夜ヒット名シーン編・第3回目は現在では日本の音楽シーンを代表するビックアーティストとなったチャゲ&飛鳥の夜ヒット初出演、「ひとり咲き」のシーンを取り上げます。
チャゲ&飛鳥が夜ヒットに初登場したのは、レコードデビューから約3ヵ月後の1979年11月12日の放送でした。夜ヒット初登場当時、チャゲアスはまだまだ無名のアーティストであり、デビュー3ヶ月での初出演というのは、ヒット曲を持たないニューミュージック系の歌手としては異例の早さでした。なぜ、わずか3ヶ月で無名の新人アーティストであるチャゲアスが出演できたか、それは、当時すでにフォーク界の大御所として君臨していた吉田拓郎さんが本当ならばこの回に待望の初出演をする予定であったものが、直前になって拓郎さんサイトから夜ヒット出演を辞退する旨の連絡が入り、そこで急遽、拓郎さんの代役として、チャゲアスに白羽の矢が立ったというのが一番の理由であったようです(なお、拓郎さんはこの約8ヵ月後の1980年6月30日放送で夜ヒットに初出演しました)。
この初出演のときに披露した曲目はデビューシングル曲である「ひとり咲き」。夜ヒットの場合、新人アーティストについては、セット装置や演出なども割合質素なものとなるケースが多かったのですが、チャゲアス初登場の時はとりわけ"映像美"に拘った演出が行われました。階段状のセットの上に大量の桜吹雪が舞うという風景をバックにチャゲアスはこの唄を熱唱しました。
九州から上京してきてまだ日にちに浅いように見える若手のフォークデュオが、ジーパン姿で目いっぱいの"おしゃれ"をしてテレビに出ている、そしてそこに「ひとり咲き」という曲タイトルに合わせて桜吹雪が舞い落ちる、という演出は、歌手の人間性であるとか、雰囲気というものを演出を考える際の重要な材料としていた夜ヒットならではの「シンプル」ではあるが「人間味のある」巧みな演出であったように思います。また、このときが初登場であったこともあり、初登場ならではの緊張感もスタジオ内には漂っており、その緊張感が、より彼らの持つ歌の力に臨場感を持たせたという感じがします。電飾装置や証明設備の整った昨今の音楽番組の演出からすれば、これでも「質素」という感じがするのかもしれないですが、このようなシンプルな演出であっても、歌の臨場感がひしひしと感じ取れるというのは、夜ヒットの格の高さがあってこそ為せる演出ではないかと思います(尚、後日このシーンについてより詳しく調べてみたところ、この演出は本当は吉田拓郎さんが出演していた場合に披露する予定となっていた、「外は白い雪の夜」のために用意されていたものをそのまま流用したものだったようです。しかし、単なる流用であったにすぎないこの演出が、この曲に不思議とはまった、というのは、夜ヒットという番組がもつ全体の雰囲気と、初出演であったという初々しさと独特な緊張感が、そのような「流用した演出」という雰囲気すらも打ち消すものであったということを証明していると言えるのでは、と思います)。
このほかにもチャゲアスというと何人かのダンサー?のような人々が太極拳をやっている中で「万里の河」を歌ったり、マンスリーのときの「終楽章」の熱唱、「モーニングムーン」の出演者一同が立ち上がっての熱いステージングなど、さまざまなシーンを夜ヒットでも提供してくれたアーティストでしたが、個人的にはいつの時かに見たこの初登場のシーンが、彼らの当時の素朴さを最も如実に引き出していたという意味では、一番の"夜ヒットらしい"名シーンではないかなあ・・・と思っています。
いまやデビュー25年を過ぎ、日本を代表する大物アーティストへと進化を遂げたチャゲアスが歩んできた長い足跡の「第一歩」を物語るシーンとして、これからもこの夜ヒットの初登場シーンは語り継がれていくべきではないか、と思います。今もデビュー当時の彼らの様子と、この夜ヒットの初登場時の紙吹雪を背に受けての熱唱のシーンをオーバーラップさせて思い出す人もかなりいらっしゃるのではないでしょうか。
