ココロの居場所

平穏な居場所を求めるべく、日々、感じた事を掲載していきます。

普遍的なテーマ、「おくりびと」

2009-07-26 22:58:21 | 映画
私の住んでいる福岡は、ここのところ記録的な集中豪雨となりました。早く、雨が止むのを祈りつつ、レンタルDVDを静かに観てました。こんな天候にぴったりと言ってようかどうか迷いますが、アカデミー賞外国語映画賞を受賞した「おくりびと」です。「遺体を棺に納める“納棺師”という職業を通して、様々な死と向き合い人生をみつめるヒューマンドラマ。監督は「壬生義士伝」の滝田洋二郎、音楽を久石譲が担当。ひょんなことから納棺師の見習いとなった元チェリストの大悟は、妻の美香には冠婚葬祭の仕事とごまかして働いていた。日々とまどいながらも様々な死と出会い成長していく大悟と、それを見守る美香を本木雅弘と広末涼子が好演。第81回アカデミー賞」(eiga.comより引用)    死というテーマは、日常生活の中では、あまり意識することがなく、できれば避けてとおりたいものです。それはやはり、正直に言って死とは怖いものであるからでしょうか。しかし、誰もが、いつ訪れるかわからない絶対に逃れられないものです。それを真正面から向き合わせてくれるこの映画は、そのテーマの重さに負けず、観てよかったと言わせるものがある、絶賛できる出来栄えです。主演の本木雅弘さんは、この企画に関わっただけあって、納棺師の技の域に達してるかのような名演技でした。そして脇を固める山崎努さんも、熟練された演技で言うことがありません。主演の妻役には広末涼子さんです。重いテーマだけに、このキャスティングも納得。さて、食べるシーンがでてきますが、私たちは生き物の犠牲の上で生きることを享受しているという当たり前のことに気づかされます。それから、この映画には、気になるセリフは全体的にちりばめられているのですが、一つだけ。性同一性障害の子に先立たれた親の言葉が妙に胸に響きました。「当面、ああなってから、あいつの顔をま
ともに見たことがなかったです。だけんど、微笑んでる顔しているのを見て、女の子のかっこしてても、おいの子やのって。...ほんとに、ありがとうございます。」何か、親子の複雑な感情に、自分の心が重なると目から汗が、止まらない、止まらない。...高齢の両親のことも重なって。...この映画は、それぞれの肉親の機微に触れるたびに、心が微妙に動かされる、日本人でないとできない作品だと強く感じました。(久石譲氏の音楽が、素晴らしかったです。) 

eiga.com
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