酔いどれ反省会

反省出来ない人の反省文

『能町みね子「逃北」のつどい』体験記・後半

2013年05月12日 21時20分06秒 | 日記
前回の続き。

能町みね子さんの『逃北~つかれたときは北へ逃げます』という本の、発売記念のトークイベントに行ってきたというお話。

前回は、イベントが始まる前の段階で、もう、初めて行くトークイベントに緊張し、そしてまた会場のオシャレさなどに完全に萎縮マックスで、自意識の渦にあっぷあっぷとのまれているところでイベントがスタートした、という所まで書いた。

能町さんの今回発売された本はすでに読んでいたので、どういう場所に行ったかという事は知っていたけども、本では紹介しきれなかった部分や、たくさんの写真。本に載っていた写真でもカラーで見るとよりイメージしやすかったりと非常に面白かった。廃校巡りというのはかなり面白そう。廃校とか廃墟とか好きなので、あれはめちゃくちゃ魅力的だった。

ねこぜさんの体験もめちゃくちゃ笑えた。青森の「おこもり」という、村の人たちが集まって、叫びながら限界までご飯を食べるという謎の行事の話は相当面白かった。その行事の映像もあり、めちゃくちゃ笑った。
ねこぜさんという方は何者なんだろう。会社勤めらしいが。。なので顔出しはちょっと、という事で、青森のかなり変わった旅館の主人お手製のお面をかぶっての登場。けど結局途中で「暑い・・・」と言って取っちゃったし、その旅館の話もめちゃくちゃ笑えた。ちょっと変わった旅館の話などを聞くと、「面白そうだから、怖いもの見たさみたいなので、1回くらい行ってみたい」と思うものだけど、あそこまでの旅館だと、怖いもの見たさでも、ちょっと行くのはためらわれる。ねこぜさんも「いや、おすすめしません!」ってめちゃ力強く言ってたし。。どピュアな少年のような主人がいる旅館、やっぱりちょっと行ってみたいなぁ。。

その他、稚内やグリーンランドの写真もとても面白かったし、北と南の、犯罪者や文化人の性質の違いなどなど、かなり盛り沢山な内容だった。

イベントは、途中10分の休憩をはさんだ。前半で「じょっぱり(青森の地酒)」を飲み干してしまったので、後半は、同じく青森の地酒「豊盃」を注文。これがまた、日本酒なの?と疑うほどの爽やかさ。いやいや、こんなのいくらでも飲めちゃうじゃないか。非常に美味しい。危ないぜ。

俺が普段観る舞台などの客は、その劇団なりカンパニーのファンという人もいるだろうが、たいていは、出演者の知り合いや関係者、あとは観劇好きの人だったりする。
当然今回の客の中にも、能町さんやねこぜさんの知り合いや関係者がいるとは思うけど、こういうトークイベントに来る客というのは、ほとんどはファンだろう・・・という気がする。
俺の隣に座っていた女性は、なかなかのファンなのだろう、能町さんやねこぜさんが話すことに対するリアクションが、他の客よりも3割ほど大きいのだ。それは、最初に能町さんとねこぜさんが出てきた時の拍手から違っていた。背中を丸めて、パチパチとゆるい拍手をする俺の隣で、その女性は、背筋をピン!と伸ばし、手の指は「折れちゃうよ!」ってほどに逆に反り返り、胸の前でする拍手のリズムは相当速く、そして力強い。「パチパチ」なんてレベルじゃなく、もう「パパパパパパパ!!」という感じ。かなり激しいビートを刻んでらっしゃる。笑い声も、時たまする拍手も、結構なものだ。俺が「アハハ」と笑った瞬間、隣で「アッハハハ!!」と笑いながら「パン!パン!」と手を打った時はビクッ!!!!とした。風船が割れたのかと思った。だけど、その人のおかげで、慣れない場所でひとり、緊張してリアクションも少なめになっていた俺も、なんとなく気が楽になり、普通にリアクションが取れるようになったのでした。ありがたいです。

