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『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

高知へ 11月11日(金)

2022-11-18 00:47:07 | 旅行
また感染拡大し始めていますが、11月11日(金)~16日(水)夫の故郷である高知に行ってきました。
本当は8月に行く予定だったのですが、第7波と重なって中止にしたため、この秋の端境期に行っておこうということで。

格安の飛行機&ホテルのパックに申し込んだのはGotoが発表される前だったので、宿も5日連泊がすんなりと取れました。

旅行支援発表以後だと、連泊したくても宿が取れずに、近隣のホテルに移ったり、急にホテルの宿泊料が値上がりしていたり、と、色々あったという話も聞きましたが、全て問題なくすんなりと。

小さな旅行会社でしたし、申し込みが支援発表前だったこともあり、「あ~あ、もう少し後に申し込めばよかったなあ~~」と二人で言ってあきらめていたのですが、その旅行代理店の申し込み枠内でのキャンセルが出たため、急遽その支援が受けられるとの連絡をもらい、大喜び。

全て夫任せなので、詳細はわかりませんが、色々と何種類かの支援や現地でのクーポンなどもあり、結構な金額の援助となるのだそうです。

高知は5年ぶりとなります。

旅の資金は、夫がコツコツとためていた500円玉貯金。

平塚の七夕祭りでもらったという太い竹筒にためて喜んでいた。

・・でも500円玉を入手するために、わざわざ千円札で自販機からお茶を買ってニコニコしているってどうよ?・・

マイボトルにして家からお茶入れて持ってけば、もっと金額はたまるんじゃなかろうか?
そもそもボトルウォーターはエコじゃないし・・

などと色々文句を付けていたのですが、チリもつもれば、で、結構な額がたまっていました。

本当は2020年春に行くはずだったクロアチア・南イタリア10日間の旅のお小遣いになるはずだったものが、コロナ禍で中止になったため、そのままになった竹筒500円玉貯金は、その後さらに増えてコインの重さでついに竹筒にヒビが入るまでになりました。

でも、最初は「一人で行ってくれば?」と本気で言っていた。

息子が居てくれるとはいえ、平日は会社なので、ピピのことが心配で。

元々は息子と二人暮らしだったので、昼間のお留守番は慣れている、とはいうものの、我が家に来てからは、そんなに長時間一人、いや一匹でいることはなかったので。

それに夫と二人での5日間より、夫なしでピピと息子との5日間の方が楽しいんじゃないかしら?と割と本気で考えた。フルートもさらえるし。

「じゃあ海外に行けるようになっても、私一人で行くからね。」と夫。

え!?それはちょっと嫌だな、と不承不承私も行くことに。

これで「懇願されて仕方なく付き合う」という形も整い、内心のウキウキを隠しつつ、久々の旅行となりました。

日帰りドライブや、軽井沢や富津合宿2泊というのはあっても、本格的な旅はコロナ禍になってから初めて。

2019年春のエジプト以来なので、約2年半ぶりとなります。

準備を進める内にワクワクも徐々に盛り上がってきました。

そんな気配を察してかピピはすぐにトランクに入り込み

「荷造りはさせないニャ!」とばかりにトランクの隅々まで身体を伸ばして阻止。



・・・・・・・・・・・・・

久々の羽田空港は大勢の人でにぎわい、活気がありました。



マスクと消毒アルコールさえなければ、コロナ禍以前と同じような光景に、少し戸惑いましたが、やはり活気があるのは楽しい。

あっという間に高知に。

夜にホテルに到着したら、荷物をほどいて、外出し近所の居酒屋で、餃子とシジミラーメン(絶品!)で乾杯。

ここはタバコの煙がモウモウとしている昭和なお店で、このシジミラーメンを知らなければ、絶対選ばないようなところなのですが、昔、夫の友人Kさんに教えていただき、すっかり虜に。




身体には悪いかもしれないけれど、久々にタバコの匂いのするお店に入ると、なんだかちょっと懐かしかった。

紅茶に浸したマドレーヌにはいろんな意味で程遠いけれど、昭和の頃、つまり子供時代の想い出がバっと蘇る、みたいな感じもして。

もちろん、普段はタバコはもちろんNGですが。

普段ラーメンは不得手で、滅多に食べないのですが、ここのシジミラーメンは細麺であっさりした澄んだスープが最高。



夜でも高知はとても暖かく、季節が逆戻りしたようでした。(続く)



見返り美人・猫の舌

2022-11-09 23:09:52 | 気付き
書いておかないと忘れるので・・

2003年、甲野先生にであってすぐ、抜刀術をお教えいただいた時に衝撃を受けた身体の使い方から、胴体をねじらないようにする、というのが私の奏法の一番の基本となった。

