platea/プラテア

『ゲキxシネ五右衛門ロック』『The Musical AIDA』など、ミュージカルの話題作に出演の青山航士さんについて。

被り物はDNAのなせる業

2005-08-31 | うたっておどろんぱ!
いつものことながら、あゆあゆさんのコメントに誘われて・・・

 2003年、多くの青山ファンが頭を抱えたという(?)「あつまる・ならぶ・バーラバラ」以来、私も被り物のことを思うと心の片隅に「おどろんぱ」おわっちゃっていいかな~、という気持ちが一瞬もたげたものでした。ですが、いっとき動物行動学の本にハマリ(といっても一般書です)何冊か立て続けに読んだところ、「青山さんをはじめとするダンサーズに被り物を」というのは人間のふか~いところから来るどうしようもない希求である、という気がしてきました。

 群れをなして生活する霊長類やその他の動物を観察していると、自分の子孫を残すことに関して、オスの場合その群れでボスと呼ばれる個体に絶対的優先権があるのだそうです。群れで一番、というレベルで優れた遺伝子の持ち主が親でないと種として進化しない、「子孫を残す」に値しない、という厳しい自然の掟があるのらしいのです。だから今の人間社会などは行き過ぎた平等主義ともいえ、本当に進化したければ一夫一妻、なんていうのんびりしたことをやっていてはダメらしいのですが、いろいろとあって(この辺り大きく割愛いたします)一部地域を除いては一夫一妻が当たり前になっている状態であるそうです。

 でも何億年もの生命の系譜の中でも、種としての記憶はそう簡単に消えるわけではないらしく、動物でも人間でも「体力・知力に優れたオス/男性」が目の前に現れると、「嫉妬」というような感情のレベルでなく、他のオス/男性はなんとかその素晴らしさがメス/女性の前でつまびらかにならないよう、無意識のうちに画策してしまうそうです。

 一方ダンサーというのは、旧ソビエトが同胞の優生ぶりを他国に誇示するために連邦中を人材探しに駆け回っていたぐらいで、多くの美点を求められます。容姿端麗、体は柔軟、筋力も体力もある、運動神経は抜群、音楽的センスもあり、感情表現に優れ、膨大なレパートリーを記憶する知力を持ち、視力もよく、さらに創造性まで兼ね備えた人材を、全ての小学校をつぶさに訪問して探したといいます。旧ソの「(バレエ)ダンサー」は、「進化するため残されるべき遺伝子満載」の人間に与えられる特別の称号だったのです。

 つまり青山さんのような優れたダンサー的オスが動物社会にいると、たいていのオスはあぶれてしまうわけです。多くのお母さん達がダンサーズに対しては乙女心を再燃させているのも当然で、「種」として優良であると判断を下している、ということになるらしいのです。

 とくに最近の青山さんはファンの目から見てもちょっとカッコよすぎました。WSSのタイガーもOZの多重キャラクターズもマネトリックスも三忍者も。世の男性が何億年、何千万年にわたるオスとしてのおぼろげな記憶によって「なんとなく、このへんで」被り物をしてもらいたくなっても不思議ではありません。番組としては森川さん、照井さんまでそろっているとなれば、不定期の被り物は不可欠とさえいえるでしょう。お父さん達だってそこはかとない安堵感を得ておられるかもしれない。

 そんなわけで今回の被り物、私としてはむべなるかな、という感じでした。・・・読んだ何冊かのうち、ある本の作者は、男性の友人から激しい非難を浴びたと書いておられましたが、ううむ確かに、下世話になるか罵倒されるかしかないような話になってしまいます。でも「子供が喜ぶ」というのはちと嘘っぽいな、と思ってるんです。遠い現役コドモ時代、私は被り物が嫌いでありました。いろいろ問題発言をいたしましたが、普通にダンスが見たいので、やっぱり書いておこう。 

 書いている間に20000pv超えていました。「数」は一切気にしないで書こうと思って始めたブログでしたが、駄文にお付き合いくださる方、本当に有難うございます。舞台人としての青山さんへの関心の高さを感じる毎日です。

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4 コメント

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2005-09-01 (あゆあゆ)
2006-02-06 02:26:36
ふ~ん、今日はすごく納得しちゃいましたよ、へーまさん。そうか、そういうことだったのか・・・(本当は今日だけじゃなくて、いつも納得しているのですけれどね)。確かに最近の青山さんのかっこよさは、限度を超えていましたから、女性である私だって、内心「このへんで被り物、仕方ないよな~」っていう気持ちはほんの少しはあったのです。でも、これはもうホントに仕方のないことなんだわ~。

