2020年7月のブログです
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河﨑秋子さんの『颶風(ぐふう)の王』(2018・角川文庫)を読みました。
川﨑さんの本も初めて。
作家の紹介欄に、羊飼い、1979年北海道別海町生まれ、とあります。
どさんこさんですね。
この本も旭川の本屋さんの北海道本のコーナーで見つけました。
すごい物語です。
東北や北海道根室を舞台とした、馬と人の物語。
あらすじはあえて書きませんが、馬と人との交流がきれいごとに終わらずに、描かれます。
物語自体も何代にもわたってすごいものがありますが、そこに内包されているものがすごいとしか言いようがありません。
日本が近代化する中で、捨て去ってきた大切なもの。
声高にそれを叫ぶわけではありませんが、読んでいるとだんだんとこころにしみ込んできます。
あらためて、自然との調和の大切さを感じさせられます。
読後感の心地よい、スケールの大きな良質の物語です。 (2020.7 記)