心理学の本(仮題)

【職場に】心理学書編集研究会(略称:心編研)による臨床心理学・精神医学関連書籍のブックレヴュー【内緒♪】

【タイトル後半】発達とはなにか,進化とはなんだろうか,生命とは,宇宙とはPART1【特に触れず】

2006-04-27 14:17:06 | 基礎心理
 レンガで殴るぞ,このギバが~♪キバではないんだ,ギバなんだ~♪ と曇り空眺めながら,口ずさむ今日この頃のワタクシ。いっときますが,かなり疲れてます。むしろ憑かれてます。もうBomb! Clap! BANG! BANG! BANG! とキレなんてまったくねえなって感じですけど,まあいいや。とっととやっちまおう。ヤッヂマイナ!(古ッ)。

 さて,発達です。一応能書きはいろいろ考えてみたものの,なんか中途半端に語っても仕方ないなつう気がして,最低限シリーズの狙いだけ,明確にしとこうと思います。

 「発達」には,それを「心」と言い換えても良い訳ですが,3つの側面があるといえますね。すなわち,知情意,これを認知・感情・行動と言い換えてもいいかもしれないし,学習・社会・遺伝と言い換えてもいいかもしれないし,心理・社会・生物とも,あるいは発達心理学・臨床心理学・進化心理学と言い換えてもいいかもしれない。もちろん,これでバッサリ分かれるわけでもなく,相互に関係しあってるのはいうまでもないんですが,だからこの分類はあくまで,ただ「発達」というのが,共鳴し合うところはあるにせよ,個々に微妙に異なるニュアンスをもって捉えられていることだけは疑いがない,ということにすぎないわけです。要は,ひとつの現象に対して,3つの見方を想定した上で,その出版状況を概略する,ということですかな。

 とはいえ,このシリーズがどこに行き着くのかは,正直,わからない。書くの大変だから,月イチくらいで,のんびりやろまいかと思っとりますよ。それでは,イッテミヨ,ヤッテミヨ。



発達心理学―キーワードコレクション発達心理学―キーワードコレクション
安藤 寿康 (著), 岡本 祐子 (著), 下山 晴彦 (著), 遠藤 利彦 (著), 河合 優年 (著), 子安 増生 (編集), 二宮 克美 (編集)

新曜社 2004-04
売り上げランキング : 19,772

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 これはなかなかいい本です。まあなんていうかな,言うなれば,キーワードを集めたもの,すなわちキーワードコレクションというべきかな……え? サブタイトルに入ってるって? いいンだよ,こまけえことは!
 ま,さてさて,教科書的か,すなわち体系的な知識が得られるか? と言われると,微妙にきついかもしれない。そういう意味では「非ポリフォニック」です。さりとてさりとて,このバランスをよくぞ体現したと,賞賛を述べるに吝かでNIGHT。このずらっと並んだ,編著者の名前を見るだけでも,それは伝わるんじゃないかな。さて,ここでクイズです。Ⅰ章が「発達心理学の研究法」とあるんですが,一番最初に来るのはなんでしょうか?………………答えは「インフォームドコンセント」なんですよ! しびれますよね。精神分析理論から発達心理学,進化心理学まで,50のキーワードで「発達」を概観します。これ,受験用なのかもしれないけど,その志の高さをホント評価したいんです。
 


発達とはなにか発達とはなにか
永野 重史

東京大学出版会 2001-06
売り上げランキング : 74,105

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 一言でいうと,いわゆる「発達心理学」のハイブリッド現在進行形,という感じでしょうか。アカデミックな発達心理学がこの方向で動いてることは疑いがないです。そういう意味では「偏っている」けど「偏っていないとここまでは到達できない」と思います。そして,ここまで到達してからじゃないと,他領域との対話も意味を成さない,とすると,やはり素晴らしい達成かなという気がしますね。ただ,ここからの「他との対話」こそが,本当のキモになるわけですけどね。



進化とはなんだろうか進化とはなんだろうか
長谷川 真理子

岩波書店 1999-06
売り上げランキング : 38,385

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 いきなり進化心理学の話でもいいかなと思ったんですが,心理学の方がたには若干なじみがないことを考慮して,基本ということでこれ。なんで「発達」なのに「進化」が出てくるの? と思う人はいると思いますけど,そういう人にひとつだけ言っとくと「進化論以前」には「発達」という発想は「ありませんでした」ということだけ言っときましょう。そういう意味で,ザラっとでもそもそもを理解しといた方がいいと思うし,その点,これは値段的にも内容的にも,お手ごろ観があるのでオススメです。しかし内容は凡百の解説書など足元にもおよびませんぞ。こういうすごい先生が日本にもいるのですよ。



赤ちゃんはどこまで人間なのか 心の理解の起源赤ちゃんはどこまで人間なのか 心の理解の起源
ポール・ブルーム 春日井 晶子

ランダムハウス講談社 2006-02-09
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 ま「進化」だけだとなんなんで,上記長谷川眞理子先生が解説を書いてるこれを紹介しておきましょうか。ま,ある種,On Becoming a Personですね。進化心理学的な立脚点を持った,というと生物学的なものをついつい想像してしまいますが,さにあらず。進化心理学を元に,フィロソフィリまくりです。うんすごいね,これ。科学読み物はこうでなくてはという,ひとつの良いお手本ですね。



精神分析的発達論の統合 (1)精神分析的発達論の統合 (1)
P.タイソン R.L.タイソン 馬場 礼子

岩崎学術出版社 2005-12
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 まあ臨床心理学というか心理臨床というか,そういう場で「発達」というと,ウィニコット,ボウルビィ,エリクソン,マーラー,ブロスあたりが「主流」な感じと思うのですが,この中ではシリーズの文脈としては,分析とエソロジーを統合させて発達心理学に大きな影響を与えた「ボウルビィ」を挙げようかなと思いつつ,今さら過ぎる気がして,これにしました。
 もちろんこの本,「(精神分析的)発達理論の統合」が最大の眼目なんですが,さすが現代アメリカの精神分析。第二のボウルビィとでも言わんばかりに,一般心理学の知見および生物学的知見も取り込んで,肉付けします。精神分析という立脚点から,臨床をにらみつつ,「統合」していく感じは,理論のための理論のような空虚さはありません。


 とまあ,以上がその代表だというつもりはなく,これから個々にその展開を見ていくつもりの,そのとっかかりとして考えて頂ければ幸甚だゾ~。まあ生暖かく(人肌で)見守って頂ければ幸甚だゾ~(オイ,二回言っちゃったよ)。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