激しく落ち込みそうなのでイベントにも舞台にも同伴させていないうちの主人の反応を振り返ってみても、すごく納得です。確かに「被り物」のときは、そこはかとなく「安堵感」が漂っていますし、それから逆に「薔薇の花」がギャグ絡みで出てくるときも、「安堵感」に裏打ちされた「笑み」が漂っている・・・。それに反して、「わたしはブラックオドレーヌ」のときなんて、かなりショックを受けていたものね・・・。あのあたりから、「おどろんぱ!」気にはなるものの、「おどろんぱ!」の時間帯になぜかふら~っとリビングからいなくなることが多くなりましたわ、うちの主人。でもね、そういう彼もやっぱり気にはなっているのですよ、初めて「からだはドラム」(02年度ヴァージョン)見たときなんて、やっぱりあのステップに釘付けになっていたの、私は見逃しませんでしたし、その後も「マネトリックス」なんてやっぱり文句つけられなかったですもの。そんなうちの主人ですが、いつか一度は青山さんご出演の舞台に連れて行こうと思っていますよ。やっぱりテレビからは想像つかないくらいに、スゴイですから、彼にも一度は見ておいてもらいたいと思っています。

一方、「子供が喜ぶ」かについてですけれど、飽くまでうちの子供に限っての話ですが、「被り物」の作品のときは、例外なくテレビの前から引いていきます。あまり「もう一回見たい」とは言ったことがありません。実はね、今だから言うのですが、「あつまる・ならぶ・バーラバラ」が初めて放映された2003年には、うちの子供たちにも「おどろんぱ!」離れの傾向がたまに見られるようになりました。彼らなりに「被り物」は「おどろんぱ!」らしくない、と思ったのではないでしょうかね。年齢的に少し大きくなったから?とも思ったのですが、どうやらそれだけではないらしいのです。事実、明らかに「踊っている!」という感じの作品の場合は、すごく集中してテレビに擦り寄ってきます。実は関東では、土曜日午前9時からは、某チャンネルでヒーローものが放映されています。男の子なのでそちらも気にはなるものの、もう一つの部屋のテレビで母が見ている「おどろんぱ!」が興味深い展開になってくると、そんな彼らもこちらに来てしまいます。昨年度の「ダンスはこころのエネルギー」あたりから今年度にかけては、この傾向が強くなっている気がします。「うたっておどろんぱ!」という番組に期待しているもの、子供は定義づけして、はっきり言葉に出すわけではないのですが、きっと大人以上に、言葉にはなってはいない彼らなりの定義づけがあるのでしょうね。

でもね、一口に「被り物」といっても、世の中の「被り物」のすべてを、子供が嫌っているわけではない、と思うのです。へーまさんが、4月8日の記事で書かれていた、ロイヤルの「ピーターラビットと仲間たち」、ずーっと前にBSで放映されたとき、我家でも見ていて、主人も子供もみんなで「すごいね、おもしろいね」と言って、思わず最後まで見てしまったこと覚えています。(かのかさんのところの掲示板で盛り上がっていたとき、私も密かに盛り上がっていましたよ!)うさぎやねずみが、考えられない素晴らしい動きをする、あの雰囲気にとてもひきつけられ、心弾みましたよね・・・。「被り物」であることを疑ってしまうような動きでした。

なんだか、今日は、へーまさんのブログであるのに、我家の家庭内の、非常に個人的な話をしてしまって、とても厚かましいとは十分承知しておりますが、5月7日の「Shall we ダンス?」な「あつ・なら・バラ」の記事と同様に、今日の記事に関しても、我家の状況と照らし合わせると、非常に納得でしたので、図々しくも書かせていただきました。こんな家庭はやっぱり我家だけでしょうか?

