(村木美月)
〇 残されるものだけが知るかなしみが化石になって地層に眠る
豪華客船・タイタニック号が氷山に衝突して間もなく沈没しようとしている時、選ばれて緊急避難用のボートに乗れる者と乗れない者とに別れるのであるが、ボートが未だタイタニック号から離れていない段階では、ボートに乗れないと決まった者は「残されたもの」では無くて、「残されるもの」でありましょう。
三陸の村が津波に襲われて大勢の人が亡くなってしまったと確認された時、運良く津波に攫われなかった人は「残されるもの」では無くて、「残されたもの」でありましょう。
このようにして、「残されるもの」と「残されたもの」との間には自ずから大きな違いがある。
と言うことは、「残されるものだけが知るかなしみ」と「残されたものだけが知るかなしみ」との間にも大きな違いがあるということでありましょう。
本作の作者・村木美月さんは、こうした違いをほとんど意識しないままに本作をお詠みになったのではありませんか?
その点についての詮索はこの程度にするとして、私はこの作品を、『愛の化石伝説』というタイトルのフランス映画を観ているような感じで読みました。
〔返〕 残された者だけが知る悲しみよ瓦礫と共に東京に行け! 鳥羽省三
残された者だけが知る悲しみよ黄砂となって中国へ飛べ!
残された者だけが知る悲しみは元素と化して故郷を守れ!
(伊倉ほたる)
〇 指に残る背骨をなぞる感触がリアルな夢の深層心理
「リアルな夢の深層心理」とまで言ってしまう必要があったかどうかが問題である?
ご自身の「深層心理」を分析し得たとしても、それはほんの自己満足に過ぎず、短歌作品としては、面白くも可笑しくも無いのではありませんか?
それよりも、もう少し朦朧かつ曖昧な表現にした方が深みのある作品になりましょう。
「彼の指が恥骨をなぞる感触を忘れ得ずしてオフィスに在り」、「指に残る背骨をなぞる感触が恥ずかしそうにパソコン叩く」とか何とか、いろんな詠み方が在るようにも思われるのですが?
このままでは、「本作の作者・伊倉ほたるさん(38歳)は、蒲田の駅前で指圧治療院をお一人で経営なさって居られて、ごくたまに訪れる悪役タレント某の『背骨をなぞる』ことを唯一の楽しみとして侘しい独身生活を過ごしていらっしゃるのでありましょうか?」などと、質の悪い冗談の一つも言いたくなるような駄作と言えましょうか?
〔返〕 未だ残るダイヤの指輪の記憶のみ冬の蛍を支へて居らむ 鳥羽省三
未だ残る尻の明かりの記憶さへ冬の蛍の命の証し
(逢)
〇 やさしさが重なって層になっていき下のやさしさがつぶされていく
塵も積もれば山となり、上層の塵が下層の塵を潰してしまうのでありましょう。
「やさしさ」が幾重にも重なった時、下層の「やさしさ」が上層の「やさしさ」の重みに耐え切れずに「つぶされていく」という現象は、私たちの身の周りに於いてもよく発生する現象である。
〔返〕 怨恨が十重に二十重に層を成し熱く燃え立ちマグマとはなる 鳥羽省三
(富田林薫)
〇 悲しみのアンモナイトの貝殻はやがて地層に抱かれていた
「貝殻」は余分かも知れません。
〔返〕 悲しみのアンモナイトは罅割れて太古の地層に抱かれて居た 鳥羽省三
(本間紫織)
〇 より一層強く感じる八月の汗とあなたと花火のにおい
