先端技術とその周辺

ITなどの先端技術サーベイとそれを支える諸問題について思う事をつづっています。

モノ作りには試作の魔の谷、製品化の死の谷がある! EV車の開発の黎明期からの体験談

2018年01月19日 12時50分09秒 | 日記

日経ビジネスオンラインに、慶応大学でEV車エリーかを開発した名誉教授のj話を載せているが中々、技術者には面白い話であった。2004年に試作車が動き始めたエリーかは、インホイール・ドライブで、モーターを車輪に埋め込み、8個の車輪を駆動するという画期的な発明をしている。

そのノウハウをベースに2009年にシムドライブという会社を起こしている。その時の経験から、ものを作るということは、試作開発、製品開発となるが、それぞれに谷があるという。アイデアを試作品に作り上げるまでが「魔の川」で、その試作品から製品に仕上げるのが「死の谷」です。製品化というのは、信頼性・耐久性・安全性の証明が必須です。ここが、EVにおける「死の谷」というわけ。

 「死の谷」は一見すると分からない。だから試作品と「死の谷」を渡った後のクルマは、見た目は同じに見えるでしょう。けれども、商品になるのは信頼性、耐久性、安全性を証明できたものだけなのです。そしてそのためには試作開発費の何十倍の手間と金がかかるという。2012年に出された試作車も格好良いが、2人乗りで航続距離が300kmで、2010年に出荷された日産のLeafが航続距離が260kmで販売に苦労をしていたから、シムドライブも製品化の資金を集められなかったのだろう。また2010年の初めでは電池容量が大きいものがなかったという時代背景も大きい。

清水慶応大学名誉教授はエリーかの経験、シムドライブの経験からインドと100万円のEV車の共同開発をしているということで、時代背景も大容量Li電池開発も進んでいるし追い風だから、面白いEV車が誕生するであろう。

 

 

 

 


エミレーツ航空、A380最大36機発注で生産継続!

2018年01月19日 00時40分37秒 | 日記

 

 

アラブ首長国連邦の航空会社であるエミレーツ航空がA380追加発注契約したことで、A380は延命したという。

A380の追加発注契約を結ぶエミレーツ航空のマクトゥーム会長(左)とエアバスのリーヒーCOO(エミレーツ航空提供)

エミレーツ航空(UAE/EK)とエアバスは現地時間1月18日、総2階建ての超大型機A380型機を20機確定発注する覚書(MoU)を締結した。契約には16機のオプションも含まれ、カタログ価格で総額160億米ドル(約1兆7800億円)にのぼる。2020年以降の受領を予定している。

A380は、2017年12月末時点でエミレーツなど18社から317機受注し、222機が引き渡し済み。受注残は95機となっている。受注のうち、エミレーツが142機と半数近くを占め、18日現在で101機を受領している。

 今回の契約締結で、エミレーツによるA380の発注は最大178機に拡大。総額はカタログ価格で約600億ドル(約6兆6700億円)まで引き上げられた。

 エミレーツのシェイク・アハメド・ビン・サイード・マクトゥーム会長兼CEO(最高経営責任者)は、「今回発注したA380の一部は、既存機の更新に使用する。今回の発注は、A380の生産ラインに安定性をもたらすだろう。エアバスと引き続き緊密に連携し、機体と機内設備をさらに強化し、乗客に最高の体験を提供していく」とのコメントを発表した。

 エアバスのジョン・リーヒー民間航空機部門顧客担当COO(最高執行責任者)は、「今回の発注は、A380を少なくとも10年間は生産するエアバスのコミットメントを強調している。個人的には、エミレーツの例に続く発注が増えると確信しており、A380は2030年代も生産されるだろう」とコメントした。

 A380の2017年の引き渡しは15機で、エールフランス航空(AFR/AF)がこれまでの発注から2機をキャンセルした。今年からは従来の月産3機を同1機に減産し、2019年までは年12機ずつ生産していく。今年のカタログ価格は4億4560万ドル(約494億円)で、前年比1.99%値上げされた。

 今回契約したオプションの16機が確定発注となり、エアバスが月産1機のペースを維持する場合、エミレーツの受注残77機をすべて引き渡すまでには、6年5カ月かかる。

 エアバスは2017年6月に開かれたパリ航空ショーで、A380の改良版「A380plus」の開発調査を発表。現行機と比較し、1席あたりの運航コストを13%削減できるようになる。開発が決まった場合、2019年に初飛行し、2020年の引き渡し開始を計画している。

エミレーツは、日本路線ではA380をドバイ-成田線に投入している。座席数は3クラス489席で、ファースト14席、ビジネス76席、エコノミー399席で、ボーイング777-300ER型機(3クラス354席:ファースト8席、ビジネス42席、エコノミー304席)と比べ、1便あたりの提供座席数が135席増える。

 A380は機体の広さや豪華さから、「空飛ぶホテル」とも呼ばれている。成田へは、シンガポール航空(SIA/SQ)やルフトハンザ ドイツ航空(DLH/LH)、エールフランス航空(AFR/AF)などもA380を就航させていたが、羽田の国際線発着枠の増枠や機材更新に伴い、777-300ERなどに変更。現在A380を成田発着の定期便に投入しているのは、エミレーツとタイ国際航空(THA/TG)の2社のみとなっている。

 旅客の世界でも、アメリカが独壇場なので、エアバスなど他の飛行機背像会社も頑張ってほしい。