ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

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青木省三『思春期こころのいる場所』2016・日本評論社、『ぼくらの中の発達障害』2012・ちくまプリマー新書

2024年04月28日 | 子どもの臨床に学ぶ

 2016年のブログです

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 青木省三さんの『思春期こころのいる場所』(2016・日本評論社)と『ぼくらの中の発達障害』(2012・ちくまプリマー新書)を読みました。

 青木さんのお名前は以前から存じ上げていたのですが、なかなか読む機会がありませんでした(青木さん、ごめんなさい)。

 しかし、先日、このブログでもご紹介をさせていただいた雑誌「こころの科学」の中井久夫さんの特集号で、青木さんの中井さんとの感動的な思い出のお話を読んで、今回、一気に2冊の本を読んでしまいました。

 いずれの本も、ていねいで細やかな、優しい、心配りのいきとどいた診察風景が印象的です。

 青木さんの診察は、発達障碍や統合失調症などといった病名にとらわれずに、患者さんの困っていることや悩んでいることにとことん寄り添い、そこに付き合って、少しずつ、少しずつ、改善に向けていく姿勢が特徴的です。

 同じ病名でも、病状がまったく同じ人はいない、ひとりひとりの病状にていねいに付き合う、という中井さんと同じ発想がそこには見えます。

 そして、スマートな切れ味の鋭さなどといったものとはまったく無縁の、悪く言えば、泥臭く、しかし、なんとなく温かみのある、人間くさい、なんだかホッとするような診察空間が感じられます。

 ここが青木さんの誠実さと実直さの真骨頂ではないでしょうか。

 いい精神科医がいるな、と安心できます。

 もっとも、じーじの舌足らずな解説を読むよりも、青木さんの温かく、しっかりとした文章をぜひ読んでみてください。

 得るところの多い、いい本だと思います。     (2016 記)

 


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