それは2004年に出た『身体から革命を起こす』(甲野善紀・田中聡 共著/新潮社)にも写真付きで掲載していただいた。

来年で20年となる。
今となっては、改めて思い出すことすらない自分にとっては極当たり前のこの「見返り美人」。

フルートではそのオリジナルの反転形。

それが、「圧を変える」にも役立つこととなった。

それまでは、ただ、前後の力のかけ方しかやっていなかったけれど、何故かレッスンしている時に、生徒さんの様子をみて、こちらの方が自然だな、と思いついたのでした。

ピアノもマリンバも自分から向かって左が低音、右が高音だけれど、フルートの場合はその逆。

圧のかけかたも、左右一律では、右に詰りが生じる。
それを回避するためのやり方。

これがなかなか面白く、より自然に全ての音域の音を吹けるように。

いつだったか、おそらく師事してすぐの頃、植村泰一先生に質問したことがある。

「先生、パイプオルガンのふいごを押すカルカントさんは、曲の表情やアーティキュレーションによって、ふいごの押し方を変えるのでしょうか?」

フルートでは相当こうした身体の内側の変化を駆使してやっているので、フト気になって質問した。

すると、先生は笑いながら

「それと全く同じ質問をニコレにしたことがあるんだよ。」

「えっ!?で、ニコレはなんと??」

「そんなバカなこと聞くんじゃない!、って言われた。」

・・つまり、カルカントさんはそんなことはしていない、ということ。
まあ、出来る訳ないよね。考えてみれば。

当時は、パイプオルガンはそうしたもの。フルートはそうではなく、人間が息を出しているのだから、その送り方の微細な変化こそが重要、と捉えていた。

もちろん、それも一つの真実だろう。

でも、ここ数か月の進展に伴う奏法は、どちらかというと、パイプオルガンのカルカントさんの仕事的な身体の内側の使い方になってきている。

音域の違い、音量の違い、アーティキュレーションの違い、それら全てに対応する吹き方。ただ息を出すだけ。

アンブシュアやお腹の支え等の部分的なものを自分で意識的に変えるのではなく、楽器と自分との接点の圧力、方向、重心移動など、全身での対応で変化させているような、どちらかというと、どんどん機械化されているような感じ。

もちろん、細かい箇所や特殊なところは、従来駆使していたやり方も使っているけれど、これも、今の自分のレベルでの間に合わせ、という気もしている。
大元はよりシンプル、つまり、とても簡単になってきた。

そして本日。

ピピにねだられて蛇口からの水を掌に受けて飲ませてやっていて改めて感じた猫の舌の感触。

水を飲む時の猫の舌に関しては2014年だったか、バッハのシャコンヌのフルート編曲譜を出版した時に古武術奏法に関しても触れ、猫の舌のことを書いた。

でも、当時は、実際に猫を飼っていた訳ではなく、なんとなくのイメージのみ。

それが今回、時折掌にグンと触れるピピの舌の感触のお陰で、気付くことができた。

タンギングの折の舌のイメージが直線的すぎてたな、と反省。

これも、最短距離を最短時間で、というヒトの浅知恵が邪魔していた思い込みだろう。

それを目指してしまうことで、舌根、そして口回りの筋肉はむしろ硬くなる。
この影響で、かなりの響きがまだまだ阻害されていた。
・・なんと勿体ないことをしていたことか・・

猫の舌といえば、ラングドシャ(食べたい!)を思い出すけれど、あれは真っすぐなのでタンギングには不向きのイメージ。

お手本は水を飲む時の猫の舌。

ピピ、ありがとう!!

肝心の口元が隠れてしまっているけれど、水を飲んでいる写真がありました。
元気がなくなってきた薔薇を短くして器に活けたとたんに、ピピが・・
薔薇は猫には大丈夫な花ということなので、黙認。






岩城正夫先生の講座  11月6日(日)

2022-11-06 23:34:43 | 日常
鶴川駅前近くのポプリホール・3階会議室にて、岩城正夫先生(和光大学名誉教授・古代技術、古代発火法)の講座があり参加してきました。

92才になられた先生は、変わらずお元気・・というよりも、より進化されていて、2時間の講座の間、ずっとお話されていてもお疲れのご様子もなく、何より、その内容の明確さと話術の巧さに引き込まれました。

何度も笑いが起こり、楽しい雰囲気の中、実は奥深い哲学が優しい表情で語られる、という最高の授業ではなかったかと思います。

落語の名人の高座を聞いているような感もありました。

主宰の石塚さんの司会進行も素晴らしく、先生の自己紹介は1時間に渡っていましたが、それが、全て、この日のテーマの布石になっていて、見事でした。

ギター演奏も素晴らしかった。

岩城先生の弟子である関根秀樹先生はこの日は広島で、欠席で残念でしたが、関根先生の御弟子の和光大学の学生さんも多く参加されていて、参加者の年齢層の幅があるのも楽しい集いでした。