そんな感じで、2時間半に渡るイベントはあっと言う間に終わってしまった。イベント終了後は、当然サイン会が行われる。イベント終了時、能町さんが恐縮した感じで「あの、サインなど、欲しい方がいましたら・・・」とおっしゃっていたが、そりゃみんな欲しいだろうと、当然行列になる。
しばし並ばす、サイン会の様子を眺めながら「どうしよう・・・」と悩む。
もちろんファンならばサインは欲しい。能町さんは、一人ひとりに丁寧にサインをして、ちょっとしたイラストも描いてくれて、軽く話もしてくれている。なので結構時間がかかるが、ファンとしては非常にありがたい。ありがたい・・・のだが、俺はそれで、並ぶかどうか頭を抱えることとなった。ファンとしてはとてもありがたい話なのだが、その「軽い会話」が一番のネックだった。そういう「軽い会話」というのが、俺はこの上なく苦手なのだ。しかも相手が、ずっと大好きで本もほぼ読んでいるような人ならばなおさらだ。
以前、某アイドルグループの握手会の様子をテレビで見たことがあり、何万人ものファンと一人ひとり握手をしていくのだが、まあ人数も多いし、完全な流れ作業で、握手というより、もはや「手に触れる」くらいの感じで、しかもテレビのインタビューなどを受けつつの時もあり、ファンの顔すら見てない時があって、あれを見た時は、さすがに「そんなのでいいのか?」と思ったが、今では俺は「あんなのがいい!!」と願っていた。もう流れ作業でいいから、むしろサインはハンコでいいので、ポンポンポン!と「はい次、はい次!」って感じで進んで欲しいのだ。「軽い会話」だけは、「軽い会話」だけは勘弁してほしいのだ!!!!だったら帰れよ、っつう話だが、サインは欲しい。ここで俺の選択肢は2つ。

1.サインは諦めて、並ばずに帰り、あとで「並べばよかったぁ」と後悔する。
2.並んでサインをもらうが、「軽い会話」がうまいことできず、あとで「並ばなきゃよかったぁ」と後悔する。

どちらを選んでも、結局は後悔するのだ。人は結局、選ばなかった方を望むものなんだね。真理だね。違うね。
そして俺は、2を選んだ。どうせ後悔するのであれば、サインはもらおう。もらっとこう。
意を決して、長い列に並ぶ。
いいんだいいんだ。うまいこと軽い会話を出来る人なんて少ないのかもしれない。みんな「ああああ、もう自分バカ!!」と思いながら帰っているのかもしれない。もうそう思わないと並んでいられない。自分の順番が近づいてくると、「軽い会話」の様子がよりハッキリと感じられる。ファンの方が、何やら高めなテンションで、感想などを伝えているのだろうか、いろいろと話している。ああああああ、俺もああいう事ができたらなぁ。。。ハイテンションになりたいと思えば思うほど、ローテンションになっていく。感想もいろいろ伝えたいのに、終わったばかりだと、まだ自分の中で感想がまとまらない。じ、時間をください!!1日ください!!!!アホか、「じゃあサイン会は明日で」なんてなるはずがないのだ。落ち着け俺。ああああ、近づく。順番が近づいてくる。気ばかり焦って、テンションは下がる一方。ああああ、もう次の次だ。逃げられない。ここで列を抜けることはさすがにできない。「軽い会話」ってなんだ!!わからない、わからないよ!!!!



そして俺は、能町さんのサインが書かれた本を手に、雨の中、一人立ち尽くしていた。
交わされた会話は、「ご出身はどちらですか?」くらいのものだった。何を話したのか記憶はおぼろげだし、おぼろげというか、そもそも覚えているほどの会話量はなかったのだろう。なので、後悔をする以前に、後悔するほど何も話していないのだが、なぜかしっかりと後悔だけはして、とぼとぼと駅へと向かった。ゆりかもめに揺られつつ、ふと壁の広告を見ると、「雑談が上手くなる本」とあった。あぁ、俺はこれを読むべきなのだろうか。乗り換えの豊洲で、特にお腹も減っていないのに、なぜかつけ麺を食べてしまった。そう言えば以前、下北で一人で芝居を観て、なぜかべっこりと凹んだことがあり、その時も夕暮れ時で、特に腹も減ってないのに、一人でつけ麺を食べたことを思い出した。なんだろう、夕暮れ時の後悔は、つけ麺を求めるものなのだろうか。夕暮れと後悔、そしてつけ麺。つけ麺の味は、普通だった。

でもイベントはホントに面白かったし、一人ひとりのファンに丁寧に接してくれた能町さんはステキだなぁって思ったのでした。青森、稚内、かなり行きたくなった。
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5月11日(土)のつぶやき

2013年05月12日 00時57分03秒 | 日記

トークイベントって初めて来たけども、なんとも居づらい感満載だわ。。なんだここ。。一人できちゃダメだよこんなとこ。。帰りたい!!もう帰りたい!!!!


「飲食店ですので、必ず1オーダーはお願いします」だとー!!ふざけんなコラー!!こちとら1人なんだよ!!飯食いに来たんじゃねーんだよ!!ナメんな!!メニュー見て選んでるふりなう!!!!!!さあ、いつ店員から注意されるかな。


『能町みね子「逃北」のつどい』体験記・前半 goo.gl/ULVzR


@stila0327 想像力、フル稼働で「俺にときめいてる女子がいる!」と思い、なんとかイベント乗り切りました。とは言え、とても楽しかったです。シズエさんのおかげでチケット購入できたので、本当にありがとうございました~!!!!


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