人生とはなんだろうか?と思わせられることがここしばらくずっと続いて、心の奥底から本当に疲れたという気持ちがします。人間の美しさも、醜さも、特に昔から変わらずなのですが昔を知る私としては随分日本社会が変質してきたのではないかと思う今日この頃です。
なにゆえにこんなに虚しいのかと自らへ問うても、今は答えが出て来ません。ネット上に溢れる罵詈雑言も、独りの女性に襲いかかったあの“理性在るはずの方々"の罵詈雑言も、ごりごりしていて黒いのです。
自らが持って生まれた才能を積み上げたお城が一瞬で崩れその残骸の上に人々の憎悪と羨望と非難と嫉妬が混ざり合い嵐にとなった去年でしたが、我々庶民とは縁の無い科学の世界は一体どれだけの闇を抱えているのだろうかと空恐ろしくなりました。
NHKで「新映像の世紀」が始まりましたが、その中でも描かれた様に科学の進展は戦争と共にありました。国策・国費・国威・戦略と科学や学問は、無縁でいられない関係なのだと思います。国の資金が絡むということは、そういうことなのだと思います。
一日も早く教育や科学研究の世界が「国威」というものから独立しなくてはいけないのでしょう。しかしそういった独立性を担保する法整備が必要だという声は、当事者の方々からは特にあがってはきていないようです。
そういう問題の前にもっと大きな大きな黒い魔物があるのか、それともそういう構造的不備が人々を怪物にするのかは解りませんが、人生はあまりにも短く、人権や人の命は社会のうねりの前ではこんなにもちっぽけで儚く脆弱で護り得ないガラスの様なものなのだと、思い知らされた一年でした。