「八月」は性のマグマが沸騰し爆発する季節でありますから、「汗とあなたと花火のにおい」に猛り狂った、本作の作者・本間紫織さんの性も亦、お名前に相応しくなく乱脈を極めるのでありましょう。
〔返〕 しおらしさかなぐり捨てて乱れんか彼と花火の匂いに狂い 鳥羽省三
(晴流奏)
〇 化粧水角質層へ染み込ませ今より君に見つめられたい
高級な「化粧水」を「角質層」へたっぷりと「染み込ませ」、「今より」以上にもっともっともっと「君に見つめられたい」ということでありましょう。
だが、「化粧水」の乱用は肌の衰えを促進するばかりでなく、血行を悪くし、内臓の機能を極度に低下させますから、よくよくご注意なさって下さい。
〔返〕 オーデコロン剥げた頭に振り掛けて「いざ、鎌倉!」と出陣せしも 鳥羽省三
(飫肥正)
〇 幾層も連なるしらべ追ううちに混沌としてバッハのフーガ
飫肥正さんの仰る通りの境地で眠ろうとして、私も毎晩、一種の就眠儀式のようにして「バッハ」のオルガン曲『トッカータとフーガ・ニ短調』を流しながらベッドに入って居りますが、その効果たるや絶大なものがありまして、今では、他の曲では眠りに就くことが出来なくなってしまいました。
〔返〕 追っ駈ける音に重なる音と音 J・S・バッハの『トッカータとフーガ・ニ短調』 鳥羽省三
(月原真幸)
〇 壜詰めの成層圏という説をくつがえさない三ツ矢サイダー
「しゅるしゅると立っては、パチッと消えて行く『三ツ矢サイダー』の泡が、希薄で爽やかな『成層圏』の空気を感じさせる」という趣旨のCMが、かつて放映されていたのでありましょうか?
〔返〕 瓶詰めの成層圏への誘いに朝晩欠かさず三ツ矢サイダー 鳥羽省三
(佐藤紀子)
〇 ひつそりと時間の層に埋まりゆく逢ひしあの日も別れし時も
失恋にしろ、得恋にしろ、恋をしていた過去の日々の思い出が、「ひつそりと」堆積して行く「時間の層」の中に「埋まりゆく」という発想の作品は、結社誌を見ても新聞歌壇の入選作を見ても腐臭が立ち込めるほど沢山在りますから、今更、佐藤紀子さんの頗る優れた頭脳を悩ませる必要は少しも無いかと存じます。
こんな有り触れた歌境でご満足なさって居られる佐藤紀子さんとも思えませんが?
〔返〕 逢ひし日も別れて住む日も尚更に君に貸したるあの一万円 鳥羽省三
(我妻俊樹)
〇 あの青い高層ビルの天井の数をかぞえてきたらさわって
「あの青い高層ビルの天井の数」となって居りますが、もしかしたら、「あの青い高層ビルの天丼の数」の間違いではありませんか?
「天井の数」は、数えようとしても適当な序数詞が在りませんから数えようがありません。
それに比べて、「天丼の数」の場合は、「一杯、二杯、三杯」と、どんなに数が多くても数えることが可能です。
また、「あの青い高層ビル」のオフィスに配達された「天丼の数」を数えるくらいの奇特な男性だったら、少しぐらい「さわって」やっても決して損にはならないでしょう。
〔返〕 あの青い高層ビルの秘書課まで大盛り天丼配達してね 鳥羽省三
天丼の数を数えるデリバリーに触ったことを覚えてる指
(今泉洋子)
〇 何層も塗り重ねたる化粧を落としてやつとわれに戻れり
三句目のリズムの乱れがあまりにも惜しまれます。
いっそのこと「何層も塗り重ねたる若化粧落としてやつと我に戻れり」となさったらいかがでありましょうか?
