和州独案内あるいは野菜大全

第一回奈良観光ソムリエであり、野菜のソムリエ(笑)でもある者の備忘録のようなもの。文章力をつける為の練習帳に

大根可愛いよ大根

2009年02月08日 | 野菜大全
 野菜を栽培していると得意なもの苦手なものが、好きなもの嫌いなものが自然と出来てきます。最近は特に大根が可愛く思えてきました、理由はありません。ああ、冬大根だとかろうじて無農薬でも栽培できるからでしょうか、虫との不毛な闘いに勝てる見込みがあるうちはまだ救いがあります。
 いやそれでも安心は出来ません。例えば、ダイコンサルハムシの被害は目を覆いたくなる酷さで、道端の宿根性の雑草イヌガラシ等が自然繁殖のスポットになっており、そこからせっせと遠征して来ます。いったい何を目安に大根を見つけるのか?カラシ油の成分を感知するのか、闇雲に歩き回って見つけたら集合フェロモンでも出すのでしょうか?解かりません。
 同じくヤサイゾウムシも品種を横断的に食害する面倒な害虫で要注意です。コイツはオスに出会うまではメスばかりを産み続ける無性生殖を繰り返すやっかいさんで、道端ではキク科がお好みのようです。どちらも甲虫ですが飛ぶことは出来ず、その代わり歩く速度は早く何処と無くユーモラスですが可愛いとは思った事は一度たりともありません。勿論見つけ次第つぶします、プチッと。
 どちらもかつての非選択的に良く効く、つまりどの虫にも更に人にも良く効く様な農薬の使用がほとんど無くなった事により近年復活し幅を利かせていると言います。農薬が常に進化して更なる安全性を追求し研究していると言う事をこんなところで知る事になろうとはわからないものです。

 大根は品目別の消費量でトップを走り続けているそうで、特に冬場に、おでんに大根は欠かせません。子供の頃はあの苦味が好きになれませんでしたが、今はそれこそが大根らしさと思えるようになりました。その大根らしい苦味が消費者に敬遠され、甘みのより強い品種が今のトレンドだと言うのは皮肉ですね。
 そして冬から春、更に夏大根と産地を変えながら一年中の出荷が可能になり消費を支えています。

 大根は自身の味を余り自己主張せず、しかし繊細かつ一本芯の通った日本人らしい野菜なのかもしれません。面取りや隠し包丁を入れ、した茹でをしてから出汁で味を染み込ませるなど調理の仕方も繊細です。まあ適当に切って豚肉と炒め、味噌とだしで味付けするようなざっくりした料理もあります。
 大根は主にその根部を食しますが、カブと同様に葉っぱの栄養価は馬鹿に出来ません。カロテンや食物繊維に富み大いに利用してもらいたいですが、葉を残すと水分の蒸発が激しく品質を著しく劣化させてしまうため切ってから出荷されます。どうしても葉っぱがという方は直売所などで探せば有るものですよ。

  
               ナメクジに葉を食べられながらもすくすく育つ春大根 

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