もうご覧になった方も多いと思いますが、あゆあゆさんから「ボーイ フロム オズを100倍楽しむ方法」のレポと「おどろんぱ ファミリーステージ」の開催情報いただきました! 「グリニッジ・ビレッジで」の最後に出てくる「コメント」のところをクリックしてください。
じつはこの間、京都・南座で坂東玉三郎特別舞踊公演を観まして、アタマがすっかり古典モードになっていました(単純)。この公演は10年ほど不定期に続いているのですが、毎回京都ならではの趣向をこらしたもので、東京の歌舞伎座ではかからないような演目も目にする事が出来るのです。今回もこの公演のために機の設計から能装束専門の職人さんが携わられたという衣装が素晴らしく、まさに眼福でした。そして耳が節穴の私にも、藤舎名生さんの笛は「この世のものならぬ響き」を感じさせてくれ、その音に誘われるままに非日常の空間にゆったりと浸りました。
で、少し現世に帰ったら、もう明日は「ボーイ フロム オズ」が開幕! 私なんでミュージカル観に行くんだったかしら、と本当に一瞬ぼけましたが、青山さんが出る、そうでした。そりゃ観にいかないと。
私が呆けている間に今年度のトニー賞も発表され、製作におよそ5年を費やしたという宮本亜門さんの「太平洋序曲」は残念ながら選外だったということですが、「ブロードウェイで上演されているほかの作品とは異質なものをつくりたい、そうでなければ意味がない」という気概に拍手をおくります。トニー賞発表会場となったラジオ・シティー・ミュージック・ホールはピーター・アレンが81年公演の"I go to Rio"でなんとラクダ(!)に乗ったといいます。ニューヨークの夢と興奮の殿堂という感じなんでしょうか。
ジュディ・ガーランドの死、ライザ・ミネリとの別居そして離婚、アレン・ブラザース解散を経て、ピーター・アレンは、ありのままの自分をさらけ出していくように思えます。ライザ・ミネリが押しも押されぬ大スターとして活躍する一方で、グリニッジ・ビレッジのナイトクラブでソロライヴを行い、71年にはオフ-オフ-ブロードウェイでロックオペラ(3回公演)を発表するという独自の活動を展開し、メトロメディア社に作曲家として雇用されます。
手がけた曲が全米トップ40にチャートインしたのをきっかけにソロアルバムを発表、73年にはショービジネス界に復帰。オリビア・ニュートン・ジョンの"I honestly love you"、メリサ・マンチェスターの"Don't cry out loud"などの大ヒット曲を書き、アレン自身もシンガーとしてブロードウェイに活動の場を移したそうです。そしてあまりにも有名な'When you get caught between the moon and New York City'のフレーズが映画「ミスター・アーサー"Arthur"」のテーマに織り込まれ、この曲はアカデミー主題歌賞を受賞、その後、全米ツアーを成功させます。
名実共にトップアーティストとなってなお、4年の歳月をかけてチャレンジしたのがミュージカル"Legs Diamond"でした。これは興行的には失敗したということですが、ラメのマラカスを持って、舞台上でピアノを滑らせ、ラクダまで出すというエンターティナーの彼がどんなステージングをしたのか、見てみたい気がします。バレエダンサーでもカリスマ的・天才的といわれる人たちが、夢として「ミュージカルを創りたい」と語るのをよく耳にしますが、ありとあらゆる表現手段を駆使して、自分だけの空間、ひとつの小宇宙を作り出すような感覚なのでしょうか。
宮本亜門さんが言った「異質」とは違うのかも知れないけれど、私が青山さんの舞台「森羅」を初めて観たとき、確かに欧米のダンサーとははっきりと違う、そしてそれまで観た日本のダンサーの誰とも異なる「異質」なものを感じました。聖と俗の別を軽やかに飛び越える、原初的なエネルギーに満ちていながら洗練された動きは鮮烈に目に焼きついています。「ウエストサイドストーリー」では、そんな面が充分味わえてとても嬉しかったのですが、今回もきっと、他のどこでも、ブロードウェイでさえも見ることのできない、青山さんならではの「異質」な空間を見せてもらえるような気がして、とても楽しみです。