〔返〕 何層も塗り重ねたる白壁の奥の御殿の化け猫騒動 鳥羽省三
厚化粧落としてやっと清算すやつと我との昏い関係
(奈良絵里子)
〇 カフェオレの白と茶色の層のとこ 混ぜつつ話す好きな場所とか
何と幼稚で他愛なくあどけない表現でありましょうか、この幼稚で他愛なくあどけない表現が、本作の魅力の全てでありましょう。
〔返〕 Tシャツの白とピンクを交互に着 君に話そう痒いとことか 鳥羽省三
これからはおれの気質の悪いとこ直すとかする短気なとこも
(きたぱらあさみ)
〇 壊れてるのは君だろうオゾン層みたいに淡いブラウスを着て
福島第一原発のメルトダウン騒動の影響に因ってなのか、「オゾン層」破壊の話題も、マスコミの表面から消えてしまったような感じである。
もしかしたら、この状態が健全かつ正常な状態ではないか、とも思われます。
ところで、「オゾン層」の問題は、「淡い」淡くないのレベルの問題では無くて、「壊れて」しまってぽっかりと穴が開いている、といったレベルの問題では無かったのですか?
〔返〕 唐変木は君だろう金も無いのに煙草プカプカ煙吐いてて 鳥羽省三
(なぎ)
〇 生ぬるい君の階層構造のどの辺りまで到達してる?
「生ぬるい君の階層構造」と言っただけでもリアルなのに、「どの辺りまで到達してる」とまで言われてしまったら、あまりにもリアルなので腰を抜かしてしまいそうな気分です。
〔返〕 生ぬるい君の感触わたくしのどの辺りまで到達してる? 鳥羽省三
(豆野ふく)
〇 薄鼠の乱層雲が邪魔をして君が見えない七月七日
天の川の上空に「薄鼠の乱層雲」が立ち込めたのでありましょうか?
〔返〕 薄鼠の乱層雲を乗り越えて彼と彼女は逢えたのでしょうか? 鳥羽省三
(鳥羽省三)
〇 百層倍越中富山の萬金丹 丹下キヨ子の天狗懐かし
「越中富山の萬金丹」が置き薬として我が家の薬棚に置かれていた頃、あの「丹下キヨ子の天狗」姿が話題となっていたというだけの関係で以って、「丹下キヨ子の天狗懐かし」などと言ってしまったのは、余りにも安易な発想でありましょう。
〔返〕 富山ではお杓文字振っての米騒動 萬金丹に蜃気楼かも 鳥羽省三
〇 残されるものだけが知るかなしみが化石になって地層に眠る
豪華客船・タイタニック号が氷山に衝突して間もなく沈没しようとしている時、選ばれて緊急避難用のボートに乗れる者と乗れない者とに別れるのであるが、ボートが未だタイタニック号から離れていない段階では、ボートに乗れないと決まった者は「残されたもの」では無くて、「残されるもの」でありましょう。
三陸の村が津波に襲われて大勢の人が亡くなってしまったと確認された時、運良く津波に攫われなかった人は「残されるもの」では無くて、「残されたもの」でありましょう。
このようにして、「残されるもの」と「残されたもの」との間には自ずから大きな違いがある。
と言うことは、「残されるものだけが知るかなしみ」と「残されたものだけが知るかなしみ」との間にも大きな違いがあるということでありましょう。
本作の作者・村木美月さんは、こうした違いをほとんど意識しないままに本作をお詠みになったのではありませんか?
その点についての詮索はこの程度にするとして、私はこの作品を、『愛の化石伝説』というタイトルのフランス映画を観ているような感じで読みました。
〔返〕 残された者だけが知る悲しみよ瓦礫と共に東京に行け! 鳥羽省三
残された者だけが知る悲しみよ黄砂となって中国へ飛べ!
残された者だけが知る悲しみは元素と化して故郷を守れ!
(伊倉ほたる)
〇 指に残る背骨をなぞる感触がリアルな夢の深層心理
「リアルな夢の深層心理」とまで言ってしまう必要があったかどうかが問題である?
ご自身の「深層心理」を分析し得たとしても、それはほんの自己満足に過ぎず、短歌作品としては、面白くも可笑しくも無いのではありませんか?
それよりも、もう少し朦朧かつ曖昧な表現にした方が深みのある作品になりましょう。
「彼の指が恥骨をなぞる感触を忘れ得ずしてオフィスに在り」、「指に残る背骨をなぞる感触が恥ずかしそうにパソコン叩く」とか何とか、いろんな詠み方が在るようにも思われるのですが?
