ！！！！！！である。「来年度は申し訳ないけど…」と言われてポカーンとして、先日突然電話が来て「よく考えたらこれこれこういう形なら大丈夫なので」と言われ、またもポカーンである。ポカーーーンである。もうポカーーーーーーーーンである。こんなにもね、ポカーンとする事なんかそうそうないですよ。ポカーン中のポカーンですよ。ベスト・オブ・ポカーンですよ。もう僕くらいになるとね、「特技・ポカーン」って書けちゃうもの。ポカデミー賞受賞ですよ。とは言え、週に2日だけなので、結局他にも仕事は探さなきゃいけないという状況は変わらない。だけどまた同じ学校で働けることになった。
マジか。。
電話を切った俺の頭の中は「マジか」で溢れかえり、口を開いても「マジか」しか出てこない。同じ学校でまた働けるのはもちろん嬉しい。嬉しい・・・けど、、あぁ、、、マジか。。。
昨年度の最後の勤務日、たくさんの先生方に別れを告げ、「長い間、本当にお世話になりました」と言ってまわり、「さびしくなりますよ」などと言われ、連絡先なども伝えて、「文化祭とか体育祭とか、またぜひ遊びに来てください！」と言われ、「もちろんです！」と力強く答える。本当にね、後ろ髪を引かれるとはこのことか！という思いでね、もう引きちぎれんばかりの強さで後ろ髪を引かれつつ学校を出てきたのだ。そこに、、また、行くのか。。

ああああああああああマジか！！！！！！！！！！！！！！！

これはもうね、「恥ずかしさ」を通り越して、もはや「恐怖」ですよ。「ホラー」ですよ。稲川淳二もびっくりの超恐怖体験ですよマジで。スティーブン・キングなんかが聞いたら、「ぜひ小説にしたい！！」って飛びついてきますよ。「ミザリー」超えるね。「シャイニング」超えますよ。キューブリックに映画化してほしいもの。ジャック・ニコルソンに演じてほしいもの。ああああ、バカな事を言ってる場合じゃない。また行くのだ。同じ学校にまた行くのだ。あんなね、誰もいない放課後の教室で、人知れず涙を流した俺がね、また同じ学校に行くわけだ。正直な話、電話もらった時ね、本気で断ろうかと思いましたよ。だって耐えられないでしょ普通。僕なんか弱い人間ですから、ヘタしたら死んじゃうかも知れないよ。耐えられなくて。「恥死に」ですよ。どうすればいいんだ。どんな顔でまたあの学校に行けばいいんだ。わからない。考えても考えても何もわからず、ただただ恐怖で体が震えるばかり。「堂々と」はさすがに行けない。この場合の正解はなんなのか。「おずおずと」なのか「おめおめと」なのか。あぁ、みなさんの記憶を消したい。一人一人の頭を金属バットで思い切りかっ飛ばしていきたい。それじゃただの犯罪者だ。落ち着け俺。もしかしたらこれはドッキリなのかもしれない。学校に行ったら、「大成功～！！」と言って、例の「ドッキリ」と書かれたプレートをもった先生が出てくるかも知れない。何がどこまでドッキリなんだろう。「来年度は無理」というところからドッキリなのか、それとも「今年度もお願いします」がドッキリなのか。これはまた、どちらかによってはリアクションも全然変わってくるぞ。どっちだ。どっちだああああああ！！！！！！！落ち着け！！！！！ドッキリであるはずがない。行くしかない。行くしかないのだ。また俺は、あの学校に行くのだ。



あぁ、マジか。。。。。