2023年5月のブログです
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北山修・黒木俊秀さん編著の『語り・物語・精神療法』(2004・日本評論社)を久しぶりに再読する。
2002年の第9回日本語臨床研究会の記録。
日本語臨床研究会は、北山修さんや藤山直樹さんなどが参加されていた精神分析を日本語で研究しようという勉強会で、じーじも何回か参加させてもらったことがあるが、型にとらわれない、自由でなかなか刺激的な研究会だった。
何回目だったかは忘れたが、甲南大学で行われた時に、中井久夫さんが講演をされたが、以前どこかにも書いたが、パワーポイントがお嫌いだという中井さんが、黒板にいっぱい板書をされてお話をされたのが印象的だったのを覚えている。
今回もいろいろなプログラムがのっているが、圧巻なのが神田橋條治さんの症例検討会でも公開スーパーヴィジョン。
すごい!のひと言だ。
若手臨床家の解離の症例を神田橋さんがスーパーヴィジョンをするが、そのていねいな指導ぶりがすばらしい。
治療者が考えたことや連想をしたことをていねいになぞり、それが患者との関係でどんなふうに展開しているのかを、一緒に検討する。
神田橋さんの質問や連想や感想で、治療者の記憶や連想がすごく豊かになっていくさまがすばらしい。
総じて、患者さんの様子をポジティブにとらえていく構えがすごいなあ、と感心させられる。
やはり神田橋さんはただものではない、と思ってしまう。
連休中にいいものを読ませていただいて、とても楽しい連休になった。 (2023.5 記)