伝説の歌番組・夜のヒットスタジオを語る

伝説の音楽番組「夜のヒットスタジオ」の22年間の足跡を通じて、日本の歌謡界が最も輝いていた時代を振り返ります。

夜ヒット・歌手別出演履歴<16> 水前寺清子

2007-05-08 | 夜のヒットスタジオ/歌手別出演履歴

夜ヒット・歌手別出演履歴シリーズ、今回は「チータ」こと水前寺清子の出演履歴を振り返ります。

夜ヒットがスタートした頃、丁度彼女は歌手として人気絶頂のときを迎えようとしていました。1968年に後にも彼女最大の代表作として歌い継がれる「三百六十五歩のマーチ」を発売、その軽快な歌の世界と相まって、彼女の歌手以外のタレント性にも注目され始め、1969年には「チータ55号」(TBS)でコント55号と司会役を担当、同年秋からは「紅白歌のベストテン」(NTV)の初代紅組キャプテン(司会)を務め、その合間に映画やドラマにも出演し、女優としての才能を開花させるなど、実にマルチな活動を行っていました。

そんな多忙なスケジュールの最中でありながらも、夜ヒットには初代のマエタケ・芳村時代を中心に相当数出演をしています。特に夜ヒットと同じく月曜日に「紅白歌のベストテン」がスタートした後は、本来スケジュール調整の関係で夜ヒットに出演することが困難になるはずなのですが、それでも、イレギュラーに出演を続けていたという点は、後に彼女の後継として「紅白歌の~」の司会となった今陽子・岡崎友紀・榊原郁恵が司会抜擢後、夜ヒットに出演できなくなってしまったことと比較して特筆に価する部分であろうと思います。

ただ、1970年代半ばに入ると、抜群の知名度とは反比例して歌手としてのセールスは落ち込むようになってきており、1977年頃からは(1981年に1回出演した以外は)番組に顔を見せなくなってしまいました。この頃、青江三奈やちあきなおみも夜ヒットへの出演機会がなくなり、それと同時にイルカ・中島みゆき・五輪真弓・アリス・原田真二といった、ニューミュージック・フォーク系アーティストが台頭し、夜ヒットにも次々と出演するようになっており、この出演者の顔ぶれの変化は、歌謡曲中心という従来の方針が、楽曲・歌手の個性を中心とする構成への展開とそぐわなくなったことを暗示していたと言えるでしょう。

◆水前寺清子ー初出演:1968年12月16日(第7回)/最終出演:1981年4月20日(第649回)、出演回数:72回
01 1968/12/16(007) 三百六十五歩のマーチ
02 1969/01/27(013) 三百六十五歩のマーチ
03 1969/03/17(020) 男じゃないか
04 1969/05/26(030) にんげんどっこの唄
05 1969/06/16(033) にんげんどっこの唄
06 1969/06/30(035) にんげんどっこの唄
07 1969/07/14(037) にんげんどっこの唄
08 1969/08/18(042) 赤いトランク
09 1969/09/15(046) 真実一路のマーチ
10 1969/10/20(051) 真実一路のマーチ
11 1969/11/17(055) 真実一路のマーチ
12 1969/12/22(060) 東京でだめなら
13 1969/12/29(061) 東京でだめなら
14 1970/01/26(065) 東京でだめなら
15 1970/03/30(074) 空手道
16 1970/05/25(082) 1+1の音頭
17 1970/06/29(087) 1+1の音頭
18 1970/07/20(090) 三度笠だよ人生は
19 1970/08/10(093) 三度笠だよ人生は
20 1970/09/14(098) 三度笠だよ人生は
21 1970/09/28(100) 男でよいしょ
22 1970/10/19(103) だめでもともと
23 1970/11/30(109) 大勝負
24 1970/12/28(113) 大勝負
25 1971/02/01(118) あゝ恋唄
26 1971/03/22(125) あゝ恋唄
27 1971/04/26(130) ねんがら子守唄
28 1971/05/10(132) ねんがら子守唄
29 1971/06/28(139) ねんがら子守唄
30 1971/07/26(143) ああ男なら男なら
31 1971/08/09(145) ああ男なら男なら
32 1971/09/27(152) ああ男なら男なら
33 1971/11/29(161) 苦労買います
34 1971/12/27(165) 苦労買います
35 1972/02/07(171) この手にとまれ
36 1972/03/27(178) この手にとまれ
37 1972/04/24(182) この手にとまれ
38 1972/05/29(187) この手にとまれ
39 1972/07/03(192) 柔の道
40 1972/09/04(201) いつかは逢えるだろう
41 1972/10/16(207) 昭和放浪記
42 1972/11/13(211) 昭和放浪記
43 1972/12/18(216) 昭和放浪記
44 1973/01/29(222) 昭和放浪記
45 1973/03/05(227) 昭和放浪記
46 1973/04/09(232) 祭りになればいい(※「昭和放浪記」B面。次回作の「かあさん」(73年6月発売)が発表されるまで8ヶ月もの間、通常シングル盤の新譜発表が途絶えていたため、特例的な措置としてB面曲である同曲が披露された模様)
47 1973/05/28(239) かあさん
48 1973/08/20(251) 大恋愛
49 1973/10/08(258) 大恋愛
50 1973/11/19(264) 望郷の詩
51 1973/12/24(269) 望郷の詩
52 1974/01/21(272) 望郷の詩
53 1974/02/18(276) 望郷の詩
54 1974/03/18(280) ああ人生浮き沈み
55 1974/05/06(287) 人生ブルース
56 1974/06/24(294) 幸せ正面だ~れ 
57 1974/07/22(298) てっぺんまごころ
58 1974/09/23(307) 花の散りぎわ
59 1974/11/25(316) 花の散りぎわ
60 1975/01/20(324) 大成功 
61 1975/05/19(341) 同窓会
62 1975/09/29(360) 浮草
63 1975/11/10(366) 浮草
64 1975/12/08(370) 浮草
65 1976/01/12(374) 浮草
66 1976/03/29(386) 鬼面児
67 1976/05/24(394) 鬼面児
68 1976/07/12(401) にっぽん流行歌
69 1976/09/13(410) お父さん
70 1976/11/08(418) お父さん
71 1977/02/21(433) 花染め音次郎   
72 1981/04/20(649) さすらい情話

