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スーパーツィーターを、バックロードホーンスピーカーに追加しました。

2019-12-30 23:42:08 | オーディオ

バックロードホーンスピーカーシステムに、安価なスーパーツィーターを追加し、ハイパス用の最適なコンデンサーの値の選択、スーパーツィーターの相対位置による位相合わせの方法等を検討しましたので、報告します。

経緯
以前から、スーパーツィーターを追加して、どのような音になるかを試したいと思っていた。ただ、高域の聴力は並以下だと認識しているので、高価なものは止めて、安価なスーパーツィーターシステムなら良しとした。

スーパーツィーターを選ぶ
故・長岡鉄男さんは、20cmフルレンジスピーカー使用のバックロードホーンスピーカーに、Fostexの スーパーツィーターT90A と0.47μFのコンデンサー直結を推薦しているが、今回は、T90Aを採用せず、安価な代用品のスーパーツィーターを探した。

・音圧レベル
バックロードホーンスピーカーの出力音圧レベルは96dB/Wに対し、スーパーツィーター T90Aの出力音圧レベルは106dB/Wだ。
スーパーツィーターにハイパスフィルターとしてコンデンサーを直結すると、スーパーツィーターの音圧レベルが落ちるので、バックロードホーンスピーカーの出力音圧レベルより高い音圧レベルのスーパーツィーターが必要となる。

WEBで、106dB/Wより高い音圧レベルのスーパーツィーターを探すと、意外と無い。高価なスーパーツィーターも出てくるが、周波数特性や出力音圧レベルの記載が無い。

そんな中で、安価な製品をやっと見つけた。ブラジルのJBL SELENIUM社製のドライバーだ。出力音圧レベルが110dB/Wと高い。

・D220Ti Titanium Driver 

WEBページ:https://jblpro.com/en-US/products/d220-ti
PDF仕様書:https://adn.harmanpro.com/site_elements/executables/18834_1570135071/D220TI_SpecSheet_original.pdf
低域まで周波数特性が伸びているので、T90Aと比べ形状が大きい。
インピーダンスが16Ωと8Ωの製品がある。日本では8Ωが販売されているが、チェックが必要だ。

・HM11-25
正方形の短いホーンを装着した。
サウンドハウスWEBページ:https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/199581/
スピーカーとホーンの両方合わせて1セット7,500円程だ。

・ツィータースタンドは、山越木工房の製品で、10月に開催された真空管オーディオフェアで購入した。

配線
スピーカーケーブルの途中に3端子の端子台を設け、+側配線にハイパス用コンデンサーを接続した。


ハイパス用コンデンサーの値の選択
バックロードホーンスピーカーが有している帯域に重ならないように、ハイパス用コンデンサーの値を選択するのが一般的だ。

故・長岡鉄男さんが推薦したコンデンサー値:0.47μFでのカットオフ周波数を求めてみる。
Cをハイパス用コンデンサー、Zをスーパーツィーターのインピーダンスとすると、スーパーツィーターに掛かる電圧の伝達関数は G(ω)=jωCZ / (1+jωCZ)

ωCZ =1 とすると、G =1 / √2となって、-3dBのカットオフ点となる。
カットオフ周波数は f =1 / (2πCZ)より、C=0.47μF、Z=8Ωとすると、f=42KHz(≒42,328)とかなり高いカットオフ周波数となる。
15KHz以上の高周波領域を付加するのを意図しているようだ。

今回使用する D220Ti Titanium Driverは、T90Aより出力音圧が4dB高いので、コンデンサー値は0.33μFでも良いと思う。

スーパーツィーターの位置による位相合わせ
スピーカーシステムとスーパーツィーターの相対位置を調整して、両方の出力波形の位相差をゼロにして、波形が重なり合うのが理想だ。しかし微妙だ。

考慮する条件
1.音速340m/sとすると、10KHzの波長:3.4cm
2.上の伝達関数から、スーパーツィーターの位相は、f=4.2KHzから42KHzまでの間に、+90度から+45度に傾斜して変化する進み位相となっている。

2.の傾斜して変化する位相より、位相を合わせたとしても合うのは1周波数点のみで、他の周波数では位相は合っていない。
そして、10KHzで位相を合わせようとすると、スーパーツィーターの位相は65度ぐらい進んでいるので、スーパーツィーターの相対位置を下げ、位相を遅らせる。
1.の条件により、65度は 3.4cm x 65度 / 360度=0.6cm となる。スピーカーシステムの振動板位置から、スーパーツィーターの振動板位置を0.6cm下げれば良い。
となるけど、0.6cmとなると微妙だ。そもそも位相差180度の最悪点まで1.7cmしか無い。

スーパーツィーターを追加した音を聴く
コンデンサーは推薦値の0.47μFを付けてみた。
スーパーツィーターの位置だが、ホーンを装着しているのでドライバーの振動板の位置がかなり後方になるので、位置の調整は出来ていない。

音を聴くと、今まで聞こえなかった楽器の音が聞こえる。金属楽器の音だ。
プラシーボ効果かもしれないが、まずは良しとしよう。

---追記---
コンデンサーの値は、0.22μFに落ち着きました。高音領域聞こえ過ぎると疲れます。



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1 コメント

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Unknown (booji)
2020-10-23 23:31:31
>高音領域聞こえ過ぎると疲れます。
正にその通りですが、じゃードラムのシンバルや管楽器の音質を再現する。
と考えた場合どうでしょう?
私の答えは、聴感上で市販に無い容量のCの値を直列、並列を駆使して費用は掛かりますが、fcの値が1kHzでもズレても残念な音質の結果となります。
最近JBL2405 16Ωをヤフオクで落札して、LE-8THとツィーターを外した409-8Eを切替ながら、その高域補正用に使用していますが、C1個だけのネットワーク回路だけでは限界を感じ、LCの12dB/Octの回路を採用しています。fc=20.5kHzです。
可聴帯域を超えての6dB落ちなので、一般的な20cmのフルレンジであれば、高域の再生能力は16kHz程度なので、2405の音圧が105dBであっても丁度良い音圧でクロスします。
一番良いモニター用のCDは「ジ・エッセンシャル・オブ・ウェザー・リポート」です。
これを、最高に再生できるかでTW用ネットワーク回路が決まります。
あくまでも参考まで。
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