マスミンのピアノの小部屋

ピアニスト兼ピアノ指導者松尾益民が、ピアノや教育、世の中の出来事など日々感じることを、徒然なるままに綴ります。

ビゼーの子供の遊び

2021-10-10 00:18:20 | ラ・プロムナード・ミュジカル
ビゼー(1838~1875)は、歌劇「カルメン」の作曲者としてよく知られています。
ピアノの演奏もうまく、コンサートピアニストという道もあったものの、作曲の道に進みました。
ピアノ曲は多くはなく、中ではこの連弾の「子供の遊び」はよく弾かれるものと言えるでしょう。
ビゼー自身の素朴なスケッチであり、次々と湧き上がる楽想を曲としてまとめた傑作です。
全12曲からなる曲集ですが、今回は第1曲ぶらんこと第12曲舞踏会を演奏します。
第1曲ぶらんこは、ぶらんこがゆったり揺れるさまをアルペジオの上行形と下行形でうまく表現しています。
思わず体を揺らしたくなる…そんな感じでしょうか。
第12曲舞踏会は、跳ねるようにステップを踏みながら踊るギャロップの踊りを夢中で踊り、興奮していくさまが表現されています。

ショパンのバラード第3番

2021-10-10 00:02:18 | ラ・プロムナード・ミュジカル
第3番のバラードをプロムナードで弾くのは、たぶん3回目…かな。
毎回解説を書いていますが、微妙に毎回違うかも。
バラードとは、物語風の曲ということで、ショパンのバラードには元となった詩があるのですが、必ずしもその詩を物語ったものではなく、ヒントを得た…と言われています。
1840~41年に作曲されましたが、この頃ショパンは肺結核が快方に向かい、パリでリサイタルを開き大成功を収めたころで、作品も充実しています。
曲調が明るく華やかなのは、パリ社交界の華やかなムードを反映しているかもしれません。
バラードの中では、私はこの3番が一番好きなのですが、終わりに向かって盛り上がっていく部分はまだしも、前半はなかなか表現するのが難しいですね。
6/8拍子の独特のリズムは、毎回悩んでいます。

参考までに、元になっていると言われるミッキェビッチの「水の精」を記載しておきますが、あの華やかな終わり方に、死を連想させるものはない…と思うのですけどね。
ある若い騎士が、湖畔で美しい神秘的な女性に会い、熱烈な恋の虜になる。
彼女は、騎士がいつまでも忠実であるなら花嫁になろうと言い、騎士は固く忠実を誓う。
ところがある夜、彼はいつもの湖畔で彼女にまさる美しい乙女にめぐり会い、誘惑に打ち勝つことができず後について行くと、月光が水面にキラキラ輝いている。
はっと我に返って女を見ると、いつの間にか恋人の彼女に変わっていた。
こうして、忠実を守らなかった騎士は溺れ死んだという。