チャゲ&飛鳥が夜ヒットに初登場したのは、レコードデビューから約3ヵ月後の1979年11月12日の放送でした。夜ヒット初登場当時、チャゲアスはまだまだ無名のアーティストであり、デビュー3ヶ月での初出演というのは、ヒット曲を持たないニューミュージック系の歌手としては異例の早さでした。なぜ、わずか3ヶ月で無名の新人アーティストであるチャゲアスが出演できたか、それは、当時すでにフォーク界の大御所として君臨していた吉田拓郎さんが本当ならばこの回に待望の初出演をする予定であったものが、直前になって拓郎さんサイトから夜ヒット出演を辞退する旨の連絡が入り、そこで急遽、拓郎さんの代役として、チャゲアスに白羽の矢が立ったというのが一番の理由であったようです(なお、拓郎さんはこの約8ヵ月後の1980年6月30日放送で夜ヒットに初出演しました)。
この初出演のときに披露した曲目はデビューシングル曲である「ひとり咲き」。夜ヒットの場合、新人アーティストについては、セット装置や演出なども割合質素なものとなるケースが多かったのですが、チャゲアス初登場の時はとりわけ"映像美"に拘った演出が行われました。階段状のセットの上に大量の桜吹雪が舞うという風景をバックにチャゲアスはこの唄を熱唱しました。
九州から上京してきてまだ日にちに浅いように見える若手のフォークデュオが、ジーパン姿で目いっぱいの"おしゃれ"をしてテレビに出ている、そしてそこに「ひとり咲き」という曲タイトルに合わせて桜吹雪が舞い落ちる、という演出は、歌手の人間性であるとか、雰囲気というものを演出を考える際の重要な材料としていた夜ヒットならではの「シンプル」ではあるが「人間味のある」巧みな演出であったように思います。また、このときが初登場であったこともあり、初登場ならではの緊張感もスタジオ内には漂っており、その緊張感が、より彼らの持つ歌の力に臨場感を持たせたという感じがします。電飾装置や証明設備の整った昨今の音楽番組の演出からすれば、これでも「質素」という感じがするのかもしれないですが、このようなシンプルな演出であっても、歌の臨場感がひしひしと感じ取れるというのは、夜ヒットの格の高さがあってこそ為せる演出ではないかと思います(尚、後日このシーンについてより詳しく調べてみたところ、この演出は本当は吉田拓郎さんが出演していた場合に披露する予定となっていた、「外は白い雪の夜」のために用意されていたものをそのまま流用したものだったようです。しかし、単なる流用であったにすぎないこの演出が、この曲に不思議とはまった、というのは、夜ヒットという番組がもつ全体の雰囲気と、初出演であったという初々しさと独特な緊張感が、そのような「流用した演出」という雰囲気すらも打ち消すものであったということを証明していると言えるのでは、と思います)。
このほかにもチャゲアスというと何人かのダンサー?のような人々が太極拳をやっている中で「万里の河」を歌ったり、マンスリーのときの「終楽章」の熱唱、「モーニングムーン」の出演者一同が立ち上がっての熱いステージングなど、さまざまなシーンを夜ヒットでも提供してくれたアーティストでしたが、個人的にはいつの時かに見たこの初登場のシーンが、彼らの当時の素朴さを最も如実に引き出していたという意味では、一番の"夜ヒットらしい"名シーンではないかなあ・・・と思っています。
いまやデビュー25年を過ぎ、日本を代表する大物アーティストへと進化を遂げたチャゲアスが歩んできた長い足跡の「第一歩」を物語るシーンとして、これからもこの夜ヒットの初登場シーンは語り継がれていくべきではないか、と思います。今もデビュー当時の彼らの様子と、この夜ヒットの初登場時の紙吹雪を背に受けての熱唱のシーンをオーバーラップさせて思い出す人もかなりいらっしゃるのではないでしょうか。