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地域移行支援サービス費の新設

2012年02月08日 13時01分13秒 | 精神保健福祉情報

2012年1月31日、「地域移行支援サービス費」が明らかになりました。
障害福祉サービス等報酬改定検討チームの、第9回検討会で示されたものです。

精神障害者地域移行・地域定着支援事業は、来年度から個別給付化されます。
具体的な、その報酬単価がどうなるか、注目されていました。

今回の新設報酬の特徴は、出来高払いでなく包括払いを採用したことですね。
1回の働きかけや訪問を個別に評価するのではなく、あくまでも「月額まるめ方式」。

毎月定額で支払われる報酬単価については、次のように記されています。
「現行の補助事業において自治体が設定している補助単価の例を参考に設定する」

つまり、これまでの事業で、自治体が事業所にいくら支払っていたかを参考にすると。
委託事業費を、業務の所要時間で割った人件費という考え方ですね。

新設される「地域移行支援サービス費(仮称)」の報酬単位に沿って、
今後、新年度からこの事業に取り組んだ場合の収入を計算してみると…、

★支援開始月は、3900単位?(月額39000円~)
サービス利用支援:1600単位+地域移行支援サービス費:2300単位

★2カ月目以降は、3600単位(月額36000円~)
継続サービス利用支援:1300単位+地域移行支援サービス費:2300単位
 
…ということになるのでしょうか?
あくまでもサービス利用計画作成と、同一事業所で行う場合ですが。

★退院月は、これに退院・退所月加算2700単位(月額27000円~)が上乗せ
★集中支援を要した月は、集中支援加算500単位(月額5000円~)が上乗せ

…と言うことになりますね。
ただし「集中的な訪問支援」や「月6回以上の支援」の中身は、未だ不明です。

★体験利用を行った日は、障害福祉サービス事業の体験利用加算300単位(3000円~)
★体験宿泊を行った日は、体験宿泊加算300単位(3000円~)か700単位(7000円~)

…が、日額で加算されると。
ただし、体験宿泊は開始から3ヶ月以内で、15日までと上限があります。

★地域定着支援サービス費[体制確保分]  300単位(月額3000円~)
★地域定着支援サービス費[緊急時支援分] 700単位(日額7000円~)

地域定着支援については、在宅生活のモニターが中心で月額包括払いを設定した上で、
緊急時出動した場合に、1日単位で出来高払いと言うことですね。

問題は、これらの単価が「適切」といえるかどうかの評価になりますが。
現場の事業所の方による実感と、経営の視点での計算を、ぜひお聞きしてみたいです。

明日,東京で開催される「被保護者退院促進事業研修会」でも、議論になるでしょうね。
明後日、僕たちが主催する「地域移行支援実践セミナー」でも、少し取り上げたく思います。

(「実践セミナー」については、既に120名を超えるお申し込みを頂いていますが、
当日参加申し込みも受け付ける予定ですので、どうぞご参加ください)

なお、1単位の単価設定については、事業や地域によって、大きく異なります。
記事に記した「1単位=10円」は、現行の丙地(上乗せ0%)の単価とご理解下さい。

地域区分も、現行5区分(特別区~丙地)から7区分(1級地~6級地、その他)に、
各区分単価も2015年度までの激変緩和経過措置により、毎年度変わっていきます。

また、「報酬改定の概要(案)」は、以下に貼り付けてあるので、ご覧下さい。
あくまでも、抜粋・要約版ですので、詳細は厚生労働省のホームページでご確認下さい。


☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★


障害福祉サービス等報酬改定検討チーム
「平成24年度障害福祉サービス等報酬改定の概要(案)」
(抜粋・一部改変要約)

2.相談支援

(1)計画相談支援・障害児相談支援

(評価体系)
○ 基本報酬については、介護保険制度の居宅介護支援費との均衡を考慮して設定されている現行のサービス利用計画作成費の基本報酬を踏まえて設定する。
その際、現行の特定事業所加算の算定要件は市町村の委託要件等を除き指定要件に組み入れられることを踏まえ、特定事業所加算分を基本報酬に組み入れて、報酬単価を引き上げる。

○ 新規利用開始時や支給決定の変更時の計画作成については、介護保険制度の初回加算を参考として、基本報酬を上乗せする。

●計画相談支援の報酬体系【新設】
サービス利用支援   1600単位/月
継続サービス利用支援 1300単位/月
特別地域加算     +15/100
利用者負担上限額加算 150単位/月

(その他)
○介護保険制度のケアプランが作成されている利用者に障害福祉のサービス等利用計画の作成を求める場合であって同一の者が作成を担当する場合には、利用者のアセスメントやモニタリング等の業務が一体的に行われるため、報酬上、所用の調整を行う。

