ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

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山本コウタローとウィークエンド「岬めぐり」を聴きながら-臨床の難しさと厳しさに思う

2024年06月08日 | 心理臨床を考える

 2018年のブログです

     *    

 「青春のフォークソングス名曲集」という口にするとちょっとはずかしくなるCDアルバムを聴いていたら、山本コウタローとウィークエンドの「岬めぐり」が聴こえてきて、つい聴き入ってしまいました。

 この歌には思い出があります。辛い思い出です。

 じーじが大学を卒業して、家裁調査官に採用された40数年前、採用後すぐに東京の研修所で同期が全員集まって3か月の研修を受けました。

 昼間は、心理学や精神医学、教育学、社会福祉、法律などの勉強でみっちり(?)、夜は、みんな貧乏だったので、研修所で安いお酒をのんでは、いろいろなことを議論していました。

 そして、酔いがまわってくると、当時はまだカラオケが出てくるまえで、伴奏なしで大声で好きな歌を歌っていました(隣近所から、うるさい、と苦情が来ると、みんな少しだけ小さい声で歌うようにしていました)。

 そんな時に、ある寡黙で気持ちの優しい同期が、この歌をいつも歌っていました。

 この歌が本当に好きらしく、酔うといつも歌っていたのを覚えています。

 そして、研修が終わり、同期は全国に散って、各地で実務の勉強に入りました。

 しばらくして、冬に入った頃、衝撃的な連絡が入りました。

 いつも、「岬めぐり」を歌っていた同期が自殺をしたというのです。

 詳しいことはわかりませんでしたが、仕事のことで悩んでのことだったようです。

 家裁調査官の仕事は、他の臨床の仕事もそうですが、精神的に悩んだり、苦しんだり、おち込んだりする仕事ですので、そういう危険性は常に潜んでいるのですが、それにしてもあの優しい同期が…、とショックでした。

 真面目な人ほど悩み、苦しむ仕事で、なんとか生き延びているじーじなどは、どこかで手を抜いたりしているにちがいありません。

 そんな反省をいつもしています。

 「岬めぐり」を聴くと、いつも笑顔でほほえんでいた、優しい同期の姿を思い出します。

 かれの分まで、泥にまみれてでも生きていきたいと思います。              (2018 記) 

 


コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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コメント、ありがとうございます (どさんこじーじ)
2023-03-16 11:00:48
素敵なコメント、ありがとうございます。
そうですね、音楽というのは思い出とつながっていて、大切なものかもしれないですね。
そういえば、亡くなった弟の好きだったかぐや姫やイルカさんの歌を聴くと、やはり弟との思い出がよみがえってきますね。
そういうことを大切にしていきたいですね。
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初めまして(*´▽`*) (アメリカン・ブルー)
2023-03-16 10:51:26
ブログフォロー、ありがとうございます。
拙いブログですが、どうぞよろしくお願い致します。

山本コウタローとウィークエンドの「岬めぐり」
懐かしく、YouTube探して聴いてしまいました。
この曲が作られたのは、私が大学生になった年だったようで、
当時の狭い部屋での一人暮らしなど想い出すこと多いものです。
ご友人との切ない思い出に重なるそうですが、
音楽は長い年月も遡って、消えることない想いが故人を忘れないご供養になって居るのかと思いました。
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