小さなお子さん連れの女性に声をかけられました。

「フルート奏者の白川さんですよね!私、昔、関根先生の研究室で一緒に遊んでいただいてて、覚えていますか?」

「ああ!あの時の!?」

「そうです。白川さんのご助言のお陰で、結婚もし、お母さんにもなれました!」とのこと。

もちろんそれは半分冗談なんだけれど、和光大学に入り浸って、関根先生達と遊んでいたころ、女子学生数名から、こじらせた恋の相談を受けたりもしていた。

「そんなのはダメダメ。とっとと断ち切って次に行きなさい。大丈夫。すぐに忘れられるから!」

みたいな甚だアバウトかつ無責任なご助言など酔っぱらってしていた・・ような気がする・・

幸せになってくれていて良かった、とこれまた嬉しい遭遇でした。


また先生に多くの影響を受けたという、同世代の方々との交流も楽しいものでした。

そして、この日一番最初に受けたある衝撃は・・

先生の御子息である漫画家・岩明均氏のこの施設の受付の方に対するあるご配慮でした。
承諾を得ていないので、詳細は書けませんが、とても感じ入りましたし、こうした配慮が出来るのも、おそらくご両親である岩城先生と奥様の影響なのだろうなと感じました。

だからこそ、あのように素晴らしい作品を生み出せるのか、とも思いました。
このような心配りは私の中には全くないものだったことを認識し、反省。

スケッチは、この日参加されていた芸術家・吉川陽一郎さんのもので、ご承諾をいただいたので掲載させていただきます。

とても熱心にメモを取られているなあ、とふと手元を見たら、ササっとこれを描かれていて驚きました。白いメモ帳にどんどん浮かんでくる先生の絵姿。
魔法みたい!?とびっくりしました。

終わってからすぐにお声がけして、見せていただいたという次第です。

先生の寛いだ雰囲気が良く出ていて素敵です。

先生のお写真は今、確認中なのでご承諾をいただきましたら、また掲載させていただきます。

(あわてて写したので左側が切れてしまっていて申し訳ないです・・)

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追記
先生からご承諾いただいたので、写真を2枚新たにアップします!

本当に若々しい、素敵な笑顔です!



11月の設え

2022-11-05 11:19:40 | テーブルコーディネート
今回のテーマは紅葉狩り。

ライナーはフランス製で、日本の紅葉というよりは、南仏、ロクシタンとか、音楽家で言えばセヴラックのイメージ。

楊枝入れは木をくりぬいて作られたもので、これまた得意の蚤の市みたいなリサイクルショップで数百円だったと思う。

いつものスペインの楽器演奏者の絵のケース。

ロシアのホフロマ塗りのゴブレットは昔、デパートでやっていた蚤の市で。
6年くらい前だけれど、今一、テイストが合わずに、ずっとしまい込んだままでしたが、今回初登場。

高さが欲しかったので、広島で買った松の小皿に載せました。

水にも強いらしいのだけれど、念のために、ミュンヘンの骨董市で買った小さなリキュールグラスを中に入れて。

活けたのは、庭先に勝手に生えてきた桑の葉。

サプリにもなっているくらい、猫には安心な植物ということで選びました。



「土」を感じる設えとなりました。

影響されて、せヴラックの歌曲などをピアノで弾いたり、フルートで吹いたりしていますが、本当にしみじみと幸せになれる小品ばかりです。



対応策

2022-11-03 11:51:38 | ピピ
一晩考えて思いついたのは、フリンジ部分を覆ってしまうこと。

リボンがいいかな?

と思い出したのは、昔ロングドレスの時にウエストに巻いたりしていたモアレの黒いリボン。

こうしたものは、使わなくなっても「いつか何かの時に」と取ってある。

使わなくなってもう20年くらい?

ようやく、その日がやってきた。

リボンの長さも、半分にするとぴったり、という偶然にびっくり。

最初は縫い付けるつもりだったのですが、全く針が通らない。

ピピの爪にも負けないのだから、それはそうか・・
ペルシャ絨毯、舐めちゃいけなかった。
と自分の甘さを反省しながらしばし思案。

得意の手芸用両面テープ?とも思いましたが、これは、やはり絨毯生地を傷めてしまうので却下。

そして思いついたのがゼムクリップ。



家にあるものでやったので悪目立ちしていますが、黒を買ってくれば、良いかも?

とりあえず、この応急処置でしのいで、また色々と考えてみようと思います。

ピピは、「なんでこんなことするにゃ!?」と不服そう。




・・やれるもんなら、やってみにゃ!\(^o^)/

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追記

黒がみつからなかったので、カラークリップを外して普通のものでやりましたが、反射で黒くなるし、細い分目立たないので、これでヨシとする。

ピピは、金属の匂いが嫌いなようで、クリップをつけてからはガジガジ&ケリケリをやらなくなりました。(今のところ)

フリンジを覆ってしまったのも良かったかも。

というのも、考えてみるにシルクというのは動物性たんぱく質。

シルクのフリンジの匂いはピピの猫としての本能を刺激していたかもしれません。

そういえば、古い帯締めを猫じゃらしにしているのだけれど、この時の食いつき方もやはり激しいものがある。

覆ったリボンはシルクではなく化繊。これも良かったかもしれません。