吉村昭の『高熱隧道』を読み始めました。
今でこそトロッコ電車で容易にたどり着ける欅平なのですが、
その先ともなると人を寄せつけない厳しい自然が立ちはだかっています。
と思うと、開発ってすごいことですよね。
今は当たり前に観光ができ、その恩恵に浴してしまうわけでして…。
黒部峡谷の欅平駅には『高熱隧道』の生原稿や、執筆に使った万年筆が展示されているほか、
どんなに苛酷な工事であったかについての説明がなされています。
犠牲者もかなりの数だったようです。
たしかに足場の悪い絶壁から足を滑らせたら激しい渓流にまっさかさま。
助かるはずがありません。
雪崩も起きるし、高熱の温泉も湧きだします。
当たり前のように電力を享受している私たちは
多くの犠牲のもとに開発が行われることを受け止めなければならないと思います。