英語の辞書を使いこなす, 笠島準一, 講談社現代新書 810, 1986年
・良書。もっと早い時期に読んでおきたかった。辞書を開くと訳語のほかに、ゴチャゴチャいろいろな記号が入っていますが、これらには全て意味がある! その他、奥の深い辞書使用のノウハウを、さすがに全部は解説しきれないので基本の部分について、分かりやすい例を挙げながら紹介しています。
・結局使いこなすためには"努力"が必要なわけで、このちょっとした努力を実行できるかどうかが鍵。現在、電子辞書を愛用中ですが、まだまだ『使いこなしている』とは言えない状態です。どれ、ちょっと説明書読んでみるか。。。
・「本書は次の三つのことを具体的に示すことにより、英語の辞書の実用的な使いこなし方をお伝えするものである。
(1)各学習者の語学レベルと目的に応じた最適の辞書がある。
(2)辞書のしくみを知ることにより、誤解のない、効果的な辞書の使い方が身につく。
(3)英和・英英・和英辞典を「連係プレー」させることが可能であり、それによって英語辞書の効力が倍増する。」p.7
・「辞書との出会い、かかわりを振り返ってみて、私は一つの意外な発見をした。それは、英語学習が進むにつれて、語彙数の少ない辞書を使うようになったことである。」p.19
・「最も有益な辞書とは、適当な難度の語について、解説や用例を詳しく示してある辞書である。」p.20
・「どのような場合にどのような辞書を使えば最も効果的か? ――このような辞書の「使い分け感覚」をみがけば、これまでわからなかったことが面白いようにわかってくる。これが現在私がつくづく感じていることであり、また本書を書いている理由でもある。」p.23
・「何よりもまず、「語義」と「訳語」の区別をはっきりさせることから話を切り出そう。この差を知らなければ辞書を使いこなすことはできない。」p.29
・「同じ語義の中でも多少の差がある場合にはセミコロンを用いるのが多くの辞書での慣例である。」p.42
・「いわば発音記号は大まかな、しかし重要な、発音の方向を示す道路地図のようなものであり、実際の道路状態、つまり発音の方法までは示していない。」p.52
・「英和辞典などみじめなもので、すでに高校程度の段階から、本当の英語力をつけるためには「英和よりも英英を使え」とたたき込まれる。小遣いをはたいて英英辞典に投資したものの利益は一向に上がらず、赤字倒産する例が少なくない。 しかし、はっきり言って、英和辞典はわかりやすい。うしろめたさは一切感じないで、必要に応じてどんどん引くべきである。」p.67 ハーイ!
・「私が学習辞典を引くときは、学生の英文をチェックしているとき、あるいは自分で英文を書いているときで、[C][U]を確認するときが最も多い。」p.85
・「失敗の原因は二つある。一つはどのようなときに、どのようにして英英辞典を使えばよいのかをはっきり理解していなかったこと。(中略)二つ目の原因は、(中略)英英辞典には英語のネイティブ・スピーカー用のものと、外国人学習者用(中略)のものがあることを知らなかった。」p.103
・「私がすすめる英英辞典活用の大原則は、「英和でピンとこないときに引け」である。」p.107
・「期待に胸をふくらませ、英英辞典を買ったものの現実の風に当って夢しぼみ、むかしの英和にUターンする人の共通点は、すべてを英英だけで料理しようとする「気負い」である。」p.115
・「英和・英英・和英辞典の中で、最も使いにくく、また最も注意が必要なのは和英辞典である。」p.132
・「私が10年以上前にどこかの本で読み、今でも忘れられない「迷文」がある。
Father Mother Asakusa go, eat ox ten men before.
何の意味かおわかりだろうか。「お父さんとお母さんが浅草へ行って牛丼を十人前食べた」を英語に直した文である。「十人前」を ten men before と訳したところは「迷人芸」の極みである。」p.135 なんだかとっても語呂がいい。
・「(もっとも、前置詞で文を終えるのはよくないという人がいる。その人たちは A preposition is a bad word to end a sentence with. と主張しているとか)」p.143 Ha!ha!ha!