●計画相談支援と介護保険の居宅介護支援等との調整【新設】
サービス利用支援
[居宅介護支援費(要介護1・2)が併算定される場合]900単位/月
[居宅介護支援費(要介護3~5)が併算定される場合]600単位/月
[介護予防支援費が併算定される場合]        1488単位/月
継続サービス利用支援
[居宅介護支援費(要介護1・2)が併算定される場合]600単位/月
[居宅介護支援費(要介護3~5)が併算定される場合]300単位/月
[介護予防支援費が併算定される場合]        1188単位/月
 
(2) 地域移行支援

(基本的考え方)
○ 地域移行支援は訪問相談や同行支援、関係機関との調整等を一体的に実施するものであることから、報酬は包括的にサービスを評価する体系とし、計画相談支援等と同様に、毎月定額の報酬を算定する仕組みとする。
その上で、特に支援が必要となる場合等については、実績に応じて報酬を算定する仕組みとする。

(毎月の包括的なサービスの評価)
○ 毎月定額で算定する報酬については、利用者への訪問による支援(訪問相談や同行支援)を週1回程度行うことを基本として、現行の補助事業において自治体が設定している補助単価の例を参考に設定する。
算定要件については、対象者の状況により関係機関とのケア会議や連絡調整等、利用者への訪問による支援以外の業務負担が多くなる場合も想定されることから、利用者への訪問による支援を少なくとも月2回以上行うこととする。

●地域移行支援サービス費【新設】2300単位/月

(特に支援が必要となる場合等の評価)
○ 特に業務量が集中する退院・退所月においては、さらに一定単位を加算することとし、当該加算単位については、現行の補助事業で自治体が設定している補助単価の例を参考に設定する。
また、退院・退所月以外についても、利用者への訪問による支援を集中的に実施した場合については、一定単位を加算する。

●退院・退所月加算【新設】2700単位/月
   
●集中支援加算【新設】 500単位/月
 退院・退所月以外に月6日以上支援を行った場合に算定。

○ 相談支援事業者の委託等による障害福祉サービスの体験利用や一人暮らしに向けた体験宿泊についても、報酬上評価する。
具体的には、一定の上限の下、支援日数に応じて算定する仕組みとし、報酬単位については、体験利用の場合は日中活動系サービスの報酬を、体験宿泊の場合は共同生活援助(グループホーム)・共同生活介護(ケアホーム)の体験宿泊の報酬を、それぞれ参考に設定する。

●障害福祉サービス事業の体験利用加算【新設】300単位/日
 障害福祉サービス事業の体験利用を行った場合に、
 開始日から3ヶ月以内かつ15日以内に限り算定。

* 利用者が入所する障害者支援施設等の従事者が、体験利用日の日中に介護等の支援を行った場合や体験利用に係る相談支援事業者との連絡調整等の支援を行った場合には、当該障害者支援施設等の報酬として、日中部分に係る報酬の所定単位数に代えて、障害福祉サービス事業の体験利用時支援加算(仮称)を算定できることとする。

●体験宿泊加算(1)【新設】 300単位/日
 一人暮らしに向けた体験宿泊を行った場合、
 開始日から3ヶ月以内かつ15日以内に限り算定。

●体験宿泊加算(2)【新設】 700単位/日
 夜間支援者を配置して一人暮らしに向けた体験宿泊を行った場合
 開始日から3ヶ月以内かつ15日以内に限り算定。
 * 体験宿泊日については、利用者が入所する障害者支援施設等の報酬として、入院・外泊時加算(1)が算定できる。

(その他)
○ 中山間地域等に居住する者については、移動コストを勘案し、計画相談支援等と同様に、特別地域加算を創設する。

●特別地域加算【新設】+15/100

(3)地域定着支援サービス費

(基本的考え方)
○ 地域定着支援については、常時の連絡体制を確保するための報酬を毎月定額で算定するとともに、緊急時の支援を行った場合に支援日数に応じて実績払いにより評価する仕組みとする。

(常時の連絡体制の確保の評価)
○ 常時の連絡体制の確保の報酬については、現行の補助事業で自治体が設定している補助単価の例を参考に設定する。

●地域定着支援サービス費(仮称)【新設】
[体制確保分] 300単位/月

(緊急時支援の評価)
○ 緊急時の支援については、居宅への訪問や緊急時に相談支援事業所の宿直室等で滞在型の支援を行った場合に、支援日数に応じて報酬を算定することとし、報酬単位については、現行の補助事業で自治体が設定している補助単価の例や居宅介護の報酬を参考に設定する。

●地域定着支援サービス費(仮称)【新設】
[緊急時支援分] 700単位/日
* 1泊2日の支援を行った場合には2日分算定できる

(その他)
○ 中山間地域等に居住する者については、移動コストを勘案し、計画相談支援等と同様に、特別地域加算を創設する。

●特別地域加算【新設】+15/100


【出典】
障害福祉サービス等報酬改定検討チーム
第9回障害福祉サービス等報酬改定検討会資料(2012/01/31)
「平成24年度障害福祉サービス等報酬改定の概要(案)」
「平成24年度障害福祉サービス等の報酬改定について(案)」
厚生労働省ホームページより
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021jyi.html



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