本日演奏する曲の2番目は、今年生誕250年の記念イヤーであるベートーヴェンの作品から、第8番のソナタ「悲愴」です。
ピアノ・ソナタの中で、ベートーヴェン自身が名前を付けたのは、この悲愴と、もう1曲、告別だけです。
悲愴ソナタは、1798~99年にかけて作曲されたものと思われています。
ベートーヴェン初期の頂点をなす傑作で、技術的にあまり難しくないので、良く演奏されます。
いかにもベートーヴェンか…という悲壮感が漂っていて、若い人には人気…でしょう。
1楽章は、重々しいグラーヴェで始まり、これが悲愴と名付けた所以だと思われます。
2楽章は、祈りの気分を持った抒情的な歌で、これも単独でよく演奏されますし、いろいろな場面で使われることも多いですね。
ベートーヴェンと言えば、「運命」的な音楽を思っていると、まるで違って、これがベートヴェンかと言いたくなるくらいです。
3楽章は、ロンド形式で、ロンドというのは本来軽い感じが多いのですが、不安な情緒を持っています。
1楽章のグラーヴェのモティーフが利用されています。
技術的には難しくないのですが、なかなかうまく表現するのは難しい。
私には苦労する作品…。
いい曲なのですけどねぇ。