このままでは、「本作の作者・伊倉ほたるさん(38歳)は、蒲田の駅前で指圧治療院をお一人で経営なさって居られて、ごくたまに訪れる悪役タレント某の『背骨をなぞる』ことを唯一の楽しみとして侘しい独身生活を過ごしていらっしゃるのでありましょうか?」などと、質の悪い冗談の一つも言いたくなるような駄作と言えましょうか?
〔返〕 未だ残るダイヤの指輪の記憶のみ冬の蛍を支へて居らむ 鳥羽省三
未だ残る尻の明かりの記憶さへ冬の蛍の命の証し
(逢)
〇 やさしさが重なって層になっていき下のやさしさがつぶされていく
塵も積もれば山となり、上層の塵が下層の塵を潰してしまうのでありましょう。
「やさしさ」が幾重にも重なった時、下層の「やさしさ」が上層の「やさしさ」の重みに耐え切れずに「つぶされていく」という現象は、私たちの身の周りに於いてもよく発生する現象である。
〔返〕 怨恨が十重に二十重に層を成し熱く燃え立ちマグマとはなる 鳥羽省三
(富田林薫)
〇 悲しみのアンモナイトの貝殻はやがて地層に抱かれていた
「貝殻」は余分かも知れません。
〔返〕 悲しみのアンモナイトは罅割れて太古の地層に抱かれて居た 鳥羽省三
(本間紫織)
〇 より一層強く感じる八月の汗とあなたと花火のにおい
「八月」は性のマグマが沸騰し爆発する季節でありますから、「汗とあなたと花火のにおい」に猛り狂った、本作の作者・本間紫織さんの性も亦、お名前に相応しくなく乱脈を極めるのでありましょう。
〔返〕 しおらしさかなぐり捨てて乱れんか彼と花火の匂いに狂い 鳥羽省三
(晴流奏)
〇 化粧水角質層へ染み込ませ今より君に見つめられたい
高級な「化粧水」を「角質層」へたっぷりと「染み込ませ」、「今より」以上にもっともっともっと「君に見つめられたい」ということでありましょう。
だが、「化粧水」の乱用は肌の衰えを促進するばかりでなく、血行を悪くし、内臓の機能を極度に低下させますから、よくよくご注意なさって下さい。
〔返〕 オーデコロン剥げた頭に振り掛けて「いざ、鎌倉!」と出陣せしも 鳥羽省三
(飫肥正)
〇 幾層も連なるしらべ追ううちに混沌としてバッハのフーガ
飫肥正さんの仰る通りの境地で眠ろうとして、私も毎晩、一種の就眠儀式のようにして「バッハ」のオルガン曲『トッカータとフーガ・ニ短調』を流しながらベッドに入って居りますが、その効果たるや絶大なものがありまして、今では、他の曲では眠りに就くことが出来なくなってしまいました。
〔返〕 追っ駈ける音に重なる音と音 J・S・バッハの『トッカータとフーガ・ニ短調』 鳥羽省三
(月原真幸)
〇 壜詰めの成層圏という説をくつがえさない三ツ矢サイダー
「しゅるしゅると立っては、パチッと消えて行く『三ツ矢サイダー』の泡が、希薄で爽やかな『成層圏』の空気を感じさせる」という趣旨のCMが、かつて放映されていたのでありましょうか?
〔返〕 瓶詰めの成層圏への誘いに朝晩欠かさず三ツ矢サイダー 鳥羽省三
(佐藤紀子)
〇 ひつそりと時間の層に埋まりゆく逢ひしあの日も別れし時も
失恋にしろ、得恋にしろ、恋をしていた過去の日々の思い出が、「ひつそりと」堆積して行く「時間の層」の中に「埋まりゆく」という発想の作品は、結社誌を見ても新聞歌壇の入選作を見ても腐臭が立ち込めるほど沢山在りますから、今更、佐藤紀子さんの頗る優れた頭脳を悩ませる必要は少しも無いかと存じます。
こんな有り触れた歌境でご満足なさって居られる佐藤紀子さんとも思えませんが?