(補足)
・1968年12月の初出演時~1977年2月出演時までの間でリリースされたシングルA面曲のうち、以下の曲は番組内では歌われなかった模様。
①「敦賀とてもすきすき」(1969年8月発売)・・・企画盤のため披露せず。
②「ありがとうの歌」(1970年5月発売)・・・水前寺主演による他局のテレビドラマ主題歌(TBS系「ありがとう」主題歌)のため披露せず。
③「浪花太鼓」(1971年9月発売)・・・B面曲「大阪パレード」が他局の系列局及び資本関係にある新聞社と関連のある楽曲だったため披露せず(「大阪パレード」は読売テレビ・読売新聞大阪本社選定「新しい大阪のうた」として製作された楽曲)。
④「青空浪人の唄」(1971年10月発売)・・・他局のテレビドラマ主題歌(日本テレビ系「青空浪人」主題歌)のため披露せず。
⑤「おどんが国は」(1971年12月発売)・・・NHK「みんなのうた」の楽曲として製作された企画盤のため披露せず。
⑥「大逆転のマーチ」(1972年10月発売)・・・同時期発売の「昭和放浪記」のプロモーションが優先されたため披露せず。
⑦「指言葉の歌」(1972年12月発売)・・・企画盤のため披露せず。
⑧「どこかでありがとう」(1974年1月発売)・・・水前寺主演による他局のテレビドラマ主題歌(TBS系「ありがとう」エンディング曲)のため披露せず。
⑨「ハナハナハナ」(1974年4月発売)・・・B面曲「ああ人生浮き沈み」が当時フジテレビ系で放映されていた水前寺主演ドラマ(「ほうねんまんさく」)の主題歌として採用された関係でドラマのプロモーションの一環としてB面曲を優先したため披露せず。
⑩「あたしのものよ」(1974年12月発売)・・・水前寺主演による他局のテレビドラマ主題歌(TBS系「あたしのものよ」主題歌)のため披露せず。
⑪「みつばちマーヤの冒険」(1975年4月発売)・・・フジテレビ系アニメの同名主題歌だが、当時の同番組の方針として放送局の如何に関わらずテレビアニメ主題歌での番組出演に消極的な姿勢だったため披露できなかった模様。
⑫「君は青空を見たか」(1975年8月発売)・・・プロモーション期間中での番組出演実績なし。
⑬「明日がござる」(1975年11月発売)・・・水前寺主演による他局のテレビドラマ主題歌(TBS系「明日がござる」主題歌)のため披露できず。
⑭「しあわせ橋」(1976年3月発売)・・・同時期発売の「鬼面児」のプロモーションを優先したため披露せず。
⑮「お前のふるさとどこなんだ」(1977年2月発売)・・同時期発売の「花染め音次郎」のプロモーションを優先したため披露せず。



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