殿(しんがり)追走ハラヤマジツコ

フリーアナウンサー・原山実子のブログです。


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桂歌丸さん

2018-07-03 00:27:40 | 日常~

かつて、ツイッターで私のことを
「こいつ、中学生の頃ろくに勉強してなかったんだろうな」
と呟いた方がいて、それを見た時に、
「知りもしないでよくゆーわ」
と言いたいところだけど、実は

「うんまぁ、間違っちゃいない。好きなことしかやらなかったから。」

と、反論のキモチはわきませんでした。
その頃から、大して興味のないことはやりたくなかったから!
好きな教科の成績はそこそこ良くても、
そうでない教科は、目一杯そうでなかった。
成績にムラのある中学生。
今でも、一度興味を失った人は、居ないに等しい存在になります(こら)

中学生時代。映画やコンサート、ラジオに新譜。
今と違ってネットで検索なんてできなかった頃、
頼りになるのは「ぴあ」でした。
毎週買って、行きもしないライブの情報を眺めては、憧れていました。

ある日曜日、当時中学2年生の私が「ぴあ」の情報を頼りに向かった先は、
新宿・末廣亭。

子供の頃から日曜夕方は
「笑点」「ガッチャマン」「サザエさん」
(『ダッシュ勝平』だったかも)
落語を読むのが好きで、聞くのが好きで、テレビで見たことしかなかった「桂歌丸」の落語を、
いつしか、生で聞いてみたい!
テレビで見て面白いんだから、寄席に行ったらもっと面白いに違いない!
…と思うようになっていました。

実際に行ってみた!

緊張しながら、付き合ってくれた友達と一緒に新宿を歩いて、
賑やかな町中にいきなり出現した寄席の雰囲気に気圧されつつ、
「入場料」を払って中に入ると、
思ったよりも狭い客席に驚きました。

なんとなーく見やすそうな席に座って、
それからは次から次へと出てくる落語家さん、芸人さんの話を聞いて、
面白くて楽しくて、よく笑って。
子供?二人で座っているのが珍しかったのか、噺家さん何人かに高座から
「どこからきたの」
「お嬢ちゃんがた、これから面白いこと言うからよく覚えて帰りなさいね」
っていじってもらえたり。

北見マキさんのマジックと、雷門助六は覚えてる。
今思えば、8代目雷門助六の「あやつり踊り」を生で見ておいてよかったなぁ。

その日のトリが歌丸師匠。
「鍋草履」
だったと思います。

長くて、その頃はあんまり「面白い」と思えなかったのだけど、
何年か経って、テレビでそれを見た時に何故か
「あれ?ちょっと短い」
「でも、こっちのほうが面白い」
「なんでだろう」
と思った記憶がありました。
(その頃は北島マヤのごとく、記憶力も良かった)
(歌丸さんはTVサイズに、噺を短くする人だったのかしら)

2度め、3度めのほうがむしろ面白い。
本当の芸は、飽きさせないものなのかな、と、
これはずっと後になってから感じたこと。

「桂歌丸の落語を聞きに行く」
当時中2女子の冒険。
好きなものは、見たいものは、見られるうちに自分から動いて見ておこう。
持った興味は大切にしよう。
今の競馬にも続く自分の思いの始まりは、
実は、桂歌丸さんの落語だったのだかもしれません。

たったの一度だったけど、一生の思い出です。
末広亭に行ってよかった。
今頃、三遊亭小圓遊さんと天国で、阿吽の呼吸で言い合いしているのかな。
桂歌丸さん。本当にお疲れ様でした。
ご冥福をお祈りいたします。


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