2002年セレクトセール、当歳馬の展示。
細くて黒くてモサモサで、
「え?これ、サンデーサイレンス産駒なんだ」
と驚いた当歳がいました。
サンデー産駒はすべてチェックするものの
「このお馬さんねぇ…撮らなくてもいいよね」
と思いながら次へ。
その時カタログをみて、ふと「母馬の名前、素敵だなぁ…」と思いました。
それから2年。
関西ですごい馬がデビューしたらしい、と聞き、
レースリプレイ、勝ち馬プロフィールをみて
「…ん?母ウインドインハーヘア…?」
あー!!!あの、細くてモサモサの黒いの!
(失礼)
それがディープインパクトでした。
その後の彼の大活躍は、皆様御存知の通りです。
弥生賞でのスタート不安もあり、いつか負けるんじゃ、と思いながら結局3冠全て現地観戦。強い。
菊花賞のゴール前は、席においたデジカメをとって、電源入れて、そこから構えて撮る余裕がありました。
まさかの有馬記念2着、京都競馬場の宝塚記念、中山競馬場での有馬記念後の引退式。
すべてが絵になるお馬さん。
あの当時、ディープが勝つほど、
「もう、私が競馬を見ている間に、こんなに鮮烈な印象のレースを、馬を見ることはできないんじゃないか」
と、寂しさすら覚えたものでした。
種牡馬になってからも、子供がこんなに活躍するとは。
いろいろズルいくらい強いなぁ…すごいなぁ…という言葉しかなかったです。
正直言って、私は現役時代の彼のファン、というわけでは有りませんでした。
でも、競馬場であの強さを見せつけられて、あの周囲の熱狂ぶりを見て、感じていた一人として、
あらためてレースリプレイを見ると、本当に強い。あらためて感動が湧き上がります。
そして、自分でも驚くほどの悲しみを覚えます。
日本の競馬界の、大きな大きな存在を失った悲しさ、この喪失感は、この先何かで埋まることはないでしょう。
こんなタイミングで逝ってしまうとは…。
ディープさん、本当にお疲れさまでした。
これからはゆっくり空を見て、
先に行っていた専属の番犬さんと遊んで、
美味しいものをたくさん食べてくださいね。
どうか安らかに。
そして、担当さんのお心が早く癒えますように。