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『ゲキxシネ五右衛門ロック』『The Musical AIDA』など、ミュージカルの話題作に出演の青山航士さんについて。

ブロードウェイという夢のはじまり

2005-08-17 | テネシーワルツ ~江利チエミ物語~
江利チエミさんが「テネシーワルツ」でデビューされたのは、わずか14才のとき。「ボーイ フロム オズ」に登場するジュディ・ガーランドもそうでしたが、あどけなさの残る女の子の歌声は、戦争という逃れようのない大きな悲劇が身近にあった時代を何よりも癒すものであったのかもしれません。青山さんの舞台出演の知らせを耳にするたびに、それまでは知らなかった世界の扉が開いてワクワクするのですが、今回も、戦後、さまざまなものを失った日本が、どんな風にして音楽/舞台という「夢」を暖め、よみがえらせたのか、見せてくれるような気がします。

 いま当たり前のように接している、というか生活に入り込んでいるアメリカ文化もほんの60年前までは「敵国」のものであったと思うと、日本のあまりの順応性の高さに戸惑いすら覚えますが、江利チエミさんファンの方のページ(まだほんの一部しか読めていませんが、どれも素晴らしいです)を覗かせていただいていると、その原点に進駐軍のクラブで歌っていた江利さん達の「歌」があったのだな、と思います。世界中の人の心をときめかせている「ブロードウェイ・ミュージカル」日本初上演(「マイフェア・レディ」)の主役も江利さんと知ると、ミュージカルファンならずとも、「昭和」を知る人は感慨に浸ってしまいますよね。

 そして同時に青山さんの足取りが、ファンとしてとても嬉しいです。ミュージカルの金字塔と呼ばれる「ウエストサイドストーリー」、興行記録を塗り替えた現代の大ヒット作「ボーイ フロム オズ」に続いて、戦後の日本が夢や音楽、舞台のはなやぎを取り戻す物語をみせてくれそうな「テネシーワルツ」と、ご自身のステップさながらに、理想の軌跡を描いていると思います。さらに冬には大作「GRAND HOTEL」とファンは心休める時間がなさそう。嬉しい。

>あゆあゆさん  「ボーイ フロム オズ」詳細レポ完結、本当にグッジョブですよ~! すぐ次が待ってるなんて、嬉しい悲鳴、かな? 私も「GRAND HOTEL」というと、グレタ・ガルボのあのゴージャスな白いコート姿を思い浮かべます。内容は殆ど覚えていないので、ビデオを探して・・・あっ、その前に「テネシーワルツ」でした。(その後デジタル・リマスター版DVDを見たら、コートは「白」ではなくグレーの濃淡でした。以前映画館で見たのはかなりの年代ものフィルムだったようです)

最後になってしまいましたが、地震、とても大きかったようで、心よりお見舞い申し上げます。

追記:昔崩れそうなビルの中の「名画座」で見た『グランドホテル』では、「白」だったコートが、DVDで見ると、グレーのグラデーションが・・・技術の発達を思い知りました~。