コメントもらったのが,ついこの間のように思いますが,神田橋條治・溝口純二訳のMMギル『転移分析―理論と技法』をサラッと(サラダの国のトマト姫の略)ね,やろうと思いきや,いろいろひっかかりつつ,やっぱりサラッと参りたいと思いつつ,
どうやら出た模様です。読んだ方は当然気づくと思いますが,日本語としてのこなれ度はとても低く,オリジナルだと,こなれた文章どころか,重層的でかつ読みやすい文章で知られる神田橋先生がなぜかというと,これすなわち,「原典に当たれ」というメタメッセージなんではないかと(勝手に)思ってます。俗っぽく言えば「理系」的な訳ですな。
でももしあなたが,こっちを読もうと思うなら,よきリファレンスとなるのは,明らかに,神田橋式の訳文だと思います。だって,構造が同じなんだもん。変換する手間が省けます。
さて,ギルといえば,現代の精神分析ならびに精神療法への影響が結構大きいにもかかわらず,なんかマイナーな印象があるのですが,その特長をズバリ(乱暴に)まとめると,①「一者心理学から二者心理学へ」の精神療法パラダイムの変換,および②「いま,ここ」の重視と,いうことになります。でもこれって,もはや精神分析だけの話じゃないんですよね……。
ちゅうことで,以前も紹介してますが,こんなの出てます。なんかこれに限らず,精神分析「内」よりも「外」で人気があるような感じがしますね,ギル。
またちょっと書籍で示せないのですが,ギルさん,実証研究等への関心もたいへん高かったそうです。となると,従来の精神分析の理論の構築のしていきかたでは満足できないってことで,
フロイト再評価に着手するわけです。方向性は違うけど,ロイ・シェイファーに負けず劣らずの過激な理論家としてのギルの一端が垣間見えます。それでも精神分析は好きなのね。
それから,実は,上記の『転移分析―理論と技法』は続刊があるのですが……。
それがこれ。アーウィン・ホフマンさんという人と共著です。このコンビ,また別方向に過激で,Social Constructivismと精神分析の合体技,マッスルドッキングならぬ,(社会)構成主義的(あるいは弁証法的)精神分析つうのをブチ上げちゃったりしてます。アーウィン・ホフマン,誰だソレって感じですが,
第1部第7章がまるごと,ホフマンの解説になってます。興味のある方はどうぞ。
なんか全然サラッとしてない。ギル,三変化って感じですね。最近,ネタ切れ気味なんだから,明日やればよかったなあなんて。まあそれはさておき,アメリカらしいといえばとてもアメリカらしい精神分析家ですよね,ギルってばさあ。
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どうやら出た模様です。読んだ方は当然気づくと思いますが,日本語としてのこなれ度はとても低く,オリジナルだと,こなれた文章どころか,重層的でかつ読みやすい文章で知られる神田橋先生がなぜかというと,これすなわち,「原典に当たれ」というメタメッセージなんではないかと(勝手に)思ってます。俗っぽく言えば「理系」的な訳ですな。
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でももしあなたが,こっちを読もうと思うなら,よきリファレンスとなるのは,明らかに,神田橋式の訳文だと思います。だって,構造が同じなんだもん。変換する手間が省けます。
さて,ギルといえば,現代の精神分析ならびに精神療法への影響が結構大きいにもかかわらず,なんかマイナーな印象があるのですが,その特長をズバリ(乱暴に)まとめると,①「一者心理学から二者心理学へ」の精神療法パラダイムの変換,および②「いま,ここ」の重視と,いうことになります。でもこれって,もはや精神分析だけの話じゃないんですよね……。
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ちゅうことで,以前も紹介してますが,こんなの出てます。なんかこれに限らず,精神分析「内」よりも「外」で人気があるような感じがしますね,ギル。
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フロイト再評価に着手するわけです。方向性は違うけど,ロイ・シェイファーに負けず劣らずの過激な理論家としてのギルの一端が垣間見えます。それでも精神分析は好きなのね。
それから,実は,上記の『転移分析―理論と技法』は続刊があるのですが……。
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それがこれ。アーウィン・ホフマンさんという人と共著です。このコンビ,また別方向に過激で,Social Constructivismと精神分析の合体技,マッスルドッキングならぬ,(社会)構成主義的(あるいは弁証法的)精神分析つうのをブチ上げちゃったりしてます。アーウィン・ホフマン,誰だソレって感じですが,
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第1部第7章がまるごと,ホフマンの解説になってます。興味のある方はどうぞ。
なんか全然サラッとしてない。ギル,三変化って感じですね。最近,ネタ切れ気味なんだから,明日やればよかったなあなんて。まあそれはさておき,アメリカらしいといえばとてもアメリカらしい精神分析家ですよね,ギルってばさあ。
P.Wachtelの「心理両方の統合」(金剛出版)という本に,Gillの理論を比較的わかりやすく解説した箇所があります。たしかにGillの理論は,一者心理学から二者心理学へへの転換を明確化する上での重要な考察です。
書名が違っていました。
「心理療法の統合を求めて」
です。
ふたたびコメントありがとうございます!
心理療法の統合を求めて―精神分析・行動療法・家族療法
ポール ワクテル (著), 杉原 保史 (翻訳)
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ナイス情報です! なるほど,家族療法にもつながっていく流れは(素人的にも)見出せそうですね。是非読んでみたいと思います。
またナイスな情報あったら是非ヨロシクです。
はじめまして。コメント&TBありがとうございます!
ギルのは,ラッカー,ヤコービなどと並ぶ,転移関連の基礎文献ですが,「粘着」,確かにw
貴ブログ,とても興味深い内容を含んでいると思い,ブックマークに入れさせて頂きましたが,不都合ありましたら仰ってください。これからゆっくり読ませて頂こうと思います。