2016年のブログです
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青木省三さんの『思春期こころのいる場所』(2016・日本評論社)と『ぼくらの中の発達障害』(2012・ちくまプリマー新書)を読みました。
青木さんのお名前は以前から存じ上げていたのですが、なかなか読む機会がありませんでした(青木さん、ごめんなさい)。
しかし、先日、このブログでもご紹介をさせていただいた雑誌「こころの科学」の中井久夫さんの特集号で、青木さんの中井さんとの感動的な思い出のお話を読んで、今回、一気に2冊の本を読んでしまいました。
いずれの本も、ていねいで細やかな、優しい、心配りのいきとどいた診察風景が印象的です。
青木さんの診察は、発達障碍や統合失調症などといった病名にとらわれずに、患者さんの困っていることや悩んでいることにとことん寄り添い、そこに付き合って、少しずつ、少しずつ、改善に向けていく姿勢が特徴的です。
同じ病名でも、病状がまったく同じ人はいない、ひとりひとりの病状にていねいに付き合う、という中井さんと同じ発想がそこには見えます。
そして、スマートな切れ味の鋭さなどといったものとはまったく無縁の、悪く言えば、泥臭く、しかし、なんとなく温かみのある、人間くさい、なんだかホッとするような診察空間が感じられます。
ここが青木さんの誠実さと実直さの真骨頂ではないでしょうか。
いい精神科医がいるな、と安心できます。
もっとも、じーじの舌足らずな解説を読むよりも、青木さんの温かく、しっかりとした文章をぜひ読んでみてください。
得るところの多い、いい本だと思います。 (2016 記)
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ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介
経歴
1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。
1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。
1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通う。
1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事する。
1995年頃、調査官でも落ちこぼれ、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。
2014年、定年間際に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。
2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。
仕事 個人開業で、心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを相談、研究しています。
所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会
論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか
住所 新潟市西区
mail yuwa0421family@gmail.com