〔返〕 逢ひし日も別れて住む日も尚更に君に貸したるあの一万円 鳥羽省三
(我妻俊樹)
〇 あの青い高層ビルの天井の数をかぞえてきたらさわって
「あの青い高層ビルの天井の数」となって居りますが、もしかしたら、「あの青い高層ビルの天丼の数」の間違いではありませんか?
「天井の数」は、数えようとしても適当な序数詞が在りませんから数えようがありません。
それに比べて、「天丼の数」の場合は、「一杯、二杯、三杯」と、どんなに数が多くても数えることが可能です。
また、「あの青い高層ビル」のオフィスに配達された「天丼の数」を数えるくらいの奇特な男性だったら、少しぐらい「さわって」やっても決して損にはならないでしょう。
〔返〕 あの青い高層ビルの秘書課まで大盛り天丼配達してね 鳥羽省三
天丼の数を数えるデリバリーに触ったことを覚えてる指
(今泉洋子)
〇 何層も塗り重ねたる化粧を落としてやつとわれに戻れり
三句目のリズムの乱れがあまりにも惜しまれます。
いっそのこと「何層も塗り重ねたる若化粧落としてやつと我に戻れり」となさったらいかがでありましょうか?
〔返〕 何層も塗り重ねたる白壁の奥の御殿の化け猫騒動 鳥羽省三
厚化粧落としてやっと清算すやつと我との昏い関係
(奈良絵里子)
〇 カフェオレの白と茶色の層のとこ 混ぜつつ話す好きな場所とか
何と幼稚で他愛なくあどけない表現でありましょうか、この幼稚で他愛なくあどけない表現が、本作の魅力の全てでありましょう。
〔返〕 Tシャツの白とピンクを交互に着 君に話そう痒いとことか 鳥羽省三
これからはおれの気質の悪いとこ直すとかする短気なとこも
(きたぱらあさみ)
〇 壊れてるのは君だろうオゾン層みたいに淡いブラウスを着て
福島第一原発のメルトダウン騒動の影響に因ってなのか、「オゾン層」破壊の話題も、マスコミの表面から消えてしまったような感じである。
もしかしたら、この状態が健全かつ正常な状態ではないか、とも思われます。
ところで、「オゾン層」の問題は、「淡い」淡くないのレベルの問題では無くて、「壊れて」しまってぽっかりと穴が開いている、といったレベルの問題では無かったのですか?
〔返〕 唐変木は君だろう金も無いのに煙草プカプカ煙吐いてて 鳥羽省三
(なぎ)
〇 生ぬるい君の階層構造のどの辺りまで到達してる?
「生ぬるい君の階層構造」と言っただけでもリアルなのに、「どの辺りまで到達してる」とまで言われてしまったら、あまりにもリアルなので腰を抜かしてしまいそうな気分です。
〔返〕 生ぬるい君の感触わたくしのどの辺りまで到達してる? 鳥羽省三
(豆野ふく)
〇 薄鼠の乱層雲が邪魔をして君が見えない七月七日
天の川の上空に「薄鼠の乱層雲」が立ち込めたのでありましょうか?
〔返〕 薄鼠の乱層雲を乗り越えて彼と彼女は逢えたのでしょうか? 鳥羽省三
(鳥羽省三)
〇 百層倍越中富山の萬金丹 丹下キヨ子の天狗懐かし
「越中富山の萬金丹」が置き薬として我が家の薬棚に置かれていた頃、あの「丹下キヨ子の天狗」姿が話題となっていたというだけの関係で以って、「丹下キヨ子の天狗懐かし」などと言ってしまったのは、余りにも安易な発想でありましょう。
〔返〕 富山ではお杓文字振っての米騒動 萬金丹に蜃気楼かも 鳥羽省三