ただ生きるのではなく、よく生きる

自然の法則をとらえ、善(よ)く生きるために役に立つ情報を探して考えてみる

好意を素直に受けることを学ぶ

2016-05-01 18:31:50 | 知恵の情報
世界的ピアニストのパデレフスキーがアメリカで公演していたころのある日、ボストンの
停車場で汽車をまち合わせていた。そこへ靴磨きの少年がやってきて、パデレフスキー
に靴を磨かせてくれ、という。
少年は目のくりくりした可愛らしい顔をしていたが、頬には靴墨がついてひどく
汚れていた。

「靴は磨かなくてもよいが、お前の顔をみがいてもらおう。きれいに顔を洗ってきなさい、
そうすれば、この銀貨をあげる。」
と、パデレフスキーは、言った。

少年は、意外なことばにとまどったが、うなずくと去り、やがて、見違えるような
きれいな顔になって現れた。そして、約束どおり、銀貨をもらった。
だが、少年は、すぐさまそれを返して、

「だんな、この銀貨はあげる、これでそのきたならしい髪を刈ってください。」
といって去った。

パデレフスキーは苦笑しながら、その帽子からはみ出た長髪をなで、少年の厚意を
無にしないよう床屋へいった。

人の好意を受けることを学ぶことです。そうすれば、誰でもずっと楽しくなれます。


「衆生」とは山川草木などのあらゆる自然物や人間関係のことで、そこには何一つ
それだけで生存できるものはない。たとえば、農家で米麦は作るが農機具は
買わねばならない、というように、生活物資のすべてから、職場のはたらきに至る
まで、自分だけの力でできるものは一つもない。まさしく、「衆生の恩の賜物」である。
この衆生の恩を意識できるとき自分自身が向上するのだろう。

注:好意=親切・親愛感・相手のためになるように考えるあたたかい心
  厚意=思いやり{他人の行為}

─『一日一言 人生日記』古谷綱武編 光文書院 参照・参考

最新の画像もっと見る

コメントを投稿