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2005-09-02 (へーま)
2006-02-06 02:27:42
あゆあゆさん、いきなりお願いなんですが、もう厚かましいとか、そういうのなしで行きましょう~♪ 土地の所有なんかについても「・・・でも本当の最初は誰のものでもなかったんじゃあ・・・」と思ってるような人間なので(ましてこのブログは無料)遠慮などまったく無用です~。

個人的な話といえば、私の知り合いが教職課程で介護施設の実習に行ったときの事なのですが、男性は概して女性より短命なので、おばあちゃんの入居者が圧倒的多数をしめているそうです。すると、そこには複数のおばあちゃんによる、おじいちゃんの熾烈な取り合いが起きるそうなんです。

聞けばこれはどこの施設でもあることらしく、男性は長生きさえすれば最終的には必ずモテモテになれるのです。若いうちは上記のような遺伝子競争にさらされ、なにかと心労はつきないのかもしれませんが、最後に選ばれる側から選ぶ側に変わるのなら、これは素晴らしいですよね。そのときこそすべての男性に、赤い薔薇を手にして好みのおばあちゃんをゲットしていただきたいなと思います。

それと「被り物」バレエ、他には私は見た事がないのですが、やはりロイヤルに野菜と果物を題材にした作品があります。これはとてもリアルなもので、かごに色々な野菜・果物が入っているシーンで幕が開き、まるで美しい静物画のようだと場内から溜息がもれたと聞きます。

ロイヤルはやはりイギリスのブラックジョーク好きの傾向があるのか、衣装がブリーフ(!)のPants Boysという演目も披露したことがあり、正装のご婦人方が涙を流して笑っていたとか。そんなこんなで、ひたすら美しいダンサーズが見たければNHKがソビエト化するしかないかもしれません。

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2005-09-02 (へーま)
2006-02-06 02:29:23
・・・でまだ続きがあったりします。

オスのことばかり書いてメスはどうかというと、そうした群れの中で一番もてるのは、なんと小さな子供のいるメスなのだそうです~。子育ての苦手なメスは動物にも一定数いるので、それでは自分の遺伝子をちゃんと残せない、そこで実際に小さな子供を可愛がっているメスは確実だというのでポイント高いのだそうです。黒木瞳さんなんか「そういうわけ」なのかも知れませんわ。

ですから「おどろんぱ」は優れた遺伝子をもつ雄性と子育て中の優秀な雌性の出会う場といってもいい・・・なんて書くとますますご主人を漠然とした不安に陥れるのでは、と昨夜はカットしたのですが、いつかはご一緒に観劇、というあゆあゆさんご一家ならいらぬ世話かと思い、ダラダラと続けさせていただきました。

ジャングルの掟に叶ったおどろんぱ、ソビエト的社会とはもっとも遠いところに位置しているといえるのかもしれません。だもので「被り物」は今後もお見かけする確率大です。

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2005-09-03 (あゆあゆ)
2006-02-06 02:30:13
うーん、なるほど、今夜も激しく納得しましたよ~、へーまさん。でもここで、敢えて優秀(?、アハハ)なメスの密かな計画を打ち明けてみます。メスたちのかわいがっている小さな子供たちの遺伝子が突然変異を起こすことって、ないでしょうか?「種の進化は遺伝子の突然変異による」なんて聞いたことがあるのですが、青山さんみたいな優秀なダンサー的オスがその力を余すところなく発揮して、たった15分間のテレビ番組で踊っているという環境自体が、小さな子供たちの遺伝子を突然変異させるような一つの要因になりうる気がしてならないのですよね~。別に「進化」と呼べるものでなかったとしてもよいのです、突然変異によって今までに存在しなかった多種多様な生き物が増えたら、それだけでおもしろいかも?そうなると、突然変異を起こさせる「環境」、これって大事ですよね~、絶対!それから、突然変異を起こしそうにない大人のオスだって、万に一つ、遅ればせながら突然変異なんてことがあるかもしれない!(それは一体どういう突然変異だ?と言いたくなりますが・・・)そんなことをメスは密かにねらっておりますです、ハイッ。

あれやこれやと言ってみましたが、へーまさんのお言葉に甘えて、最後にひとつヒンシュク覚悟で、遠慮なく言わせていただくと、結局テレビの前のメスが一番望んでいることは、ターザン(優秀なオス)に抱かれて、ターザン・ロープで木から木へ、というワクワクドキドキの体験を、テレビの前で疑似体験する、ということなのかもしれません。決してただ単に露出していればいいっていう意味ではないのですが(「ターザン」で誤解のないように)、やっぱり青山さんのダンスは、観ている方にしたら、ターザン・ロープで木から木へというあの感覚ですから、「モソモソ」したターザンではちょっと困ってしまうわけです。何だか話が随分と飛躍してしまいましたので、このへんで・・・。ワガママなメスは、ちょっと主張してみました・・・。。

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