ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや訪問カウンセリングなどをやっています。

相田信男『実践・精神分析的精神療法-個人療法そして集団療法』2006・金剛出版-精神科病院での実践に学ぶ

2024年04月04日 | 精神療法に学ぶ

 2020年春のブログです

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 相田信男さんの『実践・精神分析的精神療法-個人療法そして集団療法』(2006・金剛出版)を読みました。

 相田さんは精神科医で群馬県にある精神科病院の院長先生、そして慶応大学医学部の講師、さらに精神分析協会正会員というかた。

 じーじはお名前を知っている程度でしたが(相田さん、ごめんなさい)、去年秋の札幌での精神分析学会の分科会でみっちりとお話をお聞きして、すごいちからのあるかただなと驚きました。

 若手治療者のケース検討会の助言者をされたのですが、お話が的確で正確、かつわかりやすい語りで、本当に勉強になりました。

 そして、その相田さんの本を読んでみたくなり、今回、本書を読みました。

 この本もすごい本で、相田さんは正直に飾りなく、さまざまな事柄を率直に語っていらっしゃいます。

 例によって、印象に残ったことを一つ、二つ。

 まずは、精神科病院での集団療法の実践。

 一見、スタッフと患者さんの普通の話し合いのように見えるのですが、そこで集団療法的な味付けをするのは、その困難さがわたしのような未熟者にも多少ともわかるので、すばらしいなあ、と感嘆させられます。

 できるところから、できることから、集団療法をやっていくという姿勢がすごいです。

 二つめは、夫婦療法の時に、ビデオの電池が切れた際のエピソード。

 それまですごい夫婦喧嘩を展開していたご夫婦が、電池交換の時だけ喧嘩が止まり、ビデオが再びまわり始めると、また激しい夫婦喧嘩が再開した事例をひいて、ビデオと治療者の似た関係を考察されます。

 少し遊びごころもあって、興味深いです。

 さらに、小此木啓吾さんとの対談は、精神分析や集団療法について、わかりやすく語られていて、勉強になります。

 いい指導者といい本に出合えて、幸せだなと思いました。    (2020.4 記) 

 

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坂本直行『雪原の足あと』1965・茗溪堂-直行さんの画文集を姿勢正しく(?)読む

2024年04月04日 | 北海道を読む

 2020年春のブログです

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 坂本直行さんの画文集『雪原の足あと』(1965・茗溪堂)を読む。

 ふだん読書の時は座椅子に寝っ転がって読んでいるので、大きな本は敬遠気味だが(直行さん、ごめんなさい)、今回は姿勢正しく直行さんの大判の本を読む。

 直行さんが原野での開墾生活をやめて、画業一本になってからの本で、山歩きの話や開墾生活の思い出が語られ、それに山や花の絵が添えられている。

 とても贅沢な本で、六花亭の包装紙で有名なきれいな花々や六花の森の売店の絵葉書などでしか見れなかったすばらしい山の絵が、大判の本の中にいっぱいだ。

 見ていると気持ちがすがすがしくなってくる。

 こころが疲れた時などには、ぜひ眺めたいと思う。

 今後は姿勢正しく(?)、直行さんの本を読んでいきたい。    (2020.4 記)

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 2024年春の追記です

 今も直行さんのこの本は、姿勢正しく読みたい、と思っているが、たまには寝っ転がって読んでみたい(?)、ような気もする。

 この本も文庫本で出てくれると、六花亭のおせんべい(そんなのあったかな?)をポリポリかじりながら、寝転んで読めそうだ(!)。

 山渓さん、頑張ってね(?)。  

 と、ここまで書いて、念のため、調べてみたら、去年にもう文庫本が出ていた(直行さん、山渓さん、ごめんなさい)。

 これは買うしかないね(!)。     (2024.4 記)

 

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