・「そこで私の辞書離れを促進するための教訓はこうである。第一に自分の知っている分野・内容のものを読むこと。第二に、たとえ途中でもわからないところがあっても、最後まで辞書を使わずに読み切ること。」p.164
・「本当に宝の価値に気づいているかどうかを調べる簡単なテストがある。自分が持っている辞書の価格を見て、それが安いと思うか、高いと思うか自問してみればよい。安いと思う人ほど辞書の価値を知っている人である。(中略)もし辞書の本当の価格はいくらだろうと尋ねられたら、迷わず私は "Priceless." と答えるだろう。」p.172
・「『英語の辞書を使いこなす』は実用的な面を展開させたが、本書に底流する理論上のバックボーンは「辞書学」と称せられるものである。この分野での最新の成果を、全く予備知識を持たない人にも理解してもらえる形で書いてみた。」p.175 そんな学問があるとは知りませんでした。
?パラフレーズ(英paraphrase) 1 (―する)意味内容を変えずに、難解な表現を平易に言いなおすこと。 2 ある楽曲を原曲として、他の楽器で演奏できるよう変形・編曲したもの。敷衍曲(ふえんきょく)。
・良書。もっと早い時期に読んでおきたかった。辞書を開くと訳語のほかに、ゴチャゴチャいろいろな記号が入っていますが、これらには全て意味がある! その他、奥の深い辞書使用のノウハウを、さすがに全部は解説しきれないので基本の部分について、分かりやすい例を挙げながら紹介しています。
・結局使いこなすためには"努力"が必要なわけで、このちょっとした努力を実行できるかどうかが鍵。現在、電子辞書を愛用中ですが、まだまだ『使いこなしている』とは言えない状態です。どれ、ちょっと説明書読んでみるか。。。
・「本書は次の三つのことを具体的に示すことにより、英語の辞書の実用的な使いこなし方をお伝えするものである。
(1)各学習者の語学レベルと目的に応じた最適の辞書がある。
(2)辞書のしくみを知ることにより、誤解のない、効果的な辞書の使い方が身につく。
(3)英和・英英・和英辞典を「連係プレー」させることが可能であり、それによって英語辞書の効力が倍増する。」p.7
・「辞書との出会い、かかわりを振り返ってみて、私は一つの意外な発見をした。それは、英語学習が進むにつれて、語彙数の少ない辞書を使うようになったことである。」p.19
・「最も有益な辞書とは、適当な難度の語について、解説や用例を詳しく示してある辞書である。」p.20
・「どのような場合にどのような辞書を使えば最も効果的か? ――このような辞書の「使い分け感覚」をみがけば、これまでわからなかったことが面白いようにわかってくる。これが現在私がつくづく感じていることであり、また本書を書いている理由でもある。」p.23
・「何よりもまず、「語義」と「訳語」の区別をはっきりさせることから話を切り出そう。この差を知らなければ辞書を使いこなすことはできない。」p.29
・「同じ語義の中でも多少の差がある場合にはセミコロンを用いるのが多くの辞書での慣例である。」p.42
・「いわば発音記号は大まかな、しかし重要な、発音の方向を示す道路地図のようなものであり、実際の道路状態、つまり発音の方法までは示していない。」p.52
・「英和辞典などみじめなもので、すでに高校程度の段階から、本当の英語力をつけるためには「英和よりも英英を使え」とたたき込まれる。小遣いをはたいて英英辞典に投資したものの利益は一向に上がらず、赤字倒産する例が少なくない。 しかし、はっきり言って、英和辞典はわかりやすい。うしろめたさは一切感じないで、必要に応じてどんどん引くべきである。」p.67 ハーイ!
・「私が学習辞典を引くときは、学生の英文をチェックしているとき、あるいは自分で英文を書いているときで、[C][U]を確認するときが最も多い。」p.85
・「失敗の原因は二つある。一つはどのようなときに、どのようにして英英辞典を使えばよいのかをはっきり理解していなかったこと。(中略)二つ目の原因は、(中略)英英辞典には英語のネイティブ・スピーカー用のものと、外国人学習者用(中略)のものがあることを知らなかった。」p.103
・「私がすすめる英英辞典活用の大原則は、「英和でピンとこないときに引け」である。」p.107
・「期待に胸をふくらませ、英英辞典を買ったものの現実の風に当って夢しぼみ、むかしの英和にUターンする人の共通点は、すべてを英英だけで料理しようとする「気負い」である。」p.115
・「英和・英英・和英辞典の中で、最も使いにくく、また最も注意が必要なのは和英辞典である。」p.132
・「私が10年以上前にどこかの本で読み、今でも忘れられない「迷文」がある。
Father Mother Asakusa go, eat ox ten men before.
何の意味かおわかりだろうか。「お父さんとお母さんが浅草へ行って牛丼を十人前食べた」を英語に直した文である。「十人前」を ten men before と訳したところは「迷人芸」の極みである。」p.135 なんだかとっても語呂がいい。
・「(もっとも、前置詞で文を終えるのはよくないという人がいる。その人たちは A preposition is a bad word to end a sentence with. と主張しているとか)」p.143 Ha!ha!ha!
・「そこで私の辞書離れを促進するための教訓はこうである。第一に自分の知っている分野・内容のものを読むこと。第二に、たとえ途中でもわからないところがあっても、最後まで辞書を使わずに読み切ること。」p.164
・「本当に宝の価値に気づいているかどうかを調べる簡単なテストがある。自分が持っている辞書の価格を見て、それが安いと思うか、高いと思うか自問してみればよい。安いと思う人ほど辞書の価値を知っている人である。(中略)もし辞書の本当の価格はいくらだろうと尋ねられたら、迷わず私は "Priceless." と答えるだろう。」p.172
・「『英語の辞書を使いこなす』は実用的な面を展開させたが、本書に底流する理論上のバックボーンは「辞書学」と称せられるものである。この分野での最新の成果を、全く予備知識を持たない人にも理解してもらえる形で書いてみた。」p.175 そんな学問があるとは知りませんでした。
?パラフレーズ(英paraphrase) 1 (―する)意味内容を変えずに、難解な表現を平易に言いなおすこと。 2 ある楽曲を原曲として、他の楽器で演奏できるよう変形・編曲したもの。敷衍曲(ふえんきょく)。
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