ただ生きるのではなく、よく生きる

自然の法則をとらえ、善(よ)く生きるために役に立つ情報を探して考えてみる

宇宙が人間をおしつぶすときも、人間は彼を殺すものよりも高貴で あろう──パスカル

2016-07-14 18:18:42 | 知恵の情報
人間は一本の葦にすぎない。自然のうちで最も弱い葦にすぎない。
しかし、それは考える葦である。これをおしつぶすのに宇宙全体が武装する
必要はない。ひとつの毒気、一滴の水も、これを殺すに十分である。
しかし、宇宙が人間をおしつぶすときも、人間は彼を殺すものよりも高貴で
あろう。なぜなら、人間は自分が死ぬことを、宇宙が力において自分にまさる
ことを、知っているからである。宇宙はそれを知らない。だから、われわれの
品位はひとしく、考えるということにある。・・・それゆえよく考えることに
努めよう。そこに道徳の原理があるのだ。(パンセ)

─パスカル(1623~1662)フランスの哲学者。人間存在の矛盾を解決
 しうるものはキリスト教のみと覚って、学問を捨てて修道院に入った。
 実存主義の祖とされる。
 『一日一言 -人間の知恵ー』桑原武夫著 岩波新書より

この世がすべて自然法則の中に収められている。それを知りえるのは
人間のように進化した生物だけだろう。また、同じように進化した宇宙人にも
同じレベルのものがいるにちがいない・・・
自分の限界を知りながらそれについて考えることができる。相当のレベル
まで人間は進化しているのだろう。しかし、共存共栄の厳粛さを生きる
基本にすべきなのだ、という自覚までは、至っていない。
至っていれば、地球上の争いや、自然破壊などはないはずであるから。
ここでは、パスカルは一つの提起をしていると思う。
人間は自然法則に従わなければならないが、ただ従っているだけでなく、
考えることができる、といっているのだ。それは、限界を感じながらも
まだ、自然法則について考えつづけていけるということである。
どうとらえて、どう利用していくか、それは、無限の工夫ができるはずだ。
自然法則に支配されていると思っているだけでは、人間の発達してきた
意義がなくなるとイデア界のある方は、そうアドバイスしている・・・





(エル・ビルナビルカンタルーネ─イエス・キリスト─パスカル─ホイヘンス/
 アンドレ・ジイド)

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