Life in Japan blog (旧 サッカー評 by ぷりりん)

日本に暮らす昭和生まれの猫ぷりりんの、そこはかとない時事放談と日記です。政治経済から科学、サッカー、手芸まで

朝青龍問題も識者ほど無責任?

2007年08月27日 01時35分00秒 | Weblog
お亡くなりになった河合隼雄先生の著書を整理していてふと開いたページを見て笑った。

「人がついとらわれる心の錯覚」 講談社+α文庫 安野光雅+河合隼雄
(ここから)
"識者ほど無責任"
河合 神戸で起こった中学生による殺人事件でもそうだけれど、
 ああいう事件が起きると必ず学校の責任とか親の責任が云々
 されるでしょう。簡単にコメントするのはほとんど不可能だと
 思うんだけれど、ああいうことをしたがる人というのがいる
 んですね。
安野 いわゆる識者が出てくる。識者くらい無責任なことを
 言う人間はいないと思う(笑)。
 やれ学校がいけないとか、テレビがいけないとか、漫画が
 いけないとか。よく言うと思うね。
河合 事情なんかわからなくたって、しようと思ったらなんで
 もできますから。言う分には、なんとでも言える。
安野 言っても、そのことを新聞記者がまたまとめて短くして
 載せちゃうでしょう。
 そんな十行くらいで書けるわけがないんでね。だから
 わたしはああいうときは絶対にコメントしないことにしている。
河合 とくにひどい新聞記者は、最初から書くことを決めて
 いますから。それで、自分の書いていることなのに、自分の
 書いたのでは権威がないので、それに有識者の名前をつける
 わけ。「先生、こうですよねぇ」と言うから、「ええ、まあ」
 なんてうっかり相槌を打ったら大変だ。みんなこっちが
 言ったことにされちゃう。
 だから、神戸の事件にしても、臨床心理の人はほとんど
 コメントしていないと思いますよ。
 ぼくらみたいな臨床心理の人間は、体験的に個々のケースで
 それぞれ個別の事情があるってことを知っているから。
 ところが、本だけを読んでいる人なら、なんだって言えます。
 しかも、それを唯一の真理みたいにして言うでしょう。
 そうすると、聞くほうにしたら、ほんとうにそうかと思って
 しまう。
 ぼくらのところに、これはものすごく悪いやつだと言って
 連れてこられるのがおるけど、実際に会ったら全然違うん
 ですよ。
 しかも、ぼくらは半年とか一年とか継続的に会って行くわけ
 だから。すると、一般の人が見ているのとまったく違う姿が
 出てくるんです。
 だから、有識者とか、マスコミとかが言っていることは、
 まったくあてにならない。
 そういうことをぼくらはいやというほど体験しているわけです。
 そんな簡単に言えるはずがない。
(以上で引用おわり)
テレビでぺらぺらしゃべる精神科医の先生やその他の識者を
信用するのは危険なんだとあらためて笑って戸棚にしまいました。
今回は、朝青龍の底抜けに楽しそうな顔のサッカーをどじな
横綱だなぁで笑う、ただ単なる笑いどころだったのかもしれない。
そこでやぼに怒るから、ナンセンスな話になっただけのような
気がする。
テレビ局も笑い飛ばせるような状態で帰国できたらいいね。
楽しい話題のほうがスポーツはいい。

1 コメント

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Unknown (みー)
2007-08-27 13:53:39
無責任の結末
テレビのワイドショーなんかでコメントしているような人って、自分の発言の影響とか考えたりするんでしょうか。自分の専門外の事はもちろん、自分の直接関わった事でさえ、確信がもてない事は多いのに。
今回だって、医師がビデオ見ただけで詐病って断定的に言ってそれを見た視聴者が信じて騒動が大きくなっていったけど、診察したわけでも一部始終を見たわけでもないのによく断定できるなと、その無責任さに呆れてしまった。
そういえば、神戸の中学生による殺人事件の時、犯人が判明する前、白い車を見たとか、黒いシートで覆われた荷物を載せた車が目撃されたとかいろいろ言ってたのが、逮捕されて犯人が中学生とわかると皆一斉にその事については口を閉じたような。
世渡りのうまいタレントがしたり顔でコメントしたりするのを聞くと気分が悪いです。
やんちゃな横綱もいい笑顔みせるんだなくらいの度量が日本人にもあればいいのにと私も思いますよ。
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