じつはこの間、京都・南座で坂東玉三郎特別舞踊公演を観まして、アタマがすっかり古典モードになっていました(単純)。この公演は10年ほど不定期に続いているのですが、毎回京都ならではの趣向をこらしたもので、東京の歌舞伎座ではかからないような演目も目にする事が出来るのです。今回もこの公演のために機の設計から能装束専門の職人さんが携わられたという衣装が素晴らしく、まさに眼福でした。そして耳が節穴の私にも、藤舎名生さんの笛は「この世のものならぬ響き」を感じさせてくれ、その音に誘われるままに非日常の空間にゆったりと浸りました。
で、少し現世に帰ったら、もう明日は「ボーイ フロム オズ」が開幕! 私なんでミュージカル観に行くんだったかしら、と本当に一瞬ぼけましたが、青山さんが出る、そうでした。そりゃ観にいかないと。
私が呆けている間に今年度のトニー賞も発表され、製作におよそ5年を費やしたという宮本亜門さんの「太平洋序曲」は残念ながら選外だったということですが、「ブロードウェイで上演されているほかの作品とは異質なものをつくりたい、そうでなければ意味がない」という気概に拍手をおくります。トニー賞発表会場となったラジオ・シティー・ミュージック・ホールはピーター・アレンが81年公演の"I go to Rio"でなんとラクダ(!)に乗ったといいます。ニューヨークの夢と興奮の殿堂という感じなんでしょうか。
ジュディ・ガーランドの死、ライザ・ミネリとの別居そして離婚、アレン・ブラザース解散を経て、ピーター・アレンは、ありのままの自分をさらけ出していくように思えます。ライザ・ミネリが押しも押されぬ大スターとして活躍する一方で、グリニッジ・ビレッジのナイトクラブでソロライヴを行い、71年にはオフ-オフ-ブロードウェイでロックオペラ(3回公演)を発表するという独自の活動を展開し、メトロメディア社に作曲家として雇用されます。
手がけた曲が全米トップ40にチャートインしたのをきっかけにソロアルバムを発表、73年にはショービジネス界に復帰。オリビア・ニュートン・ジョンの"I honestly love you"、メリサ・マンチェスターの"Don't cry out loud"などの大ヒット曲を書き、アレン自身もシンガーとしてブロードウェイに活動の場を移したそうです。そしてあまりにも有名な'When you get caught between the moon and New York City'のフレーズが映画「ミスター・アーサー"Arthur"」のテーマに織り込まれ、この曲はアカデミー主題歌賞を受賞、その後、全米ツアーを成功させます。
名実共にトップアーティストとなってなお、4年の歳月をかけてチャレンジしたのがミュージカル"Legs Diamond"でした。これは興行的には失敗したということですが、ラメのマラカスを持って、舞台上でピアノを滑らせ、ラクダまで出すというエンターティナーの彼がどんなステージングをしたのか、見てみたい気がします。バレエダンサーでもカリスマ的・天才的といわれる人たちが、夢として「ミュージカルを創りたい」と語るのをよく耳にしますが、ありとあらゆる表現手段を駆使して、自分だけの空間、ひとつの小宇宙を作り出すような感覚なのでしょうか。
宮本亜門さんが言った「異質」とは違うのかも知れないけれど、私が青山さんの舞台「森羅」を初めて観たとき、確かに欧米のダンサーとははっきりと違う、そしてそれまで観た日本のダンサーの誰とも異なる「異質」なものを感じました。聖と俗の別を軽やかに飛び越える、原初的なエネルギーに満ちていながら洗練された動きは鮮烈に目に焼きついています。「ウエストサイドストーリー」では、そんな面が充分味わえてとても嬉しかったのですが、今回もきっと、他のどこでも、ブロードウェイでさえも見ることのできない、青山さんならではの「異質」な空間を見せてもらえるような気がして